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告白された
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「……」
学校に登校し、下駄箱を開ける。
……面倒だな……
下駄箱の上履きの上に置かれた封筒。
見なかったことにしたいが、そうもいかない。
封筒を手にすると隣にいた真実に声を掛けられた。
「お前もか。面倒だな」
真実はそう言うなり上履きのみを取り出してピンク色の封筒を下駄箱に戻している。
「中見ないの?」
私は真実に聞く。
「いちいち付き合ってられないからな。見なかった事にする」
真実はそう言いながら空いている下駄箱に履いていた靴をしまった。
「お前も下駄箱変えろよ。そんなものにいちいち付き合うこと無いぞ?」
「っていうか二人とも美人さんだからモテるね」
横で青海くんが他人事のように微笑む。
「っていうか水野さん2通もラブレター貰ったの?凄いなあ……まあ気持ちはわかるけど。水野さんはかわいいし」
青海くんの言葉にドキりとして振り返る。
「なんだよ透、泉みたいなのが好きなのか?」
すかさず真実が青海くんを揶揄い始める。
「うん?そりゃあ……水野さんは優しいし可愛いから嫌いな人なんていないと思うけど……」
揶揄われているのに気づいていないのか青海くんがきょとんとしながらそう言ってくれた。
「だってよ、よかったな泉っ★」
青海くんを揶揄うのに失敗した真実が方向転換して私を揶揄い始めた。
思わず顔が赤くなるのが自分でわかる。
「何言ってるの、シンジだって優しいし格好いいからシンジの事だって嫌いな人いないでしょ?女の子からもすっごくモテるのに……」
ニコニコ笑っている青海くん。
……青海くんだっていつも優しくって、かわいいよ。
そう言ってあげたかった。
★
休み時間に呼び出された場所で待っていると男の子がやってきた。
一定の距離を保ちながら話を聞く。
「ねえいつも水野さんと一緒にいる青海って、アイツ施設育ちなんだろ?どうしてあいつなんかと一緒にいるの?」
その言葉で私の心の奥底がひんやりとしていくのを感じていた。
「それってどういう意味?」
私は苛立ちを抑えながら男の子に聞く。
「え、水野さん青海が施設育ちって知らないの?……そうか、だから青海なんかと付き合ってるんだね?」
男の子はそう言いながら笑っていた。
……青海くんが施設育ちだからどうだというんだろう?
「……それが何?」
私は何とか返事をする。
無視をして勝手に待たれているのも嫌だったから顔を出してはみたが……正直真実の言った通り無視をすれば良かったと思った。
男の子は嫌な笑い方をした。
「青海の事他のヤツにバラされたくないでしょ?水野さんそんなにヤツと付き合ってたなんて思われたくないだろうしさ、だからバラさない代わりに俺と付き合って?」
……それって脅迫?
正直バラされたところで私は困らなかった。
青海くんがいっとき施設で育った事は知っている。
最初の預けられ先で満足に食事をさせてもらえず、そのままだったら生きていられないギリギリの状態だったらしい。
青海くんは近所の住民の通報により助け出されたおかげで生き延びた。
施設でしばらく過ごしてそのあと今のお家で引き取られてから普通の生活ができるようになって……
ぼんやりと青海くんの今朝の顔を思い出す。
……青海くん生きててくれてよかった……
青海くんの事を考えながら黙っていたら勘違いをしたらしい男の子は更に続ける。
「まあ水野さんだって突然こんな事言われてびっくりしたでしょ?少し時間あげるから青海と別れておいでよ。放課後またここで待ってるから」
男の子はそう言い残して去って行った。
「……」
★
予鈴のベルが鳴り我に返る。
急いで教室に戻りながらどうしようかと悩んでいた。
「あ、水野さん間に合ったね。良かった」
青海くんが安心したように微笑む。
……青海くん……施設育ちだとバラされちゃったら学校で過ごしづらくなっちゃうかな……
青海くんの横顔を見つめる。
……せっかく頑張ってるのに、がっかりさせたくない……
どうしたらいいんだろう?
青海くんの事を知ってるのは真実だけだった。
それに他の誰かに相談している時間もない。
授業が終わると同時に真実の教室に走る。
「くそ、まいったな……」
話を聞いた兄の真実は困り顔で後頭部を掻く。
「真実、私……どうしたらいい?……青海くんを守らなきゃ……」
そう言うと真実が嬉しそうに笑う。
「お前もなんだかんだで透に惹かれたんだな?」
「もう、そんな事言ってないで一緒に考えてよ。……私……あの子と付き合うなんて無理だよ」
思わず両腕を抱き締める。
「取り敢えずボコるか。話し合いできそうもないしな……」
「!?」
暴力的な解決策は認めたくない。
ちょうど休み時間も終わりそうだったので諦めて教室に戻る。
★
結局何も解決策は思い当たらずの放課後を迎えてしまった。
仕方なく約束の場所に行く。
……男の子が飽きるまで付き合うしかない。
「水野さん来てくれたんだね?」
厭な笑いを浮かべた男の子。
「……付き合ったら青海くんの事、黙っててくれるんだよね?」
そう言うと男の子は不思議そうな顔をした。
「何?水野さん本当に青海のことなんか好きなの?すげー意外。でもまあいいか、俺の物になってくれるんだよね?」
男の子に肩をつかまれた。
昔の厭な思い出が脳裏をよぎり、身体が震える。
「ねえ本当に青海くんのこと黙って……」
それだけを確認しようとしたら突然頬に痛みと重い衝撃が走った。
「青海青海ってうるせえんだよ!!」
突然の痛みと衝撃に何も考えられずに床に倒れる。
……痛いっ……
頬を手で抑える。
痛みと恐怖で身体が震えてしまう。
……どうして?
床に倒れたまま縮こまっていると腕を掴まれる。
「っ、イヤっ!!」
そう言ったが聞き入れて貰えるはずもなく……
そしてすぐそばの体育倉庫に連れ込まれてしまった。
「俺が飽きたら解放してやるよ」
男が私のお腹の上に馬乗りになる。
「まあ飽きる頃には水野さんの方がオレから離れられなくなってるかもしれないけどなっ!」
そう言いながら男は私の制服のリボンに手を掛ける。
「お願い……離してっ……」
「ああ、オレが飽きたら赦してやるよ」
リボンをちぎるようにして解かれ、そのままブラウスのボタンを引きちぎられた。
恥ずかしさで胸を隠そうとすると腕を押さえつけられる。
「そんなにないけど充分綺麗だぜ?」
ブラジャーの上から胸を掴まれる。
「いやっ!痛いっ!」
「水野さん!大丈夫!?」
気づけば青海くんが目の前にいた。
「お前ふざけんなよ!!」
真実の怒りに満ちた怒鳴り声と、重い衝突音が何度となく聞こえ、その度に男の呻き声が聞こえてくる。
「水野さんこれ着てっ!」
青海くんが上着を脱いで私に掛けてくれた。
……助かったの?
そう思いながら青海くんを見上げる。
自然と涙が溢れてしまう。
「水野さん……殴られたのか?」
不意に私を見た青海くんの雰囲気が変わる。
え?
そう思った瞬間におもむろに立ち上がった青海くんが男に殴りかかっていった。
もう既に真実に殴られていた男は顔から血を流してぐったりしていた。
更に拳を振り上げる青海くんを見てびっくりしてしまった。
何度も鈍い音がして、男がうめく。
その度に青海くんの手が血に塗れていくのが見えた。
「青海くん!もういいからやめてっ!!」
思わず青海くんの背中に縋り付く。
それ以上やったら青海くんの手が……
夢中で青海くんにしがみついた。
学校に登校し、下駄箱を開ける。
……面倒だな……
下駄箱の上履きの上に置かれた封筒。
見なかったことにしたいが、そうもいかない。
封筒を手にすると隣にいた真実に声を掛けられた。
「お前もか。面倒だな」
真実はそう言うなり上履きのみを取り出してピンク色の封筒を下駄箱に戻している。
「中見ないの?」
私は真実に聞く。
「いちいち付き合ってられないからな。見なかった事にする」
真実はそう言いながら空いている下駄箱に履いていた靴をしまった。
「お前も下駄箱変えろよ。そんなものにいちいち付き合うこと無いぞ?」
「っていうか二人とも美人さんだからモテるね」
横で青海くんが他人事のように微笑む。
「っていうか水野さん2通もラブレター貰ったの?凄いなあ……まあ気持ちはわかるけど。水野さんはかわいいし」
青海くんの言葉にドキりとして振り返る。
「なんだよ透、泉みたいなのが好きなのか?」
すかさず真実が青海くんを揶揄い始める。
「うん?そりゃあ……水野さんは優しいし可愛いから嫌いな人なんていないと思うけど……」
揶揄われているのに気づいていないのか青海くんがきょとんとしながらそう言ってくれた。
「だってよ、よかったな泉っ★」
青海くんを揶揄うのに失敗した真実が方向転換して私を揶揄い始めた。
思わず顔が赤くなるのが自分でわかる。
「何言ってるの、シンジだって優しいし格好いいからシンジの事だって嫌いな人いないでしょ?女の子からもすっごくモテるのに……」
ニコニコ笑っている青海くん。
……青海くんだっていつも優しくって、かわいいよ。
そう言ってあげたかった。
★
休み時間に呼び出された場所で待っていると男の子がやってきた。
一定の距離を保ちながら話を聞く。
「ねえいつも水野さんと一緒にいる青海って、アイツ施設育ちなんだろ?どうしてあいつなんかと一緒にいるの?」
その言葉で私の心の奥底がひんやりとしていくのを感じていた。
「それってどういう意味?」
私は苛立ちを抑えながら男の子に聞く。
「え、水野さん青海が施設育ちって知らないの?……そうか、だから青海なんかと付き合ってるんだね?」
男の子はそう言いながら笑っていた。
……青海くんが施設育ちだからどうだというんだろう?
「……それが何?」
私は何とか返事をする。
無視をして勝手に待たれているのも嫌だったから顔を出してはみたが……正直真実の言った通り無視をすれば良かったと思った。
男の子は嫌な笑い方をした。
「青海の事他のヤツにバラされたくないでしょ?水野さんそんなにヤツと付き合ってたなんて思われたくないだろうしさ、だからバラさない代わりに俺と付き合って?」
……それって脅迫?
正直バラされたところで私は困らなかった。
青海くんがいっとき施設で育った事は知っている。
最初の預けられ先で満足に食事をさせてもらえず、そのままだったら生きていられないギリギリの状態だったらしい。
青海くんは近所の住民の通報により助け出されたおかげで生き延びた。
施設でしばらく過ごしてそのあと今のお家で引き取られてから普通の生活ができるようになって……
ぼんやりと青海くんの今朝の顔を思い出す。
……青海くん生きててくれてよかった……
青海くんの事を考えながら黙っていたら勘違いをしたらしい男の子は更に続ける。
「まあ水野さんだって突然こんな事言われてびっくりしたでしょ?少し時間あげるから青海と別れておいでよ。放課後またここで待ってるから」
男の子はそう言い残して去って行った。
「……」
★
予鈴のベルが鳴り我に返る。
急いで教室に戻りながらどうしようかと悩んでいた。
「あ、水野さん間に合ったね。良かった」
青海くんが安心したように微笑む。
……青海くん……施設育ちだとバラされちゃったら学校で過ごしづらくなっちゃうかな……
青海くんの横顔を見つめる。
……せっかく頑張ってるのに、がっかりさせたくない……
どうしたらいいんだろう?
青海くんの事を知ってるのは真実だけだった。
それに他の誰かに相談している時間もない。
授業が終わると同時に真実の教室に走る。
「くそ、まいったな……」
話を聞いた兄の真実は困り顔で後頭部を掻く。
「真実、私……どうしたらいい?……青海くんを守らなきゃ……」
そう言うと真実が嬉しそうに笑う。
「お前もなんだかんだで透に惹かれたんだな?」
「もう、そんな事言ってないで一緒に考えてよ。……私……あの子と付き合うなんて無理だよ」
思わず両腕を抱き締める。
「取り敢えずボコるか。話し合いできそうもないしな……」
「!?」
暴力的な解決策は認めたくない。
ちょうど休み時間も終わりそうだったので諦めて教室に戻る。
★
結局何も解決策は思い当たらずの放課後を迎えてしまった。
仕方なく約束の場所に行く。
……男の子が飽きるまで付き合うしかない。
「水野さん来てくれたんだね?」
厭な笑いを浮かべた男の子。
「……付き合ったら青海くんの事、黙っててくれるんだよね?」
そう言うと男の子は不思議そうな顔をした。
「何?水野さん本当に青海のことなんか好きなの?すげー意外。でもまあいいか、俺の物になってくれるんだよね?」
男の子に肩をつかまれた。
昔の厭な思い出が脳裏をよぎり、身体が震える。
「ねえ本当に青海くんのこと黙って……」
それだけを確認しようとしたら突然頬に痛みと重い衝撃が走った。
「青海青海ってうるせえんだよ!!」
突然の痛みと衝撃に何も考えられずに床に倒れる。
……痛いっ……
頬を手で抑える。
痛みと恐怖で身体が震えてしまう。
……どうして?
床に倒れたまま縮こまっていると腕を掴まれる。
「っ、イヤっ!!」
そう言ったが聞き入れて貰えるはずもなく……
そしてすぐそばの体育倉庫に連れ込まれてしまった。
「俺が飽きたら解放してやるよ」
男が私のお腹の上に馬乗りになる。
「まあ飽きる頃には水野さんの方がオレから離れられなくなってるかもしれないけどなっ!」
そう言いながら男は私の制服のリボンに手を掛ける。
「お願い……離してっ……」
「ああ、オレが飽きたら赦してやるよ」
リボンをちぎるようにして解かれ、そのままブラウスのボタンを引きちぎられた。
恥ずかしさで胸を隠そうとすると腕を押さえつけられる。
「そんなにないけど充分綺麗だぜ?」
ブラジャーの上から胸を掴まれる。
「いやっ!痛いっ!」
「水野さん!大丈夫!?」
気づけば青海くんが目の前にいた。
「お前ふざけんなよ!!」
真実の怒りに満ちた怒鳴り声と、重い衝突音が何度となく聞こえ、その度に男の呻き声が聞こえてくる。
「水野さんこれ着てっ!」
青海くんが上着を脱いで私に掛けてくれた。
……助かったの?
そう思いながら青海くんを見上げる。
自然と涙が溢れてしまう。
「水野さん……殴られたのか?」
不意に私を見た青海くんの雰囲気が変わる。
え?
そう思った瞬間におもむろに立ち上がった青海くんが男に殴りかかっていった。
もう既に真実に殴られていた男は顔から血を流してぐったりしていた。
更に拳を振り上げる青海くんを見てびっくりしてしまった。
何度も鈍い音がして、男がうめく。
その度に青海くんの手が血に塗れていくのが見えた。
「青海くん!もういいからやめてっ!!」
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