2 / 2
2
しおりを挟むアイザックは、アザレアと婚約している時は、この家の婿になるはずだった。それを妹のデージーと婚約したことで、この家の跡継ぎから他所で新しい家をおこさなくてはならないのだが、二人とも勉強は平均以下でコネもない。親をあてにしていたようだが、アイザックの両親も折角の婿入り先を蹴ってその妹と婚約した息子のことは学園までしか面倒を見る気はなかったようだ。
その辺のことも話していたようだが、アイザックはデージーと婚約したことで浮かれていたせいか。大して動じることはなかったようだ。
(あれは、動じてないというか。意味がわかってないんじゃないかしらね。まぁ、私の知ったことではないけれど)
アザレアは、新しい婚約者が決まり、卒業するとすぐに結婚をして幸せな家庭を築くことが出来た。
(あんな子息と婚約破棄して正解だったわね。素敵な方と結婚できたのも、ある意味、妹のおかげよね)
ちょっぴり二人にアザレアな心の中で感謝していた。本人たちに言う気は全くないが。
アイザックはアザレアに勉強を見てもらっていたが、破棄になって以来、勉強もままならずに留年することになった。デージーと同じ時期に卒業して、二人とも家から追い出されることになって、初めて自分たちに居場所がないことに気づいたようだ。
どちらの家族からも厄介者とされてしまっていた二人は爵位を買うことも出来ず、頼るはすまの家族からも見放されて平民として暮らすしかなかったのだ。
こうして、アザレアは許可も取らずに何かと妹に好き勝手されて来た仕返しに成功して、アイザックとデージーは喧嘩の堪えない家庭を築いたようだ。
その代わりデージーたちが居なくなって、アザレアは愛溢れる家族を増やしていくこととなり、笑顔が耐えない一生を送ることが出来たのだった。
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
67
この作品は感想を受け付けておりません。
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる