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しおりを挟むそんなことがあったが、ジェネラスの読み通りにことは進むことになったようだ。
ジェネラスの元婚約者の令嬢は、ジェネラスと婚約破棄をしたことでウキウキとしながら、父親に自分が浮気していたことなど話すこともせずに未だにジェネラスに浮気されていた可哀想な娘だと何かと甘やかして慰めてくれようとするのをチャンスとばかりに気になっている子息がいるからと、婚約の打診をしてもらうように頼んだようなのだ。
父親も、すっかり娘に騙されていたようで、娘が元気になればと思い、すぐに望みを叶えてやろうと行動したようだが、上手くいかなかったのだ。
「え? こ、断られた……?」
「そうなんだ。あちらに別の婚約の話がきているらしくてな」
「っ、!?」
父親からより良い返事をもらえると思っていた娘は、それを聞いてショックを受けてしまった。
彼女が浮気していた子息に別の婚約話があったと聞いて、娘は父親に詰め寄って、どういうことたと詳しい話を聞こうとしたが、要領を得られず、業を煮やした彼女自ら、浮気相手のところに詰め寄ったのは、すぐのことだった。
「一体、どういうなのよ!」
「なんだ。いきなり」
令嬢の方が、怒り心頭で怒鳴り散らしたせいで、ルドゥーテもその声を聞いて、何事だろうとそちらに行くことになった。
(ジェネラスの元婚約者だわ。何を騒いでるのかしら?)
すると彼女は、周りに人だかりができ始めているのもお構いなしに話し始めたのだ。
「私との婚約の話を断って、どこの女と婚約する気よ!」
「君との婚約? 一体、何の話だ?」
令嬢の言葉に子息は、すっとぼけていたがルドゥーテは、すぐにわかった。
(この子息が浮気相手だったのね。それにしても、婚約すると思っていたのにこの子息の態度からすると熱を上げていたのは、彼女だけだったのかしら?)
ルドゥーテは、どういうことだろうと首を傾げていた。
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