2020ヤクルト 高津流スワローズ改革!

今年の「究極の悔しさ」は絶対忘れない。
内川ら新戦力とともに、来季こそ優勝を!

新外国人たちに期待すること

――今年の結果を踏まえて、来季の展望をお聞かせください。

高津 今も言ったように、「このままでは絶対にいけない」という思いは常に持っています。そのためには何かを変えなければならない。今年、この連載の中でも言ったと思うけど、そのためには「新しい人」に期待しています。それは新人選手だったり、移籍してきた新加入選手であったり、新外国人であったり。そうした人たちの存在は、停滞した雰囲気を変えるには一番効果的だからです。現有戦力の底上げは絶対だけれど、そこに加えて新戦力の台頭は絶対に必要です。

――慶応大学からは即戦力ルーキーの呼び声が高い木澤尚文投手が入団します。さらにソフトバンクから、実績のある大ベテラン、内川聖一選手の入団も決まりました。

高津 今季最終戦でプロ初登板を果たした奥川恭伸もそうですし、木澤も、内川も、新しい空気を吹き入れてくれる存在だと考えています。それに、新たに加入する外国人たちにも大きな期待をしています。

――12月4日には、今季アストロズのサイスニード投手、パイレーツのホセ・オスナ内野手、インディアンスのドミンゴ・サンタナ外野手の獲得が決まったと球団からの発表がありました。サイスニード投手は今季はリリーフ登板中心だったそうですね。

高津 今季、メジャーではリリーフ中心だったけど、もちろんヤクルトでは先発投手候補として考えているし、貴重なローテーションの一人として獲得しました。僕自身もメジャーでの登板だけではなく、マイナー時代の映像も確認したし、データもチェックしました。実際に投げるところを見たわけではないけど、映像を通じて「やれる」という判断をした上での獲得です。

――オスナ選手は「得点力不足解消」を期待し、長打力を見込んだ上での獲得だと思います。アメリカでは一塁か三塁を守っていたそうですね。

高津 今季の反省としては村上の後を打つ「五番打者」が大きな課題となりました。村上はよく頑張ってくれました。ノリ(青木宣親)もよく打ってくれた。でも、バレンティンが抜けて長打力がなくなり、得点力がダウンした。その点を補うための外国人選手です。彼にはサードを期待しています。

――オスナ選手にサードを任せられれば、村上選手はファーストで固定できますね。

高津 そうですね。その通りです。オスナに関してはしっかり守れる、長打力もあるという点を期待した上での獲得です。それによって、村上への負担も軽減できればいいなと考えています。

――さて、「2020高津流スワローズ改革!」連載も、今回が最終回です。最後に改めて今季を振り返りつつ、来季への意気込みをお話しください。

高津 今年はファンのみなさんに悔しい思いをさせてしまい、とても責任を感じています。我々はまだまだやるべきことの多いチームです。でも、今年の悔しさを決して忘れずに、来季こそはみなさんと喜べるように選手一丸となって頑張ります。今年一年間、どうもありがとうございました。来年も、ご声援よろしくお願いします。
また、今季の連載はこれで一旦終了となりますが、来季の開幕に合わせて再び連載をスタートする予定でおります。こちらも応援よろしくお願します。

 

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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