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お泊まり会

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 たこ焼き焼きそば焼きとうもろこし、焼き団子に大判焼き…唐揚げイカ焼きにクレープ屋さん…。
 お面が売っている屋台もあればだるまが売っていたり…。

 たくさんの屋台と人々…。

 前を歩く浅川さんと真実が腕を組んでいるのに気づく。

 「やっぱり真実と浅川さんって付き合ってるんだよね?」

 「…まあお正月から一緒にいるくらいだから…そうかもね。…透、たこ焼きどうぞっ」

 泉はニコニコしながらたこ焼きを食べさせてくれた。

 …はあ…可愛いなあ…

 泉が食べさせてくれたおかげか、たこ焼きウマイっ!



 「シンジっ焼きそば食べたいっ」

 「お前そんなに食えるのかよ、こっちにまだ串焼きあるだろっ?」

 前を歩く二人も楽しそうだった。

 「泉はまだ他に食べたいものとかある?」

 「う~ん…もういいかなあ…。あんまり食べると夕飯食べれなくなっちゃいそうだし…」

 泉は食べていたたこ焼きの空き容器を捨てると手を繋いでくる。

 「昨日透と作ったおせちまだ食べてないし、お腹を空かせておかないと」

 …泉ってば…可愛いんだから…






 「透、私も何かやらせてっ」
 泉がキッチンに来る。
 「鍋だからそんなにすることないから浅川さん達の相手してあげてていいよ、お酒足りそう?」
 「お酒は大丈夫っ、これ持って行くね」
 泉が漬物を持って行ってくれる。
 鍋に火をかけて、一煮立ち…。
 
 リビングからは3人の楽しそうな声が聞こえてくる。

 
 …そろそろいいかな…
 鍋を持ってリビングに移動…

 「できたよ、ちょっと失礼っ」
 鍋を卓上コンロに置いて、蓋を開ける。
 …うん、良さそうだ
 
 既に呑み始めている3人に鍋を小皿に取り分けて渡す。

 「透のは私取ってあげるっ」

 泉はなんだか嬉しそうに小皿に鍋の具を取り分けてくれた。
 …魚に牡蠣も…旨そうだ。
 「牡蠣は体に良いから…」
 そう言いながら牡蠣を多めに取り分ける泉…
 「泉ありがとう」
 
 「透クン達本当仲良いわねえ…」
 浅川さんがニヤッと笑う。
 …あんまり反応するといつまでも揶揄われっぱなしだな…
 そう思い冷静に…
 「そりゃあ好きで好きで仕方ないから結婚したわけだし…ねっ?」
 泉を見る。
 「う…うん」
 そう言いながら泉は真っ赤になっている…
 …!!!!
 …くそっ!…二人っきりだったらすぐにでも抱きしめたいっ!

 話を変えようと真実に話を振る。
 「それより二人って付き合ってるの?ひょっとして年越しも二人だったり…」
 浅川さんはあっさりとしている。
 「別に付き合ってるわけじゃないけど、忘年会の後からシンジの家に入り浸ってるわよ。家に一人でいてもつまらないし…」
 …付き合ってないけどって…しかも忘年会の後からと言ったら四日位は一緒に居るのか…
 …そんなに二人でいて、何もないはず無いよね…?
 真実を見る。
 「…まあ…今は何も聞くな…」
 真実はそう言いながらお酒を呑む。
 …まあ二人の事に口を挟んでも仕方ないか…
 
 楽しくお酒を呑んで、夕飯を食べる。
 「透が作ってくれた煮豆すごくおいしいよ」
 泉は嬉しそうに豆を食べる。
 
 鍋を食べて、おせちも食べる。
 ついでに餅も焼いて…みんなお腹いっぱいだ。

 みんなでコタツを囲んで、楽しく過ごせた。



 「もう食べれないっ…」
 浅川さんのすぐ後ろに布団を出してあげると幸せそうな顔で寝転がる。
 「浅川、寝るんなら歯磨けよ」
 そう言いながら真実が浅川さんと洗面所に歯磨きに…。
 二人一緒でもいいのかな…そう思いながらも真実の分も布団を取り敢えず敷く。
 
 「泉も歯磨きしておいで」
 眠そうな顔の泉に声をかける。
 …今朝泉はあまり寝れてないはずだ。
 そんなに呑んで無かったとはいえ泉はそろそろ限界だろう。
 
 コタツの上をサッと片付けて、洗い物を終わらせる。

 歯磨きを終えた真実と浅川さんがそれぞれ布団に入るのを見届けて、リビングの照明を暗くする。

 「おやすみなさい。ゆっくり休んでね」

 「透クンおやすみなさい」
 挨拶を交わして洗面所に移動した。

 すっかり目を閉じながら歯を磨く泉の背中を抱く。

 「泉…オレやろうか?口開けてごらん?」

 声を掛けるとハッとしたように泉が起き、歯磨きを再開する。

 泉の隣に立って歯を磨く。

 歯を磨き終えた泉は背中に抱きついてきたのでそのまま歯磨きを終える。

 「泉…どうする?昨日寝れなかったでしょ?自分の部屋で寝る?」

 「透と一緒がいいっ…」

 …寝づらく無いんだろうか?
 そう思いながら部屋に泉を入れてベッドに寝かせる。

 泉の隣に寝ると嬉しそうに泉がそばに来る。

 「今日は楽しかったね、おやすみなさい」

 すぐに寝入ってしまった泉にしっかり毛布を掛けた。

 「…ゆっくり休んでね、おやすみ…」

 泉の寝顔を見ながら電気を消す。

 幸せだと思った。
 
 
 

 
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