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暴虐
時間だ
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元々最後までアルフィは待機して、弱らせた勇者をみんなでタコ殴り作戦だったのだ。店長やマスターたちでしっかり弱らせた後で、大量の魔族を前衛と盾代わりにしてアルフィが魔法をバンバン撃ち込むというエグいが確実な作戦。物量で押し切るつもりだった。それが今応援が期待出来ない状況でアルフィを守れるのは俺ひとり。
「ふむ、この状況でもそこまでの威圧感。貴様も成長しているな」
五月蝿え、人相が悪いだけだ。むしろ俺にとっては現状通り困っている顔をしているだけだ。
防具すらまともに無い状態。たぶん俺なら勇者の軽い電撃で死ねる。考えろ、考えるんだ。もちろん各種魔道具はポシェットに入れてあるが、今更こんなんでどうにかなる相手とは思えない。
「そ、その剣は使わないのか?」
「ん?」
腰に付けている豪華な剣を指して言う。特に考えは無い。せめて戦い難い方法で戦ってくれないかなというお願いですらある。
「魔法は多少使えるようになったようだが、剣のお稽古はサボっていたのかな?」
「相変わらずの安い挑発だが、まあ良い」
勇者は長く重量がありそうな剣を抜く。モニターで見てはいたが、近くで見ると本当に怖い。これが直撃したら斬れるどころか折れるな。勇者は剣を構えると俺を睨む。
「そうだったな。お前は碌に構えんのだった」
「い、いぃ、いや、まあ待て」
必死にあたりを見渡すも、近くに戦えそうな武器はない。むしろあったらなんだと言うのだろうか。今の俺には時間稼ぎすら難しい。せめて身を守るものを。
「なんだ?どういうつもりだ?」
「こ、これは」
先程のアルフィとの戦闘で落ちた勇者の籠手。それを握って前に突き出して盾のように構える俺を見て、勇者はかなり困惑している。
「どういうつもりだと?ふふ、どういうつもりに見える?」
不敵に笑う俺に対し、勇者はなにか言おうとしたが言葉が見付からない様子で口を閉ざす。考えろ、勇者よ。そして俺に教えてくれ、どうしたら良いのか。
「まさかお前、この俺の攻撃をそれひとつで受け止めるとでも言うつもりか?」
「はっはっは!その通りだよ!」
そんな馬鹿な!?そんなの出来るわけないじゃないか!
「いくら俺の籠手であろうと、俺の本気の攻撃には耐えられない。いや、待てよ?」
勇者がなにか思い付いた!?教えて教えて!
「なにかの魔法でも掛けるつもりか?」
魔法を掛ける?うーん、そうか!
「まあ待て。面白いものを見せてやる」
俺はしゃがんで地面に籠手を当てる。あまりに荒唐無稽な俺の行動に、勇者は固まったままだ。チャンス!俺は勇者に見えないように、しゃがんだ足の隙間からアルフィに籠手を見せて、詠唱っぽく小声で指示を出す。するとしばらくして籠手が数回フラッシュのように光り瞬く。
「ほう?それで?」
勇者に何の変哲もない籠手をもう一度見せた俺は、覚悟を決めて告げる。
「それで壊してみろ。そのなまくら程度なら何度でも止めてやる」
「言ってくれるな。まあ良い付き合ってやろう」
嗜虐的な笑みを浮かべた勇者は、剣をバットのように振りかぶる。予想通り天井が低いので攻撃は左右どちらかのみ。更に重量があり斬撃よりむしろ打撃の効果に期待した大剣なので、モーションは大きく俺でも見える。これなら当てられる!
ーーーガキンッ!
工場で出るレベルの金属音が響く。しかししっかりと籠手に当たった大剣は、俺の身体を動かすことすら出来ていない。
「ほお」
剣をゆっくりと戻した勇者は俺を睨むと、視線を籠手へと移す。
「壊れてないだろ?」
自分の全力で壊れなかったのが気に食わないのか、剣を握る手を確かめている。
「お前程度の腕力では!俺が魔法を掛けたこの籠手すら壊せない!」
その言葉を皮切りに、勇者は俺が持つ籠手に何度も剣を叩き込む。正直滅茶苦茶怖いが、俺は間違っても受け止め損ねて身体に剣が当たらないようにしっかりと動きを見る。
「おらあああ!ふっ!ああああ!」
何度攻撃を受けようとも壊れない籠手。馬鹿な勇者は籠手を避けるどころか、俺が動かすまでもなくそれを目指して剣を振るう。良い感じにムキになってくれている。更に挑発するために、俺は出来るだけ余裕で耐えているように見せ掛けて、心臓が張り裂けそうなのを隠して笑う。
「ここまでして、一歩も下がらないとは」
次第に勇者の顔に焦りが出てくる。一歩も下がらない?当たり前だ、俺の後ろにはアルフィがいる。
「これがお前の弱点だよ」
「なんだと!?」
「お前は確かに成長スピードが恐ろしく速いが、それは技術面での話だ。流石に戦いの最中に腕力が強くなるわけじゃない。今お前が俺の防御魔法を超える攻撃力がないのなら、その剣で俺を倒すことは出来ない!」
「そんなことはない!しっかりと一撃ずつ腕力も強くなっている!」
そんなことはないらしい。俺断言しちゃったよ、恥ずかしい。戦いの中でしっかり腕力まで上がっている勇者さんは、戯言に付き合えないと言わんばかりの猛攻を再開する。
「うら!ああっ!何故だあああ!」
怖えよぉ。なんだよこいつ。普通無理なら諦めない?なんでそんな何回もチャレンジ出来るの?魔法で戦えば良いだけじゃん。てかマジでこいつ一発ずつ強くなってんの?
俺は籠手で攻撃を受けながらも、間違ってスパッと指が飛ばないように注意するので精一杯だ。そうこうしていると、またも籠手に弾かれた勇者が、振りかぶった構えのままなにかを溜め始めた。ボスが溜めたら必殺技なのは確定だ。俺は今まで以上に集中するが、勇者の必殺技に上手く籠手を合わせるなんて芸当はまず出来ない。結局は勇者がこれに当ててくれるのを期待する以外なにも出来ないのだが。
「はっ!」
ーーーバンッ!
予想通り見ることすら出来なかった剣筋。それは願い通り籠手に当たったが、何故かその場で爆発した。
「これでも壊れないのかっ!?」
お前なにしてんだよおおお!?なに今の!剣が当たった瞬間爆発したよ!?怖えええ!俺今指ある!?凄え熱かったぞ!?焦げてない!?ねえ!
「そんな籠手ですら壊せないとは」
実際は籠手より脆い俺の身体だが、これすら壊せないなら俺を攻撃しても無駄だと錯覚してくれているらしい。勇者が馬鹿で良かった。おかげでしっかり時間が稼げたようだ。
「勇者よ、心配するな。お前の実力は間違いなく本物だよ」
「なに?」
俺が語り出すとちゃんと話を聞いてくれる。本当の弱点はそういう馬鹿なところだな。
「この籠手に掛けた魔法が特別なだけさ。ほら、見てみろ」
俺は籠手を勇者に投げ渡す。
「お前が斬り付けていた表面、傷ひとつ無いだろう?」
勇者はさっきまで自分が攻撃していた籠手に傷が無いことを確認して固まる。落ち着け、あと数秒。
「秘密はその裏側にある。小さいが見えるか?」
「どこだ?」
勇者が籠手を裏返して顔に近付け、まじまじとその秘密を探っていたその時。
「時間だ」
ーーードゴッ!
大きな激突音と共に勇者の身体が後ろへゆっくりと倒れる。ドンっと床に倒れた勇者はしばらくしても起きて来ない。恐る恐る近付いて見てみると、思いっきり曲がった籠手が顔に突き刺さっている。
「成功した?」
詳しく確認する勇気は無いが、時間も勿論無いので、俺はすぐに応援を呼んで勇者を捕縛するよう指示を出す。魔族が魔道具を使って身動きが取れないようにしている最中も、勇者は気を失って動かなかった。
「シャルル様」
自分でやっといて挙動不審にウロウロしていた俺は、アルフィに声を掛けられてハッとする。
「アルフィ!無事か!?」
「なんとかね。それよりシャルル様こそ大丈夫?勇者は?」
「アルフィの魔法のおかげで助かったんだ!」
店長が近付いて来て報告する。
「勇者捕獲完了ー。ちょっと信じられないんだけど、あれもしかしてシャルルンがやったのー?」
「えっ?勇者倒したの?」
力無くアルフィが驚く。店長も困惑しているようだ。
「いや、俺じゃなくてアルフィの魔法な。勇者の籠手に時間停止の魔法を掛けて貰ったんだよ」
「まさかそれで攻撃受け続けたの?」
「時間停止してる物体は壊れないし動かないだろ?上手く挑発してそれに何度も勇者の攻撃を蓄えて、最後に至近距離で裏側になるように誘導して」
「時間が戻った時に反動でぶっ飛んだ籠手が当たったって?そんな馬鹿な。5分なんてどうやって計ったの!?」
「誰よりもあの魔法を受けている俺は、最高に気持ち良い瞬間である5分を正確に計れる身体になっている!まあでも、あれで外れたり倒れなかったら死んでたな、はは」
「マジでー?シャルルン大金星じゃーん」
「あれ!?アルフィ!アルフィ!?」
急にアルフィが返事をしなくなった。俺は慌ててアルフィを抱き上げるが。
「シャルルン大丈夫だってー。安心して寝たんだろー?ちゃんと息してるからー。魔族はそんな柔じゃねえよー」
「あぁ、そうか」
腕の中で寝息を立てているアルフィを抱き上げて立ち上がる。
「仮眠室に連れて行くよ」
「シャルルンもそのまま少し休んでなー。あとはワシらが片付けとくからさー」
「ありがとう、正直限界だ」
こうして激闘の末に勇者を倒した俺は、アルフィを連れてベッドに入り、そのまま隣で泥のように眠った。
「ふむ、この状況でもそこまでの威圧感。貴様も成長しているな」
五月蝿え、人相が悪いだけだ。むしろ俺にとっては現状通り困っている顔をしているだけだ。
防具すらまともに無い状態。たぶん俺なら勇者の軽い電撃で死ねる。考えろ、考えるんだ。もちろん各種魔道具はポシェットに入れてあるが、今更こんなんでどうにかなる相手とは思えない。
「そ、その剣は使わないのか?」
「ん?」
腰に付けている豪華な剣を指して言う。特に考えは無い。せめて戦い難い方法で戦ってくれないかなというお願いですらある。
「魔法は多少使えるようになったようだが、剣のお稽古はサボっていたのかな?」
「相変わらずの安い挑発だが、まあ良い」
勇者は長く重量がありそうな剣を抜く。モニターで見てはいたが、近くで見ると本当に怖い。これが直撃したら斬れるどころか折れるな。勇者は剣を構えると俺を睨む。
「そうだったな。お前は碌に構えんのだった」
「い、いぃ、いや、まあ待て」
必死にあたりを見渡すも、近くに戦えそうな武器はない。むしろあったらなんだと言うのだろうか。今の俺には時間稼ぎすら難しい。せめて身を守るものを。
「なんだ?どういうつもりだ?」
「こ、これは」
先程のアルフィとの戦闘で落ちた勇者の籠手。それを握って前に突き出して盾のように構える俺を見て、勇者はかなり困惑している。
「どういうつもりだと?ふふ、どういうつもりに見える?」
不敵に笑う俺に対し、勇者はなにか言おうとしたが言葉が見付からない様子で口を閉ざす。考えろ、勇者よ。そして俺に教えてくれ、どうしたら良いのか。
「まさかお前、この俺の攻撃をそれひとつで受け止めるとでも言うつもりか?」
「はっはっは!その通りだよ!」
そんな馬鹿な!?そんなの出来るわけないじゃないか!
「いくら俺の籠手であろうと、俺の本気の攻撃には耐えられない。いや、待てよ?」
勇者がなにか思い付いた!?教えて教えて!
「なにかの魔法でも掛けるつもりか?」
魔法を掛ける?うーん、そうか!
「まあ待て。面白いものを見せてやる」
俺はしゃがんで地面に籠手を当てる。あまりに荒唐無稽な俺の行動に、勇者は固まったままだ。チャンス!俺は勇者に見えないように、しゃがんだ足の隙間からアルフィに籠手を見せて、詠唱っぽく小声で指示を出す。するとしばらくして籠手が数回フラッシュのように光り瞬く。
「ほう?それで?」
勇者に何の変哲もない籠手をもう一度見せた俺は、覚悟を決めて告げる。
「それで壊してみろ。そのなまくら程度なら何度でも止めてやる」
「言ってくれるな。まあ良い付き合ってやろう」
嗜虐的な笑みを浮かべた勇者は、剣をバットのように振りかぶる。予想通り天井が低いので攻撃は左右どちらかのみ。更に重量があり斬撃よりむしろ打撃の効果に期待した大剣なので、モーションは大きく俺でも見える。これなら当てられる!
ーーーガキンッ!
工場で出るレベルの金属音が響く。しかししっかりと籠手に当たった大剣は、俺の身体を動かすことすら出来ていない。
「ほお」
剣をゆっくりと戻した勇者は俺を睨むと、視線を籠手へと移す。
「壊れてないだろ?」
自分の全力で壊れなかったのが気に食わないのか、剣を握る手を確かめている。
「お前程度の腕力では!俺が魔法を掛けたこの籠手すら壊せない!」
その言葉を皮切りに、勇者は俺が持つ籠手に何度も剣を叩き込む。正直滅茶苦茶怖いが、俺は間違っても受け止め損ねて身体に剣が当たらないようにしっかりと動きを見る。
「おらあああ!ふっ!ああああ!」
何度攻撃を受けようとも壊れない籠手。馬鹿な勇者は籠手を避けるどころか、俺が動かすまでもなくそれを目指して剣を振るう。良い感じにムキになってくれている。更に挑発するために、俺は出来るだけ余裕で耐えているように見せ掛けて、心臓が張り裂けそうなのを隠して笑う。
「ここまでして、一歩も下がらないとは」
次第に勇者の顔に焦りが出てくる。一歩も下がらない?当たり前だ、俺の後ろにはアルフィがいる。
「これがお前の弱点だよ」
「なんだと!?」
「お前は確かに成長スピードが恐ろしく速いが、それは技術面での話だ。流石に戦いの最中に腕力が強くなるわけじゃない。今お前が俺の防御魔法を超える攻撃力がないのなら、その剣で俺を倒すことは出来ない!」
「そんなことはない!しっかりと一撃ずつ腕力も強くなっている!」
そんなことはないらしい。俺断言しちゃったよ、恥ずかしい。戦いの中でしっかり腕力まで上がっている勇者さんは、戯言に付き合えないと言わんばかりの猛攻を再開する。
「うら!ああっ!何故だあああ!」
怖えよぉ。なんだよこいつ。普通無理なら諦めない?なんでそんな何回もチャレンジ出来るの?魔法で戦えば良いだけじゃん。てかマジでこいつ一発ずつ強くなってんの?
俺は籠手で攻撃を受けながらも、間違ってスパッと指が飛ばないように注意するので精一杯だ。そうこうしていると、またも籠手に弾かれた勇者が、振りかぶった構えのままなにかを溜め始めた。ボスが溜めたら必殺技なのは確定だ。俺は今まで以上に集中するが、勇者の必殺技に上手く籠手を合わせるなんて芸当はまず出来ない。結局は勇者がこれに当ててくれるのを期待する以外なにも出来ないのだが。
「はっ!」
ーーーバンッ!
予想通り見ることすら出来なかった剣筋。それは願い通り籠手に当たったが、何故かその場で爆発した。
「これでも壊れないのかっ!?」
お前なにしてんだよおおお!?なに今の!剣が当たった瞬間爆発したよ!?怖えええ!俺今指ある!?凄え熱かったぞ!?焦げてない!?ねえ!
「そんな籠手ですら壊せないとは」
実際は籠手より脆い俺の身体だが、これすら壊せないなら俺を攻撃しても無駄だと錯覚してくれているらしい。勇者が馬鹿で良かった。おかげでしっかり時間が稼げたようだ。
「勇者よ、心配するな。お前の実力は間違いなく本物だよ」
「なに?」
俺が語り出すとちゃんと話を聞いてくれる。本当の弱点はそういう馬鹿なところだな。
「この籠手に掛けた魔法が特別なだけさ。ほら、見てみろ」
俺は籠手を勇者に投げ渡す。
「お前が斬り付けていた表面、傷ひとつ無いだろう?」
勇者はさっきまで自分が攻撃していた籠手に傷が無いことを確認して固まる。落ち着け、あと数秒。
「秘密はその裏側にある。小さいが見えるか?」
「どこだ?」
勇者が籠手を裏返して顔に近付け、まじまじとその秘密を探っていたその時。
「時間だ」
ーーードゴッ!
大きな激突音と共に勇者の身体が後ろへゆっくりと倒れる。ドンっと床に倒れた勇者はしばらくしても起きて来ない。恐る恐る近付いて見てみると、思いっきり曲がった籠手が顔に突き刺さっている。
「成功した?」
詳しく確認する勇気は無いが、時間も勿論無いので、俺はすぐに応援を呼んで勇者を捕縛するよう指示を出す。魔族が魔道具を使って身動きが取れないようにしている最中も、勇者は気を失って動かなかった。
「シャルル様」
自分でやっといて挙動不審にウロウロしていた俺は、アルフィに声を掛けられてハッとする。
「アルフィ!無事か!?」
「なんとかね。それよりシャルル様こそ大丈夫?勇者は?」
「アルフィの魔法のおかげで助かったんだ!」
店長が近付いて来て報告する。
「勇者捕獲完了ー。ちょっと信じられないんだけど、あれもしかしてシャルルンがやったのー?」
「えっ?勇者倒したの?」
力無くアルフィが驚く。店長も困惑しているようだ。
「いや、俺じゃなくてアルフィの魔法な。勇者の籠手に時間停止の魔法を掛けて貰ったんだよ」
「まさかそれで攻撃受け続けたの?」
「時間停止してる物体は壊れないし動かないだろ?上手く挑発してそれに何度も勇者の攻撃を蓄えて、最後に至近距離で裏側になるように誘導して」
「時間が戻った時に反動でぶっ飛んだ籠手が当たったって?そんな馬鹿な。5分なんてどうやって計ったの!?」
「誰よりもあの魔法を受けている俺は、最高に気持ち良い瞬間である5分を正確に計れる身体になっている!まあでも、あれで外れたり倒れなかったら死んでたな、はは」
「マジでー?シャルルン大金星じゃーん」
「あれ!?アルフィ!アルフィ!?」
急にアルフィが返事をしなくなった。俺は慌ててアルフィを抱き上げるが。
「シャルルン大丈夫だってー。安心して寝たんだろー?ちゃんと息してるからー。魔族はそんな柔じゃねえよー」
「あぁ、そうか」
腕の中で寝息を立てているアルフィを抱き上げて立ち上がる。
「仮眠室に連れて行くよ」
「シャルルンもそのまま少し休んでなー。あとはワシらが片付けとくからさー」
「ありがとう、正直限界だ」
こうして激闘の末に勇者を倒した俺は、アルフィを連れてベッドに入り、そのまま隣で泥のように眠った。
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