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8巻

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  本編


《三百二日目》

 短いが有意義だった休暇は終わり、早朝から俺――オバろうは、〝ブラックスケルトン〟の骨から造った【骸骨がいこつ百足むかで】に乗って迷宮都市《アクリアム》に向かった。
 道中は何事もなく目的地に到着し、俺の所有物となった【亜神あしん】級の【神代ダンジョン】である【鬼哭水きこくすい滝壺たきつぼ】にサッサともぐって、新しく造った隠し部屋にワープゲートで跳躍ちょうやく。それからそこにある【鬼哭門きこくもん】をくぐれば、《アタラクア魔帝国まていこく》と《エストグラン獣王国じゅうおうこく》の国境近くに存在する迷宮都市《ディギャンブリン》が内包する【鬼哭の賭場とば】に一瞬で到着した。
 ちなみに同行メンバーは、カナちゃん、赤髪あかがみショート、復讐者パーティに加え、俺の子供達のオプシー、オーロ、アルジェント、という構成になっている。
 ちなみに、子供達の中で一緒に来ていない二名はどうしているかというと……まず鬼若おにわかはミノきちくんと共に各地の【神代ダンジョン】に潜りに行っていて――まだ弱いので基本的に自衛以外の戦闘には参加していない――、ニコラは唯一の人間なので他と比べて成長が遅い為、拠点のある《クーデルン大森林》の錬金術師れんきんじゅつしさんのところに居る。
 いずれは鍛冶師かじしさんや姉妹さん達も連れて、世界各国を巡りたいものだ。そう思いつつ、初めて見る本格的なカジノを物珍しそうにしている赤髪ショート達の為に、しばらく【鬼哭の賭場】で時間を潰す事にした。
 赤髪ショートにこんな一面があったなんて、と心底驚愕きょうがくしたが、そんな俺の気持ちは露知つゆしらず、彼女はルールが簡単で手軽にできるスロットマシンに突撃していった。
 その後ろには、面白がってついて行くオーロと、オーロに引きずられていくアルジェントがいて、微笑ましい光景に思わずなごむ。
 そんな俺の隣にカナ美ちゃんが寄り添ってきた。彼女の腕の中には、自力で歩けるようにまで成長したものの、今は眠たそうにしているオプシーの姿がある。カジノゲームに興味津々でソワソワしっぱなしの赤髪ショートを見かねて、カナ美ちゃんが世話を引き受けたのだ。
 慈愛に満ちた聖母のような笑みを浮かべているカナ美ちゃん。愛おしそうにオプシーを抱く姿はとても絵になり、俺が思わず見蕩みとれてしまったのも無理ない事だろう。
 などと惚気のろけながら皆が楽しむ様子を眺めていると、かつて軍資金調達の為に入った《ディギャンブリン》三大カジノ場の一つ――【ジェムシェ・ラクード】で最後にゲームした相手である、あの魔人ディーラーの姿を発見した。
 俺達の現在地は、ここの最深部である第五区だ。そんな場所に居るだけで魔人ディーラーの実力が示されている訳だが、何故またここに居るのか気になって声をかけてみると、どうやら【ジェムシェ・ラクード】をクビになったらしい。
 俺に惨敗したのが原因だそうだが、元々あそこの支配人に嫌気いやけがさしていた事もあり、丁度良かった、と笑いながら言う。そんなこんなで、これまで溜まっていたストレス発散をかねて、今日は久しぶりに【鬼哭の賭場】――まだ【賭博の聖地】だと思っているようだが――に来たらしい。
 まあ、そんな事情はさて置き。今フリーなら丁度いい、とばかりにスカウトしてみる。
 しばらく問答があった末、魔人ディーラーの雇用に成功。とりあえず身支度みじたくが終わったら、我が《戦に備えよパラベラム》の一員の証であるイヤーカフスを装着させ、そこに宿った俺の分体の指示に従って大森林まで向かわせた。
 大森林では今現在も、順調に拡張が進んでいる。以前よりも施設が増え、大型化しているので、魔人ディーラーにはそこで腕を振るってもらうつもりなのである。


 思わぬ出会いがありつつ、昼頃には赤髪ショート達もギャンブルを十分堪能たんのうしたらしいので、《ディギャンブリン》を出て隣の獣王国に向かう。
 魔帝国内にもまだまだ【神代ダンジョン】があるのだが、【重藍将ヘルビィ・インディゴ】直属の【藍鋼密部隊インディメル・シークレットフォース】にマークされた以上、一旦魔帝国内から出た方が良さそうだと思ったからだ。
 そんな訳で骸骨百足に乗った俺達は、《ディギャンブリン》が国境近くに存在していた事もあり、短時間で国境近くに到着。
 国境には立派な関所があり、国境警備隊などが常駐している。
 遠くから観察してみると、国境を越える商人や旅人達は国境警備隊に対し、パスポートに相当する書類を提示し、金銭を支払っているのが分かる。
 残念ながら、俺達はそうした書類を持っていない。適正価格より多く積めば通してくれるかもしれないが、それは賭けだ。
 仕方ないので、今日は空から入国させてもらう事にした。
 一旦国境から離れた森に入り、そこで【真竜精製】を使って二頭の〝疾風竜ゲイルドラゴン〟を精製する。飛行能力に優れた竜種に乗って、国境警備隊に気づかれないような高度を高速で突っ切ろうという訳である。本当なら我が愛竜のタツ四郎しろうがいればいいのだが、各国から存在をマークされている為、今は《シュテルンベルト王国》に戻している。
 分かってはいたが、疾風竜達の上昇速度や飛行速度はタツ四郎の比ではなかった。以前のように国境警備隊が反応する間も与えずに越境し、短時間の空の旅を楽しんだ後、俺達は無事に獣王国への入国を果たした。
 その際、獣王国の中でも魔帝国寄りにある【しん】級の【神代ダンジョン】、【アムラティアス大草原】を見る事ができた。
 これは獣人種が多い獣王国で広く信仰されている【草原の神】が創造した自然包囲型のダンジョンで、だだっ広い草原が広がるだけの単純な構造なんだそうだ。
 ただし、【境界圏ボーダープレース】で区切られた敷地内部の空間は摩訶不思議まかふしぎな力で拡張されているらしく、地上図の面積からは考えられない程に広いとの事。外縁部からダンジョンボスが居る中央部に至るまで少なくとも数日は必要になるそうで、上空から見下ろしてみれば、確かに中央に向かうにつれて空間が歪んでいるのが確認できた。
 手始めに攻略してみようか、と考えながら見下ろしていると、丁度【アムラティアス大草原】に入ったばかりらしき獣人の一団を発見した。
 どれどれと観察を続ける俺の目は、その先頭を進む獅子頭の獣人に惹かれた。
 獅子系の獣人に見られる立派なたてがみは黄金色に輝き、三メートルはありそうな筋骨隆々の巨躯きょくが凄まじい存在感を発している。
 装備品は、魔法金属のたぐいで所々を強化された巨獣革のズボン、赤黒く鈍い光を放つ高ランクのマジックアイテムとおぼしき手甲と脛当すねあて、そして腰周りにある小道具くらい。鬣と同じ黄金色の体毛に包まれた上半身はむき出しの状態だ。
 槍や剣などの武器を持たず、可能な限り無駄な装備を取り除いて動きやすさを優先している事からして、格闘戦を得意とするのだろう、と簡単に予想できた。
 そんな明らかに強者である獅子獣人は、襲い来るダンジョンモンスターの排除を仲間の獣人達に任せていたかと思いきや、不意に上空を見上げ――
 遥か上空に居る俺と視線が交わった。
 向こうも確実にこっちが見えているのだろう。獅子獣人は不敵で、かつ獲物に向けるような獰猛どうもうな笑みを浮かべて、俺をその黄金の双眸そうぼうで睨んでくる。
 その視線に込められた明確な戦意と純粋な闘争本能に、背筋がゾクリとした。
 一国をべる者に相応ふさわしい威風堂々いふうどうどうたる姿だけでなく、俺を食い殺してやると告げてくる眼力に、思わず舌なめずりしてしまう。
 そう、獅子獣人の正体は、【獣王ビーストキング】ライオネルだった。
黄金獅子王ゴルディアス・ライオンキング亜種バリアント〟という強力な種族にして、獣王国を力で統べる百獣の王。
 圧倒的な個の力で万の軍勢をほふる暴力を身の内に秘めた、世界有数の大戦力。
 ならば連れている仲間は、十中八九、【獣牙将ビファログ】だろう。
【獣牙将】とは一〇名の獣人によって構成された、魔帝国の【六重将セクトス・ヘルビィ】に相当する獣王国の重鎮達の事であり、獣人の身体能力もあってその戦闘能力は非常に高い。
【獣王】ライオネルとの邂逅かいこうは、ほんの一瞬の出来事だった。それも遥か遠くから互いを見ただけだったが、それだけで俺は、いや俺達は理解した。
 あれは、敵だと。殺し殺される不倶戴天ふぐたいてんの敵なのだと。
 言葉を交わさずとも、弱肉強食の世界のおきてが俺達の関係を断定したのだ。
 つまり、殺し合って喰らい合う、ただそれだけの関係性。
 ああ、本当に、待ち遠しいと思わざるを得ない。
【獣王】ライオネルを喰らう、その瞬間を。


《三百三日目》

【獣王】ライオネルという、【神】級【神代ダンジョン】のダンジョンボス〝灼誕竜女帝アーダーマザー・エンプレスドラゴン〟に勝るとも劣らない、きっと美味びみなのだろう存在を直接見てから早一日。
 昨日、手頃な場所に降りた後はひたすら【骸骨百足】で移動し続けた俺達は、とある【神代ダンジョン】を内包する迷宮都市《ドゥル・ガ・ヴァライア》に到着後、宿をとって一夜を過ごした。
《ドゥル・ガ・ヴァライア》は迷宮都市でありながら、大海に面した場所にある為に港湾こうわん都市としての側面も持っている。
 調教された海洋モンスターが牽引・護衛する、大型武装船団を介して別大陸と貿易を行うなど海運が盛んで、希少な舶来品を求めて豪商や貴族がこぞって訪れてくる。
 白を基調とした建築物の立ち並ぶ都市中に、迷路のような運河が張り巡らされている。そこを無数の手漕ぎボートが市民の足として行き交うさまは、何処か前世の《アドリア海の女王ヴェネツィア》を彷彿ほうふつさせる。
 ただし、〝半魚人ギルマン〟や〝人魚マーメイド〟などこの世界特有の種族も多数暮らしている為、水中も生活空間となっていて、地上と同じように多くの店が開かれているなどの差異があった。
 こうした他に類を見ない性質から、迷宮都市《ドゥル・ガ・ヴァライア》は獣王国の重要な貿易拠点であると同時に、観光地としても人気だ。
 せっかくそんな場所に来たのだから、楽しまなければ勿体ない。
 という訳で、今日は観光する事に決めた。
 何処が名所なのかまだ把握できていないので、とりあえず旅行客をターゲットにした遊覧船に乗り込み、適当に名所を巡っていく。
 そうして分かったのだが、地上だけでも見所が多いのに、水中にも名所がある為、とてもではないが一日で回り切れるものではなかった。
 だがそのおかげでゆったりと家族サービスできたので、子供達にはいい思い出となったはずだ。最近は暖かい日が続いていた事もあって、豊富な水に囲まれて程よく涼しいこの街での観光は、とても素晴らしい時間だったと言えるだろう。
 別大陸産のかなり高価な食器なども買い込んで宿に戻った後は、明日の攻略の為に早めに寝たのだった。


《三百四日目》

 海の幸がふんだんに使用された朝食をよく味わった後、元気よく迷宮攻略を開始する。
 迷宮都市《ドゥル・ガ・ヴァライア》にある【神代ダンジョン】は、【海藻かいそうの神】が創造した【藻女の深き恵みの洞窟タングラブル・ディープケイブ】という。
 都市中央に位置する、多数の運河の交差点。その底にある、ブルーホールめいた海底洞窟がそれだ。
 水圧などの関係から深部の攻略は非常に困難だが、出入り口に近い浅い場所は攻撃しない限り襲ってこないダンジョンモンスターばかりなので、〝魚人〟の子供でも一人で帰還できるくらいに安全である。しかも海藻をはじめ多種多様な海産物が簡単に採取できる上、立地的に運搬の面でも優れているとあって、武装した攻略者だけでなく、商人達が内陸に運ぶ海産物を得る際にも重宝しているそうだ。非武装の市民ですら、その日の食材を求めて大型量販店に行くような感覚で潜る事が多い。
 深部まで攻略されるより前に恵みを与える事で、【信仰】を集めると同時に自衛可能なしたたかな計算がなされた仕組み、と言えるだろう。
 実際、この狙い通り攻略される事無く残っているし、元々は【亜神あしん】だった創造主が現在は【神】にまで達しているのだから、上手くやったモノであると感心させられる。
 しかし、今回の目的地は【藻女の深き恵みの洞窟】ではない。いや、後で攻略するつもりではあるが、水中戦に対応できる俺単鬼で挑む予定だ。
 とにかく俺達は、まず港にやってきた。
 大型から小型まで、様式も異なる多数の船舶が停泊している巨大な港には、漁船や商船から下ろされる海産物や交易品を目当てに様々な種族が集い、ある種の祭りのような活気に満ちていた。
 行き交う人々を掻き分けて進んだ先には、転生してから初めて見る大海が広がり、何処までも澄み渡る美しいあおをずっと眺めていたいと思ってしまう。
 果てしない水平線の向こうに、まだ見ぬ世界があるのだ。そこはどうなっているのだろうか、と想像を掻き立てられる。
 そんな港からやや離れた沖合に、一隻の船舶が錨泊びょうはくしていた。
 雄々おおしい海龍にまたがる槍を持った美女をかたどった船首像フィギュアヘッド龍鱗りゅうりんを彷彿させる細かい金属板が無数に重なった外装。全長一〇〇〇メートル、全幅二〇〇メートル、高さ一五〇メートルという、小さな山と見間違えてしまいそうな、冗談のようなサイズ。
 それこそが、今から攻略に向かう【神代ダンジョン】――【船舶の神】が創造した【アンブラッセム・ポントス号】だった。
 内部が迷宮となっているのだが、船舶としての機能も持っている為に大海での自力航行も可能である。その特性から世界各地を定期的に巡っているとあって、一般的な「地下階層型」や「自然包囲型」などではなく、世にも珍しい「世界巡回型」に分類される迷宮だ。
 このタイプの迷宮は他に、天空を漂う島や、海底を泳ぐ巨大亀の背中に乗った宮殿などがあるそうだが、それはさて置き。
 そんな迷宮に運良く巡り合えたのだ。攻略すれば今後大いに役立つのは間違いない。
 沖合にある為、侵入経路ルートは大きく分類して三パターンある。
 一つ目は、空を飛んでいく方法。
 二つ目は、水中から取水口を通って侵入する方法。
 三つ目は、船で近づいていかりを伝ってよじ登る方法。
 今回は目立たない三つ目の方法を選び、【アンブラッセム・ポントス号】まで出ている定期船に乗せてもらった。
 獣人の水夫の操舵に任せてしばし波に揺られながら、途中で見かけた魚を、銀腕を伸ばしてひと掴み。銀色に輝くうろこが特徴的な〝アマメヒイラギ〟を生きたままサッとさばき、新鮮な刺身に仕立てて頂く。
 最初は何もつけずに口に入れてみる。プリプリとした白身の歯応えとサッパリした味で、このままでも中々美味うまい。
 次に港の露店で売っていた醤油しょうゆのような調味料をつけると、より一層美味さが増した。
 そうしてゆっくり味わっている間に到着したので、同行してきた復讐者達を先行させて様子見しつつ、自分も錨をよじ登って突入する。
 さて、中はどうなっているのだろうか。


《三百五日目》

【アンブラッセム・ポントス号】の内部は、安全地帯と危険地帯が明確に分かれていた。
 点在する安全地帯はまるでリゾート地と言うか何と言うか、小規模のショッピングモールや高級ホテルなどが混ぜ合わさったような造りだ。バーらしき場所、レストランらしき場所、プールやカジノゲームを楽しめる場所まである。
 それ以外にも武具屋や道具屋など、攻略者達には必須の施設も見受けられ、相応に高額だが強力な商品を購入できるばかりか、武具の修繕までしてもらえる。
 攻略を進めて高層に至る程、より上質な施設が待ち構えており、その辺の高級宿以上に豪奢ごうしゃな寝室に泊まる事も可能となる。
 そんな施設が密集している安全地帯では、【アンブラッセム・ポントス号】を攻略しながら世界を回っている、という一風変わった冒険者の一団と出会ったりもした。
 移動を続けるというこの迷宮の特性から、攻略が長引けばある地点での錨泊期間が過ぎて別の海域に出航してしまうので、そんな事もあるのだろう。
 こんな感じで、安全地帯に関しては攻略者に対して色々と優遇し過ぎだろ、と言いたくなる構造な訳だが、危険地帯で出てくるダンジョンモンスターの強さはその分よそとは桁違けたちがいだ。半端な力量しかない者であれば、攻略は遅々として進まない。
 例を挙げると――


 たこのような頭部に人間のような胴体を持ち、ただるだけで狂気を周囲に振りまく、魚人版のリッチとでも言うべき〝イシリッド〟
 斧にも似た錨を武器に、攻略者のことごとくを異常な身体能力によって物理的に圧殺していく六メートル級の巨人〝怒りの荒くれ者アンガー・アルビオン
 誰もが魅了されてしまう程の絶世の美貌びぼうを持つ、人魚のような外見をした自然精霊ニンフの一種である〝ネレイス〟
 全身が赤と白の強靭きょうじんな外骨格で覆われ、丸く変形したはさみで岩石をも容易に破壊する強烈な打撃を打ち込んでくる蟹系の亜人〝剛拳闘蟹ハイボクサー・クラブマン
 顔は老人そのものだが、鱗とひれと尻尾を持ち、豪奢な修道服を纏う〝大海司教アーク・シービショップ


 ――などが行く手をはばむのだが、中でも〝イシリッド〟の強さは、下手な迷宮の階層ボスすら超えているのではないだろうか。
 精神に深刻な悪影響を引き起こす【状態異常バッドステータス】攻撃を得意とする一方、配下として引き連れるダンジョンモンスター達の強化もこなす厄介な存在だ。単体での戦闘能力も高いので、油断していると思わぬダメージを受けてしまう。
 まあ、それもチョチョチョイと朱槍や呪槍で突いてやればどうにでもなる。
〝ハイボクサー・クラブマン〟や〝アーク・シービショップ〟など、〝イシリッド〟と比べれば若干弱いダンジョンモンスターの集団の場合は、まず数を削り、その後で赤髪ショートやオーロ、アルジェント達に倒させた。得られる経験値がかなり多いので、彼女らのレベルアップには持ってこいである。


 それに赤髪ショートと子供達は、神獣〝ディアホワイト〟の角を喰べて得た【職業ジョブ】――【聖獣喰いスティルマ・イーター】の効果によって、通常より格段に速く成長できる。ここでみっちり鍛えておけば、後々楽ができそうだ。
 無論、危なくなったら手助けしつつも、浅い階層でじっくり戦わせた結果、全員がメキメキと力量を上げ、大集団でなければどうにか駆逐くちくできる段階にまで至った。
 総じて予想を上回る成長速度だが、特にオーロとアルジェントの成長がいちじるしい。やはり成長期の子供達は伸びが良いようだ。
 これなら【存在進化ランクアップ】する日も近いのではないか、と思ってしまう。親バカかもしれないが、子供の成長とは嬉しいものだ。
【アンブラッセム・ポントス号】は広いしダンジョンモンスターが強いので、進行速度はそこまで速くはないが、ともかくそんな感じで順調に進んでいった。
 あと数日もあれば、攻略できるだろう。


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