少し話が脱線するが、SNSを見ていると、口論のあとに「発信者情報開示請求します!」と言う人をよく目にする。
こうした人は一見すると法律に詳しそうで怖いが、訴訟をちらつかせて相手からの攻撃を未然に防ごうとする姿勢自体が、逆に弱く見えてしまうことも少なくない。
彼らがこうした行動をとることについては、心理学の「ディフェンシブアグレッション」という用語で説明が可能である。自己評価が低く、相手から反論されて対応できる自信がない人ほど、攻撃的な態度をとることで攻撃されないように必死に防御しているというのだ。
ちなみに、「発信者情報開示請求します!」「訴えます!」といったように事前に宣言するのは、悪手だという話を弁護士から聞いたことがある。
悪手の理由は三つある。一つめは証拠隠滅リスクで、相手が投稿やアカウントを削除すると証拠をロストすることになる。二つめに、訴えると言えば相手は謝るかもしれないと期待する姿勢がバレバレで、相手や周囲から「やるならさっさとやれよ!」と煽られてしまい、威勢がいいのは口だけと評判を落とすリスク。三つめに、「発信者情報開示請求します!」と攻撃的な姿勢を示すことで純粋な被害者の立場ではなくなり、裁判所から法的手続きの必要性を疑われる理由になる。
いずれにしても、事前に宣言することで、相手側からは「言論戦で負けそうになったから、法的手段をチラつかせて黙らせようとした」とか、「本当に傷ついたなら、わざわざSNSで宣言せず、静かに開示請求すればいいではないか」とか反論されることになり、不必要に窮地に追いこまれることになるのだ。
また、こうした例は、口だけやたらと威勢がいい人ほど実際に行動に移さないことを示す好例とも言える。これは、ヤンキーが「殴るぞ殴るぞ」と相手を威嚇したり、周囲にあるゴミ箱を蹴っ飛ばしたりする一方で、実際にはなかなか手を出してこないというのにも通じる話だろう。
本当に攻撃する人は、わざわざ「これからあなたを殴ります」などとご丁寧に宣言などしない。本当にやるやつは、黙っていきなり殴るからだ。
なめてくる人物が威勢がいいのは、口だけである場合がほとんどだ。わざわざ、自分の身をリスクにさらして攻撃できるだけの根性や気合の入った人などいないと考えていい。口先で挑発してあなたを脅かし、怯える姿を見て、あなたをコントロールすることが目的なのだ。
そして、こういうやつへの対処法は明確だ。強めに毅然と言い返せば、すぐに逃げていくのである。