貧民窟で日々飢えに喘ぎ、生と死の狭間でもがいていた少年リリアンは、ひょんな事から異国の貴族に見初められ、お屋敷のお抱え馬丁となる。不運にもそのお屋敷の主は腹の底の黒いとんでもない男で、リリアンを辱め弄んではうすら笑う日々。
しかし、彼の美を讃美する人々と同じよう、リリアンもまた徐々に美貌の主人の毒に当てられてゆく。
花芯が揺らぐのも、星屑に溺れるのも、唄わない声に酔うのも、理由は全て分からない。
これは世界で一番難解なミステリー。
文字数 30,338
最終更新日 2026.01.28
登録日 2026.01.25