ストレスに強く、自己肯定感が高くなる おばけメンタル

「悩まない人」がやっている意外な思考法

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無駄に悩むな、常に選べ

先ほどの例を整理して考えてみよう。
まず、悩みの種は同僚のリアクションが予想外に冷たかったこと、そしてそれに加えて自身と同僚との関係性の悪化である。

ここでよく人々がやってしまう悩み方は次の通り。

①自分の言い方が悪かっただろうか
②では、どういう風に伝えればよかったのか
③うーん、自分は間違ったことは言ってないと思うんだけど……
④それに半分ぐちのつもりで言ったことなのに……
⑤明日同僚と顔合わせるの気まずい……

多すぎる。重すぎる。しかし、わかる。そう思ってしまうだろう。人間だし。人間は不便だ。マジで。
でも、これらは何度も言うように、抱えるだけ無駄だ。
むしろあなたのメンタルをひたすら削り続ける。諸悪の根源ここに有り。

とにかく、これらを時間無制限に考えるのは得策ではない。
だからこそ、選ぶのだ。例えば以下のように。

・明日同僚と話す
・業務の廃止の件、強い言葉で言ってしまったがそれは同僚を否定するつもりだったわけではなく、前々からの不満と職場のためを思った気持ちからであることを伝える
・ただ、それについて同僚のリアクションがイマイチだったことが気がかりで、自分も不安になっており、真意を聞きたい旨を伝える

恐ろしくシンプルである。ここまでしっかり決めると、もはや明日の出勤もスッキリした状態で臨める気がする。
では、決めた内容に対して、悩む場所やメンタルが擦り減るポイントがあるだろうか。
ないはずだ。なぜなら、もうこの3つで動くと決めちゃったから。
決めちゃったことに悩もうとしても、「いや、でもコレ決めちゃったしな……」と思うと悩む隙がない。

このように、物事を決めることは、自分のメンタルが擦り減る時間を飛躍的に減らすことができる。

また、別に決めなくてもいい。
この件について「私は悩まない」という選択肢を選ぶだけでもいいのだ。
そうすると、悩もうとしても「あ、そういや悩まないってことにしたわ」とあっけらかんとできるのである。

何度も言うが、それだけメンタルが擦り減る時間に対して「選ぶ」「決める」といった活動は効果的なのだ。
決めちゃった以上、悩む余地がなくなる。
選んでしまった以上、それ以上悩む意味がなくなる。

お薬【めっちゃ早くキメール】

ここでおすすめしたいのが、この「お薬」。
用法用量は簡単。

用法:悩みが発生した時にお使いください。水なしでOKです。
用量:秒で。

お薬の成分表示もきっと「なんか早くキマる成分」「悩まなくなる」「気持ちよくなる」など、確実に法律に障る文字しかないだろう。とても警察の皆さんの気配を感じる。
ここまでくると、お薬ってよりもオクスリ。絶対薬剤師は漆黒のスーツ着たイカツいおっさんだ。

さて、成分表示が記載されたパッケージを見ただけでそっと薬棚に戻すその手を止めて、このオクス……いや、お薬を理解してほしい。

悩んだ際に、秒で決めること。それは、それ以降のメンタルが擦り減る時間を消し去ることを意味している。
しかし、悩むこと自体は冒頭話したように人間として必須の要素だ。
人間として価値ある時間でもある。何も情報がなく、何も考えず決めることは、悩みも消し去るが自分が得るはずだった価値をも消し去るだろう。

なので必ず「どうでもいいこと」に限定して服用/活用してほしい。

もし今後、自分の精神を擦り減らしそうな事象に相対した時こう思ってほしい。
「無駄に悩まない。必ず、決める」
その志向性こそが、あなたのメンタルを健全に保ち、擦り減る時間を最小化してくれることだろう。

悩む時間より、決める時間のほうが尊い。それだけの話なのだ。

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プロフィール

おばけ3号
おばけ3号

作家・コラムニスト&インフルエンサー。1990年生まれ。
X(旧Twitter)にて、フォロワー数10万人超のインフルエンサーとして日常の愉快な話や、人々や社会とのコミュニケーションの関わり合いの手法を発信。聡明かつ鋭い視点と分析力に富んだ意見で、多くの企業・メディア・働く若年男女層の評価を得ている。
その実像は都内のコンサルティング会社に勤務する、現役のコンサルタント。
大手上場企業に対するSNS活用コンサルティングサービスの提供や、SNS活用セミナー登壇など多くの実績を擁する。
2020年より、タウンワークマガジン(リクルート社)へのコラム掲載や、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションとのコラボレーション商品の開発販売等を実現し、自著『「お話上手さん」が考えていること 会話ストレスがなくなる10のコツ』をKADOKAWA社より発売。

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