窓辺 小説一覧
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若者は、結婚後に突然の交通事故で妻を亡くし生きる気力を失ってしまう。その後は、交通事故の賠償金で仕事もせず細々と過ごすようになった。1人の生活のため、彼は格安なマンションに移り住んだが、そこは不思議な力を持つ部屋の窓辺があった。
午後の心地良い窓辺で微睡みながらメモ書きをして願い事をすると、彼の過去にタイムスリップすることが分かった。彼は、その時々に色々な過去を想い願うと予想もしない時空に飛んだ。ある日のタイムスリップでは、学生時代に結婚を約束した彼女との連絡が繋がる時空に飛ぶという奇跡が起きた。その日のタイムスリップは、東日本大震災3.11の当日で、SNS災害伝言板でのメッセージの出会いだった。彼は昔の思いを伝えるために、伝言板に気持ちを書き込み伝え連絡を取ると行動を開始した。
災害の悪条件の中、彼は車で東京から北へ向かう。避難所いた疲れた彼女は、少しだけ歳を重ねていたが昔の懐かしい香りがした。不思議に彼の願いは叶えられ、二度とマンションの窓辺に帰ることはなかった。警察からは、自殺または失踪事件として処理され、その部屋は奇蹟を呼ぶ部屋という『都市伝説』として語り継がれた。
文字数 5,341
最終更新日 2025.08.05
登録日 2025.08.05
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