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ファンタジー 完結 長編
ドラキュラ伯爵に杭を打ち込んだ男、ヴァンパイア・ハンターのヴァン・ヘルシングには妻がいた。その妻がアンデッドになっていたら?! ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」にはこうある。「そして私は、私にとっては死んでいるけれど、しかし教会法では生きていることになっている、もう心もない妻」。私にとっては死んでいる、もう心をを持たない妻、これはふつうに考えれば、認知症で何もわからない,自分の夫さえも認知できない状態とも考えられる。なので教会法では生きていることになっている。そう、精神を病んで生きている。だが、もし死んでいるのに葬ることができない存在ならば?なぜ葬ることができないのか?はっきりと死んだ状態にないからだ。死んでいるように見えるが死んでいない。生きているように見えるが死んでいる。彼の妻は不死者ではないのか?ヴァンパイアハンターであるヴァン・ヘルシングは、本来ならば不死者に対しては躊躇いなく胸に杭を打ち込む。だが、それが愛する妻ならば、杭を握る手に、槌を振るう手に、力を込められただろうか?思い出して欲しい。ヴァン・ヘルシングは小説「ドラキュラ」でヴァンパイア化したルーシーに杭を打ち込む役を誰に任せたかを。ルーシーの婚約者であるアーサー・ホルムウッドだった。あれは苦い自戒ではなかったのか?自らの躊躇いゆえの過ちを若い世代に繰り返させないための非情の決断だったのではないか。いまかつての妻は幽閉されていた結界の牢獄を脱出した。彼女はヴァンパイア・クイーンとして何をしようとするのか? しっかり歴史考証した作品です。歴史上の人物もたくさん登場します。いわゆるラノベ免罪符はほとんどありません。いま「免罪符」と言った概念の英語は"Licence"です。ラノベなのだからこのくらいは許されるだろうという設定がこの小説にはあまりありません。その前提で楽しんで頂ければと思っています。
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登録日 2025.05.16
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