2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

奥川の初勝利、若手の台頭――
新しい「力」がチームを押し上げる

2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――5月9日の対読売ジャイアンツ戦では、新外国人投手のサイスニード投手が先発しました。プロ4年目の金久保優斗投手は4月14日の対中日ドラゴンズ戦でプロ初勝利を挙げると、その後も白星を重ねています。そして、4月24日の対中日戦では、プロ3年目、坂本光士郎投手がプロ初勝利を記録しました。

高津 以前から話していたように、チームのムードを変えていくには「新しい人の台頭」は欠かせないと思っています。今年は外国人選手の来日、出場が遅れるという不測の事態の中、チャンスを与えられた若い投手がきちん結果を出すというのは、昨年までのムードを変える意味でも、戦力的にもとても大きいですね。

――さらに、4月8日の対広島東洋カープ戦では、プロ2年目、奥川恭伸投手が待望のプロ初勝利をマークしました。この試合についてはどう振り返りますか?

高津 あの試合はいろいろなことが詰まった試合だったと思いますね。初回にいきなり4失点を喫してしまったのに、味方がすぐに4点を奪って同点に追いつくというのも、なかなかないことだし、1時間近い中断があったのに、粘り強く投げたこともそう。結果的に5失点だったのに勝利投手になったけど、彼にとっては納得のいく内容ではなかったはず。それでも、「プロ初勝利」を手にしたことは、今後につながると思います。

――5月5日の阪神戦では、自己最長となる6回を投げて3安打2失点。少しずつ本来の持ち味を発揮しつつあるように思えます。

高津 よく腕も振れていたし、ストレートも走っていたし、徐々にいい内容になっていると思いますね。これからも期待を込めてマウンドに送り出したいと思います。

――4月16日には阪神タイガースを相手に、プロ20年目の石川雅規投手が今季初先発。敗れはしたものの、手応えを感じさせるピッチングでした。石川投手についてはどう見ていますか?

高津 現役では数少ない、一緒にユニフォームを着てプレーをした選手ですから、もちろん思い入れは強いです。お互いに、いろいろなことを知っている間柄ですし、いろいろ野球に関して話もしてきました。監督という立場上、すべての選手は平等に接しなければいけないけど、本当に頑張ってほしいと思っていますね。あの日の甲子園の試合でも、緊張感のある中で、きちんと試合を作り、身体の状態もよくなっていたし、これから必ず結果を出してくれると信じています。

ご感想はこちら

プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
出版をご希望の方へ

公式連載