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第二章始動。
恋をした瞬間、彼は欠陥品になった。
それは、ただ美しい奇跡ではなく、この世界では“バグ”と呼ばれるものだった。
カミシロの告発により、ダイアトロン社本部を巻き込み、レイラとカイを取り巻く状況は大きく変わっていく。
新たな主人公格を加え、物語はさらに深みを増し、愛を知った人工人間の存在は、会社、権力、そして人間たちの欲望の中で大きく揺さぶられていく。
レイラはカイの自由のため動く。
しかし、彼女の願いは決して簡単には叶わない。
本部から差し出される条件。
徐々に明かされるカイの“遺伝子データ”の秘密。
人間として扱われない彼が、それでも誰かを愛し、嫉妬し、傷付き、選ぼうと模索する。
自分のために戦うレイラを守るため、カイもまた声をあげる。
『余熱』第二章、開幕。
文字数 20,130
最終更新日 2026.09.15
登録日 2026.09.04
これは正史である――
男はたった一人、生命の気配のない荒廃した世界を歩き続けていた。
灰と塵に覆われた空。崩れた都市。沈黙した機械。
かつて人類が未来を託した遺伝子データの保存領域は壊れ、より深く、より高いセキュリティに守られた階層だけが、地の底でひっそりと稼働を続けている。
男の名は、燼〈ジン〉。
この世界で、彼の存在を知る者はもういない。男は、40年歩き続けていた。若く美しい姿のままで。
男の記憶は少しずつ薄れていった。時を重ねるたび、身体が傷付くたび、かつて愛した女の声も、表情も、数日間だけ与えられた幸福の記録さえも、再生のたびに遠ざかっていく。
それでも、男は歩くことをやめない。
彼を突き動かしているのは、ただ一つの目的だった。
――彼女に託された物をある場所へ届けること。
荒廃した世界で、男の愛は気付けば憎悪と痛みに変わっていた。
僅かな人類しか生き残っていない世界の果てに、彼は最後に何を見るのか。
文字数 18,463
最終更新日 2026.09.14
登録日 2026.08.29
――ふと、俺は “ガラスの向こう”の女を見た。
被検体ではない、“”実験を観察している側”の女――
(『#Log:004 効率』より)
人工的に設計された存在に、
“感情”は必要ないはずだった。
近未来。遺伝子医療技術の発達により、急速に生殖機能を失っていった人類。
その“遺伝子サポート”を目的に開発された近未来の人工人間――カイ。
彼は与えられた相手に対し、最適な反応を返すためだけに存在する、極めて高性能な“アンドロイド”
その運用責任者である生物工学者 レイラ博士は、合理性を重んじる科学者であり、カイのこともまた“納品物”の一つとして扱っていた。
全ては、世界的な少子化問題に逼迫した中央政府からの依頼の為――
しかし、ある夜。
テストの為、研究所から自宅へとカイを連れ帰ったことをきっかけに、二人の関係は徐々に歪み始める――
――それはプログラムか、それとも意志か。
実験と欲望、観察と介入の境界が曖昧になる中で、
やがてカイは“選択”を行う。
――これは、
“選ぶこと”を覚えてしまった人工人間と、
それを許してしまった研究者の、
静かに歪んでいく関係の記録。
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※※注意※※
この作品はR18です。
性的描写・行為描写を多分に含みますが、直接的な単語・表現は出来る限り避けています。
その為、生々しい表現が苦手な方にも読んで頂けると思います。
また、完結までストックがありますので、お気に入り登録して頂けますと幸いです。
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文字数 119,983
最終更新日 2026.08.28
登録日 2026.05.03
地上で罪を抱え、地下階層に落ちた医者・アリ。
白い蛍光灯だけが灯る小さな診療所で、彼は訳ありの患者たちを診ながら、かろうじて日々を繋いでいた。
そんな彼の前に現れたのは、赤い唇の掴みどころのない美女・ナギ。
屋台飯、煙草、ドラッグ、街の闇。
汚れた地下の片隅で、二人は少しずつ、互いの孤独に触れていく。
だが、この街で人を診るということは、“常識”や“正しさ”だけではいられないということだった。
患者の死、流通する薬、金と身体で回る生活。
アリはやがて、自分の罪と、この街の営みの奥にあるものへ向き合うことになる――
これは、明日を信じることが難しい街で、それでも今夜を越えようとする、不器用な恋の話。
文字数 44,306
最終更新日 2026.07.23
登録日 2026.06.11
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