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ある日、小島デザイン研究所に労働基準監督署の調査が入った。サービス残業が発生しているという内部告発に基づく調査だった。 突然の出来事に社内が混乱する。 社長の小島健一が、弟で管理部長を務める浩二に密告者を見つけ出すように指示をした。 浩二は、密告者を見つけるためのやり方が思い浮かばずに頭を悩ませていた。 そんな中、浩二の胸中に、密告者捜しなどに労力を使うのではなく、自分が会社と社員たちとの間に立ち、社員たちの声に耳を傾けながら会社として善処していけばよいのではないかという思いが湧き出てきた。 浩二は、その思いを健一に伝えた。 思いを理解した健一は密告者捜しを止めることを了承したが、新たに社内の管理を強化することを提案してきた。 そのことが、更なる社内の混乱を巻き起こす。 仕事をやり辛くなった社員たちが、密告者のせいでこのような状態になったのだという感情を抱き、互いに懐疑心をぶつけあいながら分裂してしまったのだ。 この状況に危機感を抱いた浩二が、一計を講じた。 社員たちの結束を高めるための仕掛けを実行したのだ。 その仕掛けが功を奏し、社員たちの結束が高まった。 密告者が誰なのかはわからないままだったが、そのことを気に止める空気が払拭されていった。 浩二は、状況が改善したことを健一に報告した。 そこで、浩二は思いもよらない事実を知ることになった。 それは、一連の出来事の構図を根底から覆す事実だった。
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文字数 52,705 最終更新日 2022.11.18 登録日 2022.11.18
SF 完結 長編
 藤田哲也は、父親の急逝により、何の準備もないまま父親の経営する会社を継がなければならなくなった。  さらに追い打ちをかけるように、父親の片腕として働いていた営業部長が体調不良を理由に退職することになった。  途方に暮れた藤田は、あの世の人間と交信ができるという特技を生かして、日頃の相談相手であるモモタさんという霊を呼び出した。  そこで、モモタさんを通じて、あの世にいる優秀な人物を一年間この世に派遣することのできる制度があることを知った藤田は、派遣可能者リストの中から石田三成を選び、呼び出した石田三成の霊に今現在置かれている状況や希望を伝えた上で、一年間だけ営業部長を務めてくれるようにお願いをした。  その願いを聞き入れた石田三成は、石田三男という名の現代人に扮してこの世に舞い降りた。  新しい営業部長として、営業部内の改革に乗り出す。  会社の業績を良くするために、仕事の進め方や人の配置などを変えていった。  持ち前の融通の利かなさや人の心を読めない性格が災いして周囲との間で軋轢を生むことがあったものの、誠実な人柄が評価され、石田三成は着実に部下の心をつかんでいった。  藤田自身も、石田三成の助けを借りながら、会社を切り盛りしていくための能力を身に着けていった。  そんな中、派遣の最後日を迎えた。  社員総出の送別会を終え、石田三成と二人で深夜の会社に戻った藤田は、別れを惜しみながら石田三成と最後の時間を過ごした。  そして、午前零時を迎え、石田三成がこの世から姿を消した。  石田三成と最後に交わした言葉を思い返した藤田は、今後の己の生き方というものを悟った。
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文字数 73,592 最終更新日 2021.08.20 登録日 2021.08.20
SF 連載中 長編
むしゃくしゃした気分を晴らすために放火をしようとした引っ越し作業員、意地悪され続けた取引相手に暴力を振るおうとした営業マン、態度の悪い容疑者を暴行しようとした刑事、美しい女性客にわいせつな行為をしようとしたタクシー運転手、グループの会費を横領しようとした大学教授、不満に感じたレストランをSNSで誹謗中傷しようとした女性弁護士、彼らは皆、妄想保険なるものを手に入れたことで、人生の階段を踏み外すことを避けることができた。 妄想保険とは、一回限り、過激な行動に走り出そうとする寸前に頭の中で自動的に妄想が広がることで感情を抑えることができるという、あの世からの贈り物だった。 一方、国に両親を殺されたと思い込み、国に復讐するための計画を立てていた兄弟がいた。 兄弟は、計画の準備に長年の月日を費やした。 そして、満を持した兄弟が計画の実行をスタートさせた。 そんな兄弟の人生と妄想保険で危機を回避した六人の人生とが交差した。 六人の行動が兄弟の計画の実行を間接的に妨害するアクシデントが次々と発生した。 さらに、兄弟の兄が交通事故に巻き込まれ、意識不明な状態となった。 一人残された弟は、兄との約束を果たすために一人で計画を実行するべきなのかどうかについて葛藤を続けた。 そして、一人で計画を実行する決断をした。 決行当日、またしてもアクシデントが弟を襲った。 そんな中、弟は、死んだ両親が自分たちに宛てて残した思いがあることに気が付いた。 思いとは、兄弟が抱き続けてきた執念を一八〇度転換するものだった。 弟は、復讐が叶ったときの姿を妄想しながら計画の実行を断念することを決断した。 そんな弟に奇跡が起きた。兄の意識が戻ったのだった。 兄のもとに駆け付けた弟は、今後自分たちが歩むべき道について兄を諭した。 その思いは、兄に伝わった。
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文字数 100,117 最終更新日 2021.08.16 登録日 2021.08.16
SF 連載中 長編
吉原正嗣は、友人と酒を飲んだ帰り道にタイムスリップに遭遇した。 タイムスリップした先は、本能寺の変が発生した直後の浜松城下だった。 正嗣の魂は、徳川家康家臣の吉原佐平次に乗り移っていた。 佐平次は、正嗣の先祖であった。 タイムスリップしたことを悟った正嗣は、現世に戻れる日がやって来ることを信じながら佐平次としての生活を送った。 そんな正嗣のもとに、家康から直々の命令が下った。 本能寺の変の背後に羽柴秀吉による策略が巡らされていたことを示す証拠となる情報を集めるようにという指示だった。 佐平次のことを兄と慕う松井作次と二人で旅に出た正嗣が、秀吉に関する情報を集めることに奔走した。 そんな中、松井が、秀吉の重臣と本能寺の変を引き起こした明智光秀と親しかった筒井順慶の重臣とが密会していたという情報を入手した。 秀吉が筒井順慶に対する調略を行っていたことを疑わせる内容であり、正嗣は、事の真偽を確かめるために、筒井順慶が治める大和の国へ向かった。 道中で数々の妨害に遭うものの、無事大和の国へ潜入することに成功した正嗣が、情報を集める。 秀吉による策略があったことを示す直接的な証拠はつかめなかったものの、栄斉と名乗る怪しげな僧が度々筒井順慶のもとを訪れていたという情報を入手した正嗣は、彼の正体を確かめるために伊勢の国へと向かった。 そこで栄斉の正体を明らかにし、栄斉と家康の重臣との間に密接な関係があったことを知った正嗣は、本能寺の変の背後に家康による策略があったのではないかという疑いを抱いた。 さらに、佐平次の正体に対する疑念も生まれていた。 その疑念を確かめるために、正嗣は、秀吉に会いに行くことを決意した。 そんな正嗣のもとに、主君の本多忠勝からの使者がやって来た。 本多忠勝のもとへ出向いた正嗣は、吉原佐平次の正体を知ることになった。 正嗣が抱えていた数々の疑問に答えた本多忠勝が、その場で正嗣扮する吉原佐平次を斬殺する。 そのことが、未来からの時空操作の扉を開いた。
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文字数 131,335 最終更新日 2021.06.21 登録日 2021.06.21
中学二年になった松本拓海は、仲良しグループの海斗と七海、美咲との四人で、自由に使えるお金を増やすための方法を考えてみた。 そして、高齢者をターゲットにした孫代行サービスをやってみようという話になった。孫代行とは、孫と触れ合う機会のない高齢者のもとに自分たちが出向いて、孫と過ごしている時間を疑似体験してもらうサービスのことだった。 拓海がリーダー役に指名され、懸命に四人をまとめる。決断力のない拓海には荷が重たいことだったのだが、密かに思いを寄せていた七海に格好の悪い姿を見せないために、懸命に頑張った。 四人は、協力しながらチラシを配り、連絡をくれた高齢者の家に出向いて孫代行を行った。客の数も次第に増え、四人が手にするお金の額も増えていく。 しかし、商売をしていることが学校にばれてしまった。四人は、親と一緒に学校に呼び出され、先生たちから、校則違反となる行為であり二度とやってはならないと言い渡される。 その最中に、孫代行を利用していた高齢者たちがその場に姿を現し、拓海たちがしていることは自分たちも望んでいることなのだと主張した。 その様子を目の当たりにした四人の親たちも拓海たちのやったことに対して理解を表し、ボランティアという形でなら孫代行を続けてもよいという結論になった。 その結果を受けて、拓海は、今後どうしていくべきなのかを考えた。高齢者たちと交流を図る中で生きていくうえで大切なことを学ばせてもらえているという思いがあり、孫代行は続けていきたかったからだ。 他の仲間ともそのことを話し合い、全員が孫代行を続けていきたいという思いを抱いていることを知った拓海は、今まで稼いだお金を使って、客になってくれた高齢者たちと自分たちの親を招いた食事会をやらないかと三人に提案した。 それぞれに対する感謝の言葉を口にしたうえで、今後も孫代行を続けていきたいという全員の思いを伝えて再スタートすることが目的だった。 そして、食事会の日がやってきた。拓海が、四人を代表して感謝の言葉と全員の思いを、集まってくれた高齢者たちと親に伝える。 その姿を目にした七海の胸に、拓海のことを頼もしく思う気持ちが芽生え始めた。
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文字数 77,412 最終更新日 2020.04.03 登録日 2020.04.03
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