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休暇のおわり
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サイラスが夜早く帰ってくるようになり、ジュリアの傷も日に日に消えていった。皮膚が引きつったような感覚が残るも、運動しても痛みはない。毎晩サイラスにキスを浴びせらて幸せな時間を過ごしていたが(なぜか毎日食器が割れるようになった)、もうすぐそれも終わる。
「明日から頑張ってきます」
「くれぐれも無理してはいけませんよ」
ジュリアの復帰が決まった。体が本調子に戻るまで事務仕事を一ヶ月間して、現場に戻る予定だ。
「セバスチャンさん、マーサさん、リリアちゃん。今まで本当にありがとうございました。他の使用人の方たちにもお伝えください」
「もっといてくださって良かったのに・・・一同またいつでも歓迎致しますからね」
「はい・・・またお邪魔させてもらいます」
ジュリアはサイラスにも引き留められたもののこれ以上お世話になるのは心苦しかったのでお断りした。
(なんだか寂しいけれど・・・)
サイラスは思った程寂しそうにはしてくれなかった。こう思う存分のはジュリアだけであろうか。ジュリアは後ろ髪を引かれながら、屋敷を後にした。
+++
「おおジュリア、元気そうで良かった」
「ジュリアちゃん、おかえりー!!」
「ただいま戻りました。ご心配おかけしてすみませんでした」
騎士団の皆が「おかえり」と言ってくれてジュリアも嬉しく思った。
「今日からまたお願いします!!」
「あー、意気込んでるとこ申し訳ないけど、事務作業は新人のマリオにやらせてるから人手が足りてるんだ。ジュリアには他の部署に手伝いってほしい」
「え?」
+++
「サイラス様、おっしゃられていた書類まとめ終わりました」
「ありがとう、ジュリア殿」
(うーん、なんだこの展開)
ジュリアが手伝いとして連れてこられたのはサイラスの事務室であった。そこでサイラスのアシスタント、イヴァンの下で一ヶ月間働くそうだ。イヴァンは今年二十歳のそばかすが特徴的な男爵家の三男坊だそうで、学生時代サイラスの次に優秀な成績を叩きだし卒業後すぐにサイラスの部下として働き二年になるそうだ。
「いやぁ、ジュリアさん助かります!物覚えも早いですしこちらの部署に引き抜きたいくらいです」
「いえ、イヴァンさんの指導が分かりやすくやり易かったので。ありがとうございます」
ジュリアは一日仕事を終え、サイラスに帰ることを伝えた。
「どうでしたか、体に負担になってませんか」
「ええ、少し疲れましたが大丈夫です」
「不調を感じたらすぐに仰ってくださいね」
サイラスはジュリアのことをとても優しく気遣った。イヴァンはいつの間にか部屋から出ているようだ。
「家に帰ってもあなたがいないなんて寂しいです・・・」
「私もです・・・」
サイラスはジュリアを抱きしめ額にキスをした。物足りなさを感じるも、ジュリアは一ヶ月お世話になる職場を後にした。
「明日から頑張ってきます」
「くれぐれも無理してはいけませんよ」
ジュリアの復帰が決まった。体が本調子に戻るまで事務仕事を一ヶ月間して、現場に戻る予定だ。
「セバスチャンさん、マーサさん、リリアちゃん。今まで本当にありがとうございました。他の使用人の方たちにもお伝えください」
「もっといてくださって良かったのに・・・一同またいつでも歓迎致しますからね」
「はい・・・またお邪魔させてもらいます」
ジュリアはサイラスにも引き留められたもののこれ以上お世話になるのは心苦しかったのでお断りした。
(なんだか寂しいけれど・・・)
サイラスは思った程寂しそうにはしてくれなかった。こう思う存分のはジュリアだけであろうか。ジュリアは後ろ髪を引かれながら、屋敷を後にした。
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「おおジュリア、元気そうで良かった」
「ジュリアちゃん、おかえりー!!」
「ただいま戻りました。ご心配おかけしてすみませんでした」
騎士団の皆が「おかえり」と言ってくれてジュリアも嬉しく思った。
「今日からまたお願いします!!」
「あー、意気込んでるとこ申し訳ないけど、事務作業は新人のマリオにやらせてるから人手が足りてるんだ。ジュリアには他の部署に手伝いってほしい」
「え?」
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「サイラス様、おっしゃられていた書類まとめ終わりました」
「ありがとう、ジュリア殿」
(うーん、なんだこの展開)
ジュリアが手伝いとして連れてこられたのはサイラスの事務室であった。そこでサイラスのアシスタント、イヴァンの下で一ヶ月間働くそうだ。イヴァンは今年二十歳のそばかすが特徴的な男爵家の三男坊だそうで、学生時代サイラスの次に優秀な成績を叩きだし卒業後すぐにサイラスの部下として働き二年になるそうだ。
「いやぁ、ジュリアさん助かります!物覚えも早いですしこちらの部署に引き抜きたいくらいです」
「いえ、イヴァンさんの指導が分かりやすくやり易かったので。ありがとうございます」
ジュリアは一日仕事を終え、サイラスに帰ることを伝えた。
「どうでしたか、体に負担になってませんか」
「ええ、少し疲れましたが大丈夫です」
「不調を感じたらすぐに仰ってくださいね」
サイラスはジュリアのことをとても優しく気遣った。イヴァンはいつの間にか部屋から出ているようだ。
「家に帰ってもあなたがいないなんて寂しいです・・・」
「私もです・・・」
サイラスはジュリアを抱きしめ額にキスをした。物足りなさを感じるも、ジュリアは一ヶ月お世話になる職場を後にした。
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