榊野修司

榊野修司

遠い世界の暮らしと、そこに生きる人々の物語。小さな出来事が重なり、やがて長い時間になる。その時間の先に、何かが静かに残っていく。
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ファンタジー 連載中 長編
忘れていくものを、すべて残すことはできない。それでも彼女は、今日のことを書き留める。 山あいの月見里村で、染め仕事をして暮らす澪音。 ある日、村境の藤棚に薄紫の蝶が群れ、彼女は二つの月を見る奇妙な夢を見た。やがて、夢の細部だけでなく、身近な人々の記憶にも小さな欠落が現れ始める。 澪音は、忘れてしまう前に見たことや聞いたことを書き留めるようになる。幼馴染のカナタが残す記録、古い村の帳面、森に残る石灯籠、旅芸人の璃央が持ち込む外の話。調べるほど、昔の記録と現在の出来事は似ていながら、少しずつ食い違っていた。 けれど、記録は必ずしも答えを与えてくれるものではない。 染め物をし、祭りの支度をし、村の人々と暮らしながら、澪音は何を残し、何を残せないのかと向き合っていく。 蝶と月と藤の里を舞台にした、記憶と記録をめぐる静かな幻想譚。
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文字数 9,229 最終更新日 2026.09.23 登録日 2026.09.22
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