ストレスに強く、自己肯定感が高くなる おばけメンタル

「自己肯定感が低い人」に共通する思考のクセ

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はじめに

世の中には、どうしようもできないことが多い。本当に多い。
地方の靴屋の閉店セールとか、売れてない中華屋のメニューぐらい多い。

そして、残念ながら人間は、そのどうしようもないことで傷つくこともある。主に、感受性が高く責任感があり、真面目で誠実、イケメンでモテモテな人が傷つく。そう、私である(?)。
冗談はさておき、社会で生きる人は、どうしても生じる利害や人間関係の歪みによって、全く罪のない自身のメンタルにダメージを負うことがある。

その都度、人は思う。
「なぜ私はこんなにダメなのだろうか」
「どう反省しようか」
「また同じ現象が発生したらどうしよう」
「私なんて……」

ハイ、ストップ。止まれ、ハイ止まってー(ピピー)。
ハイちょっと路肩寄せてー。オーラーイ、オーラーイ。はーいありがとー。
大丈夫? 今メンタル揺れてたね? お酒飲んでる?

なんにせよ、とにかく落ち着いてほしい。
それは果たして、「あなたが反省し、悲しむべき出来事」だろうか?
だって、しょうがないことなのではないの? え? なんで傷つくの?
しょうがないことなのに? えっ? なぜに!?

今日は、そんな「しょうがないこと」を献身的に引き取って理不尽な痛みに苦しむ方々にメッセージを伝えたいと思う。

解決策は簡単。自身に2つの質問をぶつけるだけだ。

【最初の質問】それって、あなたが反省すべきか?

突然だが、私が新卒入社した会社はとんでもないグレーな企業であった。
何が驚きって、表向きは法規制の遵守や社会貢献活動には余念がないように見えるが、実際はパワハラ、セクハラなど、ありとあらゆるハラスメントを詰め込んだ、ハラスメントオールスター的な会社であった点である。
同期で居酒屋で飲んでいる際、受けたことのあるハラスメントでビンゴ大会をやりだすなど、もはや逆に被ハラスメント側もたくましくなる、そんな会社と労働者の双方がコンプライアンス意識を感じさせない、倫理感と道徳観念がぶっ壊れた会社だった。

そのような会社に勤めていると、上司の𠮟責によって「何もかもが自分のせい」「社会人なら結果が全て」などと思い込んでしまうことがあった。
当時精神的に末期だった私も、ある日出勤時の雨模様の空を見て、「ああ、普段の私の行いが悪いから今日は雨なんだな……」と、地球規模の責任の十字架を背負う思考になったことすらある。

当時の私のこの状況を見て、この記事を読んでいる皆さんは、「雨なのはお前のせいだ!」と思うだろうか。
多くの方は、「いや、雨は誰のせいでもないでしょ」程度の感想なのではないだろうか。

そうなのである。誰のせいでもないのである。つまり、責任は誰にもないのである。少なくとも、当時の私には、間違いなく雨が降った責任はなかった。
そして大事なのは、その雨の責任を、私がわざわざ負いに行く必要はもっとなかったということである。

さて、ここでまた気になるのは、その責任の有無をどう判断するか? である。
しかしこれは非常に簡単で、「あなたがどうにかできる(どうにかすべき)問題だったか?」と自分に問いかけ、「YES」ならばバッチリ責任を感じてほしい。反省しろ、もうやるな。頼むぞ。以上。

一方、「NO」だった時である。もはやこの時点で、あなたがどうあったとしてもどうしようもない問題であるため、責任を感じることはない。
だって、どうしようもなかったのだから。ゆえに、今責任を感じる必要もないし、前述のとおり、わざわざその責任を負う必要もない。誰もが不必要で理不尽なダメージは無視するべきだ。なぜなら、どうしようもないことなのだから。自分の心にかかる負荷は、全て負わず、必ず取捨選択をしよう。

ゆえに、この記事をお読みの皆さんも、何か理不尽であったり気分を害すること、そして実害があることが発生した際、自分に問いかけてほしい。
「これ、そもそも反省すべきは私でいいのか?」と。

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プロフィール

おばけ3号
おばけ3号

作家・コラムニスト&インフルエンサー。1990年生まれ。
X(旧Twitter)にて、フォロワー数10万人超のインフルエンサーとして日常の愉快な話や、人々や社会とのコミュニケーションの関わり合いの手法を発信。聡明かつ鋭い視点と分析力に富んだ意見で、多くの企業・メディア・働く若年男女層の評価を得ている。
その実像は都内のコンサルティング会社に勤務する、現役のコンサルタント。
大手上場企業に対するSNS活用コンサルティングサービスの提供や、SNS活用セミナー登壇など多くの実績を擁する。
2020年より、タウンワークマガジン(リクルート社)へのコラム掲載や、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションとのコラボレーション商品の開発販売等を実現し、自著『「お話上手さん」が考えていること 会話ストレスがなくなる10のコツ』をKADOKAWA社より発売。

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