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第二章 初級講習
16 驚愕! ウサギの恩返し
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「ご自分の状態を把握するためにも、記録的な意味でも、定期的に計測を行っておいた方がいいですよ。目に見える運動の成果はやる気の維持にもつながります!」
インストラクターにそう言われ、測定ブースにて入会以来二度目の計測を行った。
その結果。
ポイント:100250
魔王討伐コース会員:太田
身長176 体重●●● 魔力10 レベル1
スライムの加護 スキル:煽り
:言語理解
香車ウサギの加護 :逃げ足
「あれ? なんかポイントの項目がある」
「ああ! ギルドから鑑定結果が来たのでポイント加算してあります。レアアイテム『香車ウサギの角』200000ポイントの折半分の、100000ポイントが加算されています。なかなかいい買取額ですよ! 運動で稼げなかった分、大幅に補填されましたね!」
いいのかそれで。しかし、すごいな。たったあれだけで100000ポイントか。通貨格差があるとはいえ、序盤でこれなら結構いけるんじゃないか?
……とか一瞬思ったが。
実際の討伐で稼げたのはスライム討伐5匹分の250ポイントのみ。こちら換算で2円分(切り捨て)。運動量考えるとやる気失せるわー……。
運動の成果が目に見えた分、やる気がなくなった。
「あ、でも体重が3キロ減ってるな」
「え? 何を言っているんですか、太田様。2キロですよ?」
「ああ、今日は食後なんで。学食で腹いっぱい食ってきたんですよ。しかも、初回の測定は空腹時だったから、その分も考えたら確実にそれくらいは減っています!(キリッ)」
疑わしそうな目で俺を見るインストラクター。
いや、本当だって! 午後は取っている講義が休講になったからとりあえず学食に行って、それからすぐクラブに直行したんだから。
むしろ俺のやる気を褒めて欲しいくらいだ。
「ちなみに……メニューを聞いても?」
「カレーです。ちょっとだけお代わりしました」
「それで1キロいきますか?」
「ああ、汁まで飲んだんで」
「汁?」
「……うどんも食べたんで」
インストラクターの目が何か言いたげに細められるが、カレーうどんはやめられない。
「そうですか。なかなか素晴らしい食生活をお送りのようで。……そ・ん・な、太田様にピッタリのサービスがございます☆」
おおっと。怒られるかと思いきや本日の勧誘来たぞ。
「じゃん! 管理栄養士による食事改善アドバイス(初回無料)。運動と合わせれば、劇的に効果が出てきますよ」
「あ、いえ。そういうのは興味ないんで!! あのー、それより、なんかカードに加護が増えてるんですけど」
「え? あ! 本当ですね。スライムに続き、香車ウサギですか……これは珍しいな。本来、臆病な魔物なんで、人間に加護とか与えるような奴じゃないんですよ」
どうやら即死か逃げるかの二択になるので、香車ウサギの加護など普通はないらしい。ほとんど動けないあの状態から逃げられたことで、機嫌が良かったのでは、とのこと。
まあ、インストラクターには話していないが、殺すのが嫌でプロテインバー(人参味)やってわざと逃がしたからな。そういや超高速で逃げていく際中、一回立ち止まってこっちを見ていた。あの時に何か付与されたのかもしれない。
ウサギの恩返しってやつか。義理堅いな3kg。
「それで、何かメリットありますか?」
基本、加護には何らかのメリットがあるらしい。スライムはあまり前例がないので分からないらしいが、体感で言わせてもらえればあまり警戒をされなくなった。
ぶっちゃけ寝込みを襲えるので、起きている個体よりそれを狙う方が効率的かもしれない。まったく運動にはならないが。
「そうですねえ。加護は基本、同種族に襲われにくくなるとかがあるんですが、香車ウサギに関してはおそらく逆ですね」
「逆?」
「臆病な分、同種族に対しての縄張り意識が強いので、おそらく突進攻撃を受けやすくなります。即死にお気をつけください」
恩をあだで返された!!
インストラクターにそう言われ、測定ブースにて入会以来二度目の計測を行った。
その結果。
ポイント:100250
魔王討伐コース会員:太田
身長176 体重●●● 魔力10 レベル1
スライムの加護 スキル:煽り
:言語理解
香車ウサギの加護 :逃げ足
「あれ? なんかポイントの項目がある」
「ああ! ギルドから鑑定結果が来たのでポイント加算してあります。レアアイテム『香車ウサギの角』200000ポイントの折半分の、100000ポイントが加算されています。なかなかいい買取額ですよ! 運動で稼げなかった分、大幅に補填されましたね!」
いいのかそれで。しかし、すごいな。たったあれだけで100000ポイントか。通貨格差があるとはいえ、序盤でこれなら結構いけるんじゃないか?
……とか一瞬思ったが。
実際の討伐で稼げたのはスライム討伐5匹分の250ポイントのみ。こちら換算で2円分(切り捨て)。運動量考えるとやる気失せるわー……。
運動の成果が目に見えた分、やる気がなくなった。
「あ、でも体重が3キロ減ってるな」
「え? 何を言っているんですか、太田様。2キロですよ?」
「ああ、今日は食後なんで。学食で腹いっぱい食ってきたんですよ。しかも、初回の測定は空腹時だったから、その分も考えたら確実にそれくらいは減っています!(キリッ)」
疑わしそうな目で俺を見るインストラクター。
いや、本当だって! 午後は取っている講義が休講になったからとりあえず学食に行って、それからすぐクラブに直行したんだから。
むしろ俺のやる気を褒めて欲しいくらいだ。
「ちなみに……メニューを聞いても?」
「カレーです。ちょっとだけお代わりしました」
「それで1キロいきますか?」
「ああ、汁まで飲んだんで」
「汁?」
「……うどんも食べたんで」
インストラクターの目が何か言いたげに細められるが、カレーうどんはやめられない。
「そうですか。なかなか素晴らしい食生活をお送りのようで。……そ・ん・な、太田様にピッタリのサービスがございます☆」
おおっと。怒られるかと思いきや本日の勧誘来たぞ。
「じゃん! 管理栄養士による食事改善アドバイス(初回無料)。運動と合わせれば、劇的に効果が出てきますよ」
「あ、いえ。そういうのは興味ないんで!! あのー、それより、なんかカードに加護が増えてるんですけど」
「え? あ! 本当ですね。スライムに続き、香車ウサギですか……これは珍しいな。本来、臆病な魔物なんで、人間に加護とか与えるような奴じゃないんですよ」
どうやら即死か逃げるかの二択になるので、香車ウサギの加護など普通はないらしい。ほとんど動けないあの状態から逃げられたことで、機嫌が良かったのでは、とのこと。
まあ、インストラクターには話していないが、殺すのが嫌でプロテインバー(人参味)やってわざと逃がしたからな。そういや超高速で逃げていく際中、一回立ち止まってこっちを見ていた。あの時に何か付与されたのかもしれない。
ウサギの恩返しってやつか。義理堅いな3kg。
「それで、何かメリットありますか?」
基本、加護には何らかのメリットがあるらしい。スライムはあまり前例がないので分からないらしいが、体感で言わせてもらえればあまり警戒をされなくなった。
ぶっちゃけ寝込みを襲えるので、起きている個体よりそれを狙う方が効率的かもしれない。まったく運動にはならないが。
「そうですねえ。加護は基本、同種族に襲われにくくなるとかがあるんですが、香車ウサギに関してはおそらく逆ですね」
「逆?」
「臆病な分、同種族に対しての縄張り意識が強いので、おそらく突進攻撃を受けやすくなります。即死にお気をつけください」
恩をあだで返された!!
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