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のんびり温泉旅
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「透、お猿さんが温泉に入ってるよ。かわいいねえっ」
泉が嬉しそうに手を引く。
「本当だ。温泉入ってる時はいいけど出た後寒くないのかなあ?」
ふと疑問を口にすると泉も気になったようで、猿の心配をし始める泉はなんとも可愛い。
「そうだよね。身体を拭くわけでもないし、どうしてるんだろう…」
去年の疲れを癒やしてあげたいと思い、長野の山奥にある温泉旅館に来ていた。
旅館に行く前にたまたま見つけた観光地に寄って、温泉に浸かる猿達を眺める。
一面真っ白な雪景色…さらに雪が空から間際無く降ってくる。
…身体の芯まで凍るような寒さに、自分の過去を思い出してしまって…少し困惑してしまう。
冬の川…
殴られて意識を無くすと、決まって家のそばの川に落とされた。
意識を取り戻し、全身ずぶ濡れになりながら、それでも他に帰る場所がなかったので泣きながら謝り続ける自分…。
…寒い…
凍てつく様なこの寒さは自分の心さえも凍らせていくようだ。
「透…?大丈夫?」
不意に泉が頬に触れてくる。
暖かで柔らかい泉の掌の温もりに一瞬で我に帰る。
「あ…ごめん。ちょっと思い出しちゃって…」
頭を押さえて目を閉じる。
…大丈夫。もう今の自分は昔の自分とは違う…。
そう思いながら深呼吸しようとして、泉に抱きしめられる。
「ここはちょっと寒すぎるね。もう旅館に行こう。温泉に入って身体温めよう…」
泉は少しだけ泣き出しそうな顔をしたがすぐににこりと笑う。
「部屋に露天風呂がついてるんだよ。いつでも入れるからたくさん入って去年の疲れを癒そう?」
泉の言葉に、なんとか微笑む。
…身体を冷やすのは…よくないな…
★
「透、早く脱いでっ、風邪ひいちゃうっ」
「待って泉…タオル…」
一足先にお湯に浸かった泉に手を引っ張られる。
「そんなのいいからっ★」
「あっ!」
冷え切った身体に熱めの温泉…
「っ…染みるっ…!!」
「ちゃんと肩まで入ってっ」
いつのまに移動したのか泉が後ろから抱きついてくる。
「あっ!!」
泉のおっぱいが思い切り背中に当たるっ!
っ!!
「あったかいねっ★」
泉はそのまましばらく抱きついていて、おっぱいが背中に当たっているせいでなんとも…。
だんだん泉のおっぱいの事しか考えられなくなり、ムラムラとしてきた。
…エッチしたいっ!
「泉っ!」
体勢を変えようと思った瞬間泉はいいタイミングで離れてしまう。
泉は隣に座ると空を見上げた。
「本当に雪凄いね。明日までにどの位降るかな…」
泉はそんな事を言い出す。
「…雪が降りまくって帰れなくなったらこのままここに泊めてもらおう?泉と一緒なら何日でも泊まりたいな…」
泉とまったりゆっくり…何日でもお泊まりして、溶け合うまで…。
「…もうっ、透のエッチ」
泉は困ったような顔で笑う。
「…泉…イヤ?」
泉の肩を抱きしめる。
「イヤじゃ…ないよ」
泉は赤くなりながらキスしてくれた。
さっきまでのしんどい思い出も、寒さも…いつの間にかに溶けてなくなっていた。
泉の事だけしか考えられなくなる…
★
オレって単純だよな…
眠っている泉の横顔を見つめながらそう思った。
…でもまあいいか。
こうして泉と一緒にいられて、泉に抱きしめて貰えるだけで幸せだった。
「…泉…愛してるよ…」
そう呟いて、泉の身体を抱く。
泉はいつだって優しくて、温かくて…大好きだ。
泉の寝息に自分の呼吸を合わせて…
ゆっくりと意識を手放す。
真っ白な雪が全ての景色を覆い、音を消し去っていくようだ。
とても静かだった。
二人の寝息だけが部屋に響いていく。
しんしんと降り積もる雪はいつまでも降り続けていく…。
泉が嬉しそうに手を引く。
「本当だ。温泉入ってる時はいいけど出た後寒くないのかなあ?」
ふと疑問を口にすると泉も気になったようで、猿の心配をし始める泉はなんとも可愛い。
「そうだよね。身体を拭くわけでもないし、どうしてるんだろう…」
去年の疲れを癒やしてあげたいと思い、長野の山奥にある温泉旅館に来ていた。
旅館に行く前にたまたま見つけた観光地に寄って、温泉に浸かる猿達を眺める。
一面真っ白な雪景色…さらに雪が空から間際無く降ってくる。
…身体の芯まで凍るような寒さに、自分の過去を思い出してしまって…少し困惑してしまう。
冬の川…
殴られて意識を無くすと、決まって家のそばの川に落とされた。
意識を取り戻し、全身ずぶ濡れになりながら、それでも他に帰る場所がなかったので泣きながら謝り続ける自分…。
…寒い…
凍てつく様なこの寒さは自分の心さえも凍らせていくようだ。
「透…?大丈夫?」
不意に泉が頬に触れてくる。
暖かで柔らかい泉の掌の温もりに一瞬で我に帰る。
「あ…ごめん。ちょっと思い出しちゃって…」
頭を押さえて目を閉じる。
…大丈夫。もう今の自分は昔の自分とは違う…。
そう思いながら深呼吸しようとして、泉に抱きしめられる。
「ここはちょっと寒すぎるね。もう旅館に行こう。温泉に入って身体温めよう…」
泉は少しだけ泣き出しそうな顔をしたがすぐににこりと笑う。
「部屋に露天風呂がついてるんだよ。いつでも入れるからたくさん入って去年の疲れを癒そう?」
泉の言葉に、なんとか微笑む。
…身体を冷やすのは…よくないな…
★
「透、早く脱いでっ、風邪ひいちゃうっ」
「待って泉…タオル…」
一足先にお湯に浸かった泉に手を引っ張られる。
「そんなのいいからっ★」
「あっ!」
冷え切った身体に熱めの温泉…
「っ…染みるっ…!!」
「ちゃんと肩まで入ってっ」
いつのまに移動したのか泉が後ろから抱きついてくる。
「あっ!!」
泉のおっぱいが思い切り背中に当たるっ!
っ!!
「あったかいねっ★」
泉はそのまましばらく抱きついていて、おっぱいが背中に当たっているせいでなんとも…。
だんだん泉のおっぱいの事しか考えられなくなり、ムラムラとしてきた。
…エッチしたいっ!
「泉っ!」
体勢を変えようと思った瞬間泉はいいタイミングで離れてしまう。
泉は隣に座ると空を見上げた。
「本当に雪凄いね。明日までにどの位降るかな…」
泉はそんな事を言い出す。
「…雪が降りまくって帰れなくなったらこのままここに泊めてもらおう?泉と一緒なら何日でも泊まりたいな…」
泉とまったりゆっくり…何日でもお泊まりして、溶け合うまで…。
「…もうっ、透のエッチ」
泉は困ったような顔で笑う。
「…泉…イヤ?」
泉の肩を抱きしめる。
「イヤじゃ…ないよ」
泉は赤くなりながらキスしてくれた。
さっきまでのしんどい思い出も、寒さも…いつの間にかに溶けてなくなっていた。
泉の事だけしか考えられなくなる…
★
オレって単純だよな…
眠っている泉の横顔を見つめながらそう思った。
…でもまあいいか。
こうして泉と一緒にいられて、泉に抱きしめて貰えるだけで幸せだった。
「…泉…愛してるよ…」
そう呟いて、泉の身体を抱く。
泉はいつだって優しくて、温かくて…大好きだ。
泉の寝息に自分の呼吸を合わせて…
ゆっくりと意識を手放す。
真っ白な雪が全ての景色を覆い、音を消し去っていくようだ。
とても静かだった。
二人の寝息だけが部屋に響いていく。
しんしんと降り積もる雪はいつまでも降り続けていく…。
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