「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」

桜庵

文字の大きさ
2 / 170
~プロローグ~

~少女たちの夢~

しおりを挟む
彼女たちは同じ夢を見た。真っ白な世界。あたりを見回すと一人の少女がいた。(誰だろう。この子。背は私と同じくらいで年も同じくらいかな。明るめの茶髪にふわふわカール、大人びてて美人で気が強そうで、お嬢様って感じの身なりだな。どこかの令嬢?こんな時代に?となるとコスプレ?)一人で悶々と考えていると目の前の少女は話しかけてきた。

「あなたはどなたですの?ここがどこかわかるかしら?あ、先に名乗らないのは失礼よね。わたくしはカノン・グレイス・フローライトと申します。」
ドレスの裾を軽く持ち片足を少し後ろに引きお辞儀をし姿勢を整える。顔を上げた彼女はふわっと優しく微笑む。挨拶をする彼女の振る舞いはとても上品だ。

(すごい、本物の令嬢みたいです。それに気が強そうなのに話し方はやわらかくて笑顔も優しくて、顔が整っててその笑みはずるい気がします。あ!私も挨拶しなきゃですね)
カノンの挨拶にまたしても考え込んでしまった彼女は自分がまだ名乗っていないのを思い出し慌てて挨拶を返す。
「わわ、私は、一ノ瀬 美桜と言います!ええっと、ここがどこかはわからないです!ですの!」美桜と名乗る少女は勢いよく頭を下げた。慌てたこともあり語尾がおかしくなってしまった。

「ふふっ。そんなに慌てなくても大丈夫ですよ?どうぞお顔を上げてくださいな。美桜さんとおっしゃるのね。わたくしのことはカノンと呼んでくださいな。」慌てる美桜を落ち着かせようと優しく声をかけるカノン。その声の柔らかさに次第に落ち着きを取り戻しゆっくり顔を上げる美桜。
少し落ち着きを戻した美桜を今度はカノンがまじまじと見て少し考え込む。

(みおさんとおっしゃるのね。背や歳はわたくしと同じくらいかしら。性格はあわてんぼさん?おとなしそうにも見えるわ。暗めの茶髪で肩までの長さのストレート。きれいな髪質だわ。顔立ちは整っているのに丸く大きな眼鏡をかけているのがもったいないわね。少しお化粧をしたら、、、化けるわね)
美桜を見ながら何かを企んでいるような何やら楽しそうにしているカノン。
そんなカノンとカノンを不思議そうに見る美桜。二人は目が合うとなんだかおかしくなり笑顔がこぼれる。
「ここがどこかはわからないけど、きっと夢を見ているのね。嫌なことが長く続いて、らしくないことをしたの。でもそのおかげで久々に楽しい気持ちになれたわ。ありがとう、美桜さん」カノンは美桜に伝える。

美桜も「私もです!私も、嫌な事が多くて普段ならしない事をしました。けど、そのらしくない事をした事で憧れのご令嬢が夢に出てきて、それにお話もできてすごく楽しいです!こちらこそ、ありがとうございます。そのらしくないことなのですが、本に関係することで、、、聞いてくれますか?――」
とカノンにお礼を伝え、憧れである令嬢の姿の彼女ともう少し話をしたくて本を見ながら『らしくない事』をした話を話し始めた美桜。美桜の話を聞いているカノンも思い当る本を持っていると話し、二人は同時にらしくない事は何かを同時にいった。

「「おまじない」」二人はまたしても笑いあった。「二人とも同じおまじないをしていたなんてびっくりです。私たち、気が合いそうですね」と美桜は本当に楽しそうに笑う。そんな美桜を見てカノンは「ええ、本当にそうですわね。美桜さんがお友達ならよかったですわ。そうだ!今からでも遅くはないわ!わたくしとお友達になってくださらない?夢の中で一夜限りだとは思いますが、、、」カノンは少し寂しそうに手を差し出し美桜に伝える。美桜もカノンの差し出された手を取り「はい!ぜひ!私とお友達になってください。」そう伝え二人はお互いに微笑み合い、「「たとえ夢の中でもあなたに逢えてよかった」」と同時に伝える。あたりの風景がぼんやりとし始め二人は次第に現実の世界へと戻っていくのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

犬の散歩中に異世界召喚されました

おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。 何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。 カミサマの許可はもらいました。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

処理中です...