7人と暮らす

しろくま

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第一章

勢いで

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「空いたお部屋のこと詳しく教えていただけませんか?」


通りすがりの女の子からいきなり、しかもお別れの見送りをした次の瞬間に、こんなことを言われたらそれは目が点になるのも無理はない。。

「・・・・っあははははははは!!!」

突如お腹をかかえて笑い出す男性。

「あははははははwww まじでびっくりしたぁ!!
急に叫んだかと思ったら口ぱくぱくさせてる女の子がいるんだもんww
何事かと思ったよw」

そう言われてどんなに自分がマヌケに見えたか頭に浮かんで、顔が赤くなるほど恥ずかしくなった。

(ひぃ~~~///確かに、めちゃくちゃおかしい人じゃん。わたし。)

「す、すみません///」
そう謝るとその男の人は

(*-ω-)うんうん♪

となぜかご機嫌な様子でニコニコしながらうなずいた。

「おじさん。いきなり入居希望の子みたいだよww」

私(いや、まだ入居したいとは言ってないけど・・・)

おじさん「ん~~。ここで話すのもなんだからホソクもあなたも中に入りなさい。
あ、ホソク。その張り紙は一旦張らないでおこう。」

ホソク「オッケー♪」

そういってホソクさんと呼ばれるその男性はるんるん♪とスキップしながら建物の中へ入って行った。

そのあとをおじさんと私がついて歩き始める。

やわらかい白色の塀に木製の大きな開き扉がついていて、ここの扉はいつも開けたままのようだった。

塀の高さは高すぎず、背伸びをすれば中の様子がのぞける高さで、扉を抜けて中に入ると西洋風の雰囲気に包まれていた。
家までのちょっとした小道には茶色のレンガが敷かれ、周りの芝はとてもきれいに整えられていた。
家の前の両脇に花壇があり、色とりどりのパンジーが咲いている。

(かわいい!!!女の子の理想のお庭ってかんじ!!)

心の中でウキウキとしながら、後をついていく。

お家の外観は和モダンというのだろうか。
西洋風の外観ではあるけれど、玄関があって一段上がって床が続いている。
「おじゃまします」
玄関を入ってすぐに大きな柱があった。ここにはきれいな色とりどりのお花が描かれた油絵が立派な額縁に入って飾ってある。
おじさんが出してくださった来客用と思われるスリッパを履く。

「あ、キャリーバッグ。」

おじさん「玄関に一旦置いておきなさい」
そういわれ、小さなキャリーバッグは玄関に置かせてもらった。

玄関の前にたたずむ柱を回り込むように抜けて進むと、


「わぁ。。。。」
思わず息を飲んでしまうほどの景色が現れた。
広い空間の真ん中に大きな丸テーブルと横にはソファがL字型に置かれている。
息を飲んだのはその先だ。
大きな窓ガラスが丸いテーブルの向こうに広がっていて、そこから中庭に出られるようにウッドデッキがついている。
中庭には、屋根を超えるか超えないかくらいの背丈の木が1本真ん中に立っていて、周りにはきれいな芝生が敷かれている。

「ほんとにきれいな眺めだよね!僕も大好きな景色だよ。」
そう言いながらホソクさんがお茶を運んで来てくれた。

「ほんとに。。。」
それ以上言葉が続かず太陽に照らされて青々と輝く中庭を見つめながら丸いテーブルに着いた。

「おじさんのおかげでこんなにきれいなお庭が保てているんだ。おじさんは昔庭師をしていたんだって。」
ホソクさんは、そう言いながらおじさんに微笑んだ。

「私は、もう引退した身だけどね。それでもこうして喜んでもらえるのは嬉しいし、なにより私が庭いじりが好きなんだ。」
照れたように頭をかきながらおじさんも丸いテーブルに着いた。

「この家はもともと建築家の兄が、兄の家族と両親と住むために建てた家でね。
平屋の家を建てて住むのが兄の夢でね。
この広間の左の廊下を進むと4つ部屋がそれぞれあって、対象に右の廊下を進むとまた4つ部屋があるんだ。中庭を囲むようにコの字型と言ったらいいのかな。そんな形になっているんだ。」
そこまで言うとおじさんは、お茶を飲んだ。

「だけど、結局兄家族は兄の転勤で海外で暮らすことになって今は韓国に住んでいるんだ。私の両親もこんな大きな家に二人で住むのは嫌だと言って結局二人で元の家で暮らしていた。そこに僕が様子を見に行ったりしていたんだ。そんな二人ももう8年前に天国へ行ってしまったけどね。それで残ったこの大きな家をどうしようかと考えたときに、アパートのような形で住んでくれる人を募集して今の形になったんだ。」

ホソク「そう。だから完全な個人の賃貸というよりシェアハウスに近いようなかたちで暮らすことになるかな。でもね、大きなお風呂があるし、何といってもこの素敵な中庭があるのはとっても魅力だと思うんだよねぇ。」

そういってホソクさんはまた

(*-ω-)うんうん♪

とニコニコしながら頷いた。

(大きなお風呂に、この素敵なお庭かぁ。。。。
それに外観もすっごくかわいいし。。ほかには絶対見つからないお家だよなぁ。。)
そんなことを思いながら

「いただきます」とお茶を口にした。

ホソク「それに家賃は3万円と格安だしねぇ」

「ブフッッッッッ!!!」
「さ、3万円?????!!!!!!」

ホソク・おじさん ΣΣΣ (・_・)!!!!

「君、お茶吹いてるよ!!wwwwあははははwwww」

「すすすみません!!!!」

またホソクさんに腹を抱えるほど笑われてしまった///

「私、ここにします!!!!!!お願いします!!!!ここに住まわせてください!!!!」





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