答え合わせ 小説(外部サイト)一覧
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不治の病さんへ。
ある夏の夜、啓介は奇妙な夢を見る。出てきたのは中学時代の初恋の人、美月。目が覚めても夢は頭から離れず、もう一人、かつて文字を交わしたもう一人の少女、夏美のことも気にかかっていた。
数日後、仕事で訪れた家が偶然夏美の自宅だったことから、二人は十数年ぶりに再会する。気まずさを抱えたまま、夏美から頼まれたのは中学の同窓会の幹事。断れない立場で準備を進めるうち、怒りに満ちていた夏美との距離は少しずつ変わっていく。
しかしある夜、いつもの喫茶店で夏美が差し出したのは、美月との交換日記だった。「もういない」――二十歳の頃、ある病気で。知らなかった事実、知ろうとしなかった過去が、啓介の前に並んでいく。
同窓会の準備の合間、啓介は美月の実家を訪ね、線香をあげ、彼女が遺した一枚の書と、もう一冊のノートに触れる。そこに綴られていたのは、変わらなかった想いと、自分を遠ざけるための優しい嘘だった。
同窓会当日、啓介はその書をみんなの前に掲げ、短い言葉を贈る。すべてが終わった帰り道、夏美と二人で美月の眠る場所を訪れ、夜空に浮かぶ月を見上げた。
「不治の病」とは何だったのか。言えなかった一言と、気づけなかった想いをめぐる、ひと夏の答え合わせの物語。
登録日 2026.07.16
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