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「三十歳になっても、くだらん人生なら、今度こそ死のう」
二十歳の誕生日、佐藤大輝はそう決めた。
死ぬことは怖かった。
だから、今すぐ死ぬことはできなかった。
ならば十年だけ、生きてみよう。
勉強ができること。
人より優れていること。
誰かに認められること。
――それだけが、自分の価値だと思っていた。
広島の小さな島で育った少年は、友情に出会い、初恋を知り、音楽と出会う。
誰かに救われたこともあった。
誰かを救いたいと思ったこともあった。
それでも、自分自身だけは救えなかった。
人より優れていたい。
特別でありたい。
認められたい。
その願いはやがて、
「正しい人間」であろうとするほど、自分を傷つけていく。
そして大人になった大輝は、再び音楽と出会う。
誰かの音に心を動かされ、
誰かの生き方に憧れ、
自分もまた、誰かの心を動かす音を鳴らしたいと思うようになる。
けれど――
音楽で結果を出せなければ、自分には価値がない。
そんな思いは、簡単には消えてくれなかった。
これは、
「自分には生きる価値があるのか」と問い続けた一人の人間が、
それでも誰かと生きることを選ぶまで……
これは、いつか何処かの君へ届くかもしれない、ひとりの人間の物語。
そして――
タイトルの意味を知ったとき、思い浮かぶ人に届けてください。
文字数 122,518
最終更新日 2026.10.27
登録日 2026.08.02
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