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新生活を始めた男が住むアパートの一室。
そこは築浅・高セキュリティのはずだったが、ある夜、玄関近くの壁に「鍵穴の痕跡」があることに気づく。
気のせいと思いながらも、夢の中に現れる“黒い人影”と、“壁の中で動く音”——
やがて、現実と夢の境界が曖昧になる中、男の手元には見知らぬ“古びた鍵”が現れ始める。
「鍵穴は、どこにでも現れる。壁の中に、耳の奥に、心の内側にさえ——」
鍵を差すたび、開く“何か”とは。
一度見つけた者は、もう逃れられない——
密閉空間の静寂と狂気がにじむ、1話完結・心理系ホラー。
文字数 2,846
最終更新日 2025.06.30
登録日 2025.06.30
かつて世界は、「記録」によってすべてを管理されていた。
誰が生まれ、何を成し、いつ死んだのか――それは記録庁の手によって統べられていた。
だがある日、「記録」から名前を消された者がいた。
少年の名は、レイ。
灰に覆われた無人の村で目覚めた彼は、自分の存在すら誰の記録にも残っていないことに気づく。
記録にない者は、“存在しなかった者”として処理される。
理不尽に抗い、消された記憶を取り戻す旅が、今始まる。
――世界に希望を残すために。
――君という光に、もう一度会うために。
文字数 20,690
最終更新日 2025.06.29
登録日 2025.06.29
世界を蝕む《月蝕》の災厄——それは、夜空に現れる黒き第二の月と共に現れる「影の獣」の襲来を意味する。
五十年前、世界は一度滅んだ。だが、魔法を禁じ、剣を捨てた人類は、機械と理を信じて再び立ち上がる。
辺境都市の地下から見つかった一人の少年。
彼は名も、記憶も持たない。
ただ、その体に宿るのは、人類を滅ぼしたはずの《旧魔法》の刻印。
少年は“ラグナ”と名付けられ、忌まれながらも育てられるが……
十五年後、再び「黒月」が空を覆う。
滅びの兆しに目覚める、封じられし力と意志。
ラグナは問いかける。
——俺は、本当にこの世界を救うべきなのか?
それとも、滅ぼす側だったのか?
文字数 17,443
最終更新日 2025.06.29
登録日 2025.06.29
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