ちなみに、この質問を重ねていくというテクニックは、話しているなかで「明らかにこれは刺さってないな……」と感じた場面にも役に立ちます。
基本的に刺さっていないときは、相手が何に興味があるかを知ることが重要なので、いったん刺さっていないと感じたら、相手が長く話してくれるような質問をして、話をする立場を相手のフェーズにするのがよいでしょう。
相手の立場や年齢が上の場合、自分の話をすることが好きなことが多いので、質問をしてうまく引き出すだけでいい気分になってくれることもあります。
ただ質問をしても相手がなかなか話をしてくれないケースもあります。その場合のテクニックですが、自分から自己開示をすると相手も話しやすくなります。
開示する内容はプライベートに近い内容であればあるほど相手からの信頼を得やすくなります。具体的には、相手の家族構成などを聞きたい場合、先に「自分は娘が2人いるんですが……」のように家族の話をすると、相手も話しやすくなると思います。
これらはすべて相手の反応を見て行うものですが、具体的なテクニックとして1つ参考にしてみてください。
さて、ここまではイメージしやすいように1対1の話をメインにしておりましたが、最後にプレゼンなどの1対多の話をしていきたいと思います。
そもそもプレゼンにおいてはかなり事前情報があります。興味を持っている人が話を聞きに来ていると思うので、ある程度の属性はわかりますよね。
なので、基本的にはその属性の人が興味がありそうなことを意識してプレゼンを組み立てていくと良い感じになります。
この組み立ての詳しい話は今後する予定の構造化の部分で解説したいと思っているので、ここではプレゼン中に相手の様子をうかがうテクニックを紹介したいと思います。
プレゼンだと聴講している人は基本的に無表情なので、正直刺さっているのかどうかわからないですよね。テーマに興味を持って聞きに来てくれていても微妙に内容が違う可能性もあるのですが、それでも相手の反応を見ることはとても大事です。
ではどのように反応を見るかですが、区切りが良いところで
「ではここまでの内容いかがでしたか? いったんここまでで質問を受け付けてみましょうか」
のように会場にボールを投げてやると、その反応で会場のウケを確かめることができます。
とは言っても正直多くの場合でこのタイミングでは質問は来ないと思います。聴講という立場でいきなり質問をするのは勇気がいることですから。
ただ質問が来ない場合でも、ここで逆質問をするフェーズを差し込んで反応を見ることもできます。たとえば投資に関するプレゼンであれば、「ここまでで質問はまだないですよね。質問は最後に受け付けるのでご安心ください。ちなみに皆様は投資をされたことがありますか? されたことがある人は手を挙げてください」のように声を出さなくてもいい形で質問をすると、会場の属性情報を1つ得ることができます。
もしあまり挙がらなかった場合、「あ、じゃあ今日はとりあえず投資に興味があるけど何からやればいいかがわからないから、いったん聞きに来ようという感じの人が多いんですかね。そうですよね、投資最初は難しいですよね。じゃあ初心者の方でもわかりやすいようにかみ砕いて話していきますね」のように方向性を整えることができます。
そしてここから先で紹介する方法は「リターンは大きくないけどリスクが小さく、初心者でもやりやすい投資」に時間を割いたほうが刺さりそうですよね。たぶんNISAなどが無難だと思います。
こういう話し方をすることで会場側も親近感が湧くので、より話を聞いてくれるようになります。
プレゼンは一方通行のものと思われがちですが、1対多の対話なので、相互で関係を築くことができれば成功率が上がります。
このように営業でもプレゼンでも相手の興味を伺いつつ、その方向の話をすることができれば相手の信頼を得ることができます。信頼を得ることができればあとはこっちのもので、聞き手も「こいつの話なら聞いてやってもいいか」と思ってくれるので、ようやく自分が興味がある話に移行することが可能です。この話については次回詳しく解説したいと思います。
今回は、ファーストインプレッション以外に相手が興味がある内容を探る方法を解説しました。
とくに質問の仕方の具体例を多く出しましたが、実際に自分が使うときにどういう質問をするのかをイメージしておくと実践でも使いやすくなると思います。場面やテーマによってベストな方法は変わると思いますが、うまくチューニングして使ってみてください。