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魔術と科学が共存する世界。
そんな人々の生活に欠かせない存在がある。
「星晶」
街を照らす灯り、傷を癒す医療道具、巨大な魔術を操る武器。
美しく輝き、膨大なマナを秘め、星晶と呼ばれる宝石は世界中で魔術の動力源として長く利用されている。
しかし、星晶について知られていないことは多い。
なぜ、これほどまでに膨大なマナを宿しているのか。
なぜ、同じ種類の星晶でも力に大きな差があるのか。
そして、ごく一部の人間だけが感じ取ることのできる、不思議な「記憶」の正体とは。
主人公は、その答えを――ある程度知っていた。
星晶に触れた瞬間、彼には他の人間には見えないものが見える。
知らないはずの景色、聞き覚えのある声、そして――
遠い過去に置き去りにした記憶。
やがて各地で発生する不可解な魔術災害と、次々に発見される異常な星晶。
それらを追ううちに、主人公は過去と現在を繋ぐひとつの大きな謎へと辿り着いていく。
時を超えて残る記憶。
失われた文明。
そして――星晶に秘められた本当の意味。
これは、誰も知らない過去を知る一人の人間が、時を超えて「忘れられたもの」と再び向き合っていく物語。
――その宝石に触れたとき、あなたは誰の記憶を見るのだろう。
文字数 2,775
最終更新日 2026.09.08
登録日 2026.09.08
妹・玲奈が事故で亡くなってから、三年。
兄の神楽坂透は、彼女が遺した一枚のメモを見つける。
『四階には行かないで』
そこに記されていたのは、山奥に建つ古びたホテル――「ホテル・アルカディア」の名前だった。
地上三階建て。 当然、四階など存在しない。
しかし、玲奈の死の真相を追うためホテルを訪れた透を待っていたのは、奇妙な支配人と、説明のつかない違和感だった。
「このホテルに、四階なんてないですよね?」
そう尋ねた瞬間、支配人の表情が変わった。
そして深夜0時。
誰もいないはずのエレベーターに、昼間には存在しなかったボタンが現れる。
――「4」
扉の先に広がっていたのは、長い廊下と、いくつもの客室。
その部屋に掲げられていたのは、部屋番号でも宿泊客の名前でもなかった。
透が見つけた一つの名前。
それは、三年前に死んだ妹――
「神谷玲奈」
なぜ死んだ妹の名前が、このホテルにあるのか。
なぜ玲奈は「四階には行くな」と残したのか。
そして、透自身が忘れてしまった過去とは何なのか。
謎を追うほど、少しずつ崩れていく記憶。
存在しないはずの四階。
忘れられた人々。
そして、ホテルに隠された20年前の事件。
――もし、忘れていたのではなく。
「忘れさせられていた」のだとしたら?
これは、死者を探す物語ではない。
忘れられた者を、もう一度見つける物語。
文字数 3,327
最終更新日 2026.09.07
登録日 2026.09.07
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