◆青海くんを振り向かせたいっ〜水野泉の恋愛事情

青海

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進級とクラス替え

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 新学年になった。

 始業式の日に多目的ホールに張り出されたクラス分け表を皆見上げては、嘆いたり、喜んだりしていた。
 


 「やったあ!今年は真実と同じクラスになれたねっ!!それにみんな同じクラスだ!」

 透の嬉しそうな声を聞いてホッとする。

 「ああ、そうだな」

 真実も嬉しそうに透の隣に立つ。

 「水野さん、よろしくねっ★」

 そう言いながら真実の隣で笑うのは、浅川さんだ。

 
 今年はどういうわけか、四人揃って同じクラスだ。





 正直透と同じクラスになれたことは嬉しかったが、真実と同じクラスなのは……少し気まずい。

 透は何だかんだ言っても真実と仲がいいし、真実も透の事を大事にしているから……透を独り占めできなくなる気がした。

 
 それに……透って浅川さんのことどう思ってるんだろう?

 それが一番気になっていた。

 見たところ浅川さんは真実が好きみたいだけど……。

 

 「今年も一緒のクラスになれたね」

 透が私を見つめ、微笑む。

 「うん、よかったね」

 透がそう言ってくれて、不安は少しだけ無くなる。

 すぐ隣に立つ透の手にこっそり触れると、透が手を握り返してくれた。

 それだけでドキドキして、嬉しくなる。

 ……すごく久しぶりに透に触った……

 そのまましばらく透と手を繋ぐ。
 


 「そろそろ、教室行くか」

 真実の一言で、四人揃って移動を始める。

 「いずみ、行こうか」

 透に手を引かれて、自然と笑みが溢れてしまう。

 「もう、水野さんったら透クン大好きね」

 浅川さんに面白そうに揶揄われる。

 「うん、大好き」

 思わずそういい、透を見上げる。

 「っ……泉っ……」

 透が真っ赤になって……照れながら笑った。

 ……可愛いなあ……

 なんだか幸せすぎて、たまらない。

 



 ★



 お昼休み……透と一緒にパンを買いに行こうと話していたら、海が教室にやってくる。

 「お前なんでこっちまで来るんだよ……クラスのやつと食えばいいだろ?」

 真実はそう言うが海は知らぬそぶりで私の隣の席に座っていた透に声をかける。

 「透さん、席貸して?」

 透は困ったような顔をしながらも席を立つ。

 「海、透の席に……」

 そしたら透がご飯食べる場所がなくなるじゃない……注意しようとすると透が私を止める。

 「いいよ。オレ食堂行くから」

 透はそう言い、教室から出て行ってしまった。

 浅川さんと真実も後を追うように教室を出て行く。

 「……海……私も今日パンだから買ってくるね」

 そう言い、3人の後を追いかける。

 途中で透は財布を忘れたと言う。

 真実も私もそれくらい貸すと言ったが、透はお金の貸し借りはしたくないといい、私たちに先に行くように促す。

 そこで透と別れて先に食堂に行くことにした。

 「透クン食堂で食べるんなら私たちも食堂で食べましょう」

 「ああ、悪いな……」

 浅川さんの一言に真実はホッとしたようだ。

 私も一緒に食べたかったが、教室で海が待っている……。

 パンを買い、真実達と分かれて教室に戻る。

 うまくいけば教室に戻った透に会えるだろう。

 ……そう思ったが透には会えなかった。

 透の席に座っていた海に聞くが透は戻ってきていないという。
 
 ……それじじゃあどこに……?

 そう思ったが、海に促されて昼食を食べることにした。

 


 透は結局そのまま昼休みの間教室に戻ってくることはなかった。

 真実と浅川さんが食事を済ませて戻ってきたので透に会ったか聞くが、会わなかったようだった。

 昼休みの終了前に海も教室へと戻っていった。

 ……透……どうしたんだろう?
 
 そう思っていると始業のチャイムが鳴った。

 少し遅れて透と担任の教師が一緒に教室に入ってくる。

 どうやら透は担任の教師に捕まっていたらしい。

 そのまま授業が始まってしまい、それ以上はなにも聞けずじまいだった。




 ★


 「いずみ、一緒に帰ろうっ」

 授業と清掃が終わり、帰ろうかと透と話していたら海が教室にやってきた。

 「海……部活とかしないの?」

 そう聞くと海は無邪気に笑う。

 「俺別に部活とか興味ないし、それよりいずみと一緒にいた方が楽しいし」

 そんな海に真実が釘を刺す。

 「お前クラスのヤツと仲良くしろよ。わざわざ三年の教室にまで来るなよ」

 そう言ったが海は気にする様子はない。

 「同じクラスのヤツらなんかくだらないよ。いずみといる方がよっぽど勉強になるし、楽しいし。さ、帰ろうよ」

 海はそう言いながら私の手を引く。

 ……今透と一緒に帰ろうって話してたのに……

 透を見つめると、苦笑しながら首を振る。

 「一緒に帰ってあげていいよ。オレ……今日図書室寄って帰りたいんだ」

 そう言いながら鞄を持つ。

 「……ごめんね?」

 謝ったら透は笑って手を振ってくれた。

 「泉、いいから帰ろうよ」

 海はそう言いながら私の手を引っ張る。

 ひとり図書室に向かって歩く透の背中を見つめる。

 ……透……

 最近本当に一緒にいられない……

 それもこれも……

 私の手を引く海に……どう言えばわかって貰えるだろうか?

 
 

 

 
 
 
 
 

 

 

 
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