頑張らないでやる気を出すコツ

気楽にサボればやる気が出る

2018.03.26 公式 頑張らないでやる気を出すコツ 第2回
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「気楽にサボる」と生まれるもうひとつのメリット

さて、この「気楽にサボる」という行動には、もうひとつのメリットがあります。それは、サボると、自分自身の行動のムダに気づけるということです。日々の中で、それが当たり前だからと決めつけている、決まりきった日々の作業(ルーティン)や、ただ何となく行っている習慣などはありませんか? それを軽い気持ちでサボってみると、実はやらなくても何の問題もない、自分にとってムダなことだと分かることもあるのです。

例えば、抱えている仕事にあらためて優先順位をつけてみると、実は、今日やらなければいけないと思い込んでいた仕事が、明日でも十分間に合うと気づくかもしれません。その場合は、思い切ってその仕事は明日に回してしまいましょう。その結果、今日のスケジュールに余裕が生まれます。順調に仕事を終えたら定時で退社して、その後の時間を他の何かで充実させるのもいいでしょう。

このように、思い込みを見直して気楽にサボっていくと、気持ちにも余裕が生まれます。すると、本来力を注ぐべき仕事に集中することがきるようになってきます。物事の優先順位を見直すことで、偏っていたスケジュールのバランスがよくなり、より効率的に仕事がこなせるようになる例は少なくありません。

同じように、プライベートでも「気楽にサボる」ことでムダを見つけることができます。そのためには、自分にとってプラスになると信じている習慣を、「本当に自分のためになっているのだろうか」「本当はやりたくないんじゃないか」と疑ってみることが必要です。あらためて考えてみると、あまり意味のないことにこだわっていたり、とくにやりたくもないことをやり続けていたりすることが、往々にしてあるものです。

ある女優さんがテレビのバラエティ番組で話していたのですが、「自他ともに認めるキレイ好きだった」というその方は、以前は、家中を常にキレイに保つために、毎日多くの時間を費やしていたそうです。ところが、子どもたちが巣立ってからひとりで生活するようになると、「たまには、思い切り散らかしてみたい」という、それまで自分の中になかった感情が芽生えたというのです。

そう、自分自身が「家の中がキレイでなければ気がすまない性格」というのは思い込みで、実際は「それほど完璧に片付いていなくても大丈夫」ということに気づいたのです。こうして、自分自身の思い込みに気づくことができれば、自らのムダをなくしていくことができます。その分、新しい何かに費やす時間をつくることができ、それがやる気の素になっていきます。

何事もそうですが、惰性や思い込みによる行動は、せっかくの“やる気”を妨げてしまいます。「気楽にサボる」ことで日々の仕事やプライベートにメリハリをつけて、ムダな行動を取り除いていくのもひとつの方法だと覚えておきましょう。

次回に続く

 

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プロフィール

沖本るり子
沖本るり子

株式会社CHEERFUL代表。感情とコミュニケーションの上手な活用によって、人と組織を育成する専門家。数多くの企業研修を請け負う傍ら、合計7冊のビジネス書の出版実績も持つ。現在は主に人財育成をテーマとし、中小企業の組織活性化のサポートを行なっている。

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