「イラン文明が今夜にも滅びる」「ローマ教皇はイランの核容認者」など常軌を逸した発言から、自身をイエス・キリストに擬したAI画像発信に至るまで、奇異な言動が続く米国のトランプ大統領。その個人的“資質”に対し、改めてメディアの関心が高まっている。
トランプ大統領に関し、毀誉褒貶さまざまな風評があるのは、就任1期目も2期目の今日もさして変わらない。
その中で、特に1期目に身近に接触があった友人、側近、高官たちが明かした「トランプ人物評」は、断片的とはいえ今なお、重みがある。遺憾ながらその多くが、本人にとって不名誉なものばかりだ。
だが、米国大統領として政策を決定する際にも、そうした個人的特徴が反映されているとすれば、単なる興味本位の話題ではすまされない。
では、トランプ氏を知る人たちは、何を語って来たのか、実際に使われた表現とその背景を“キーワード”ごとに振り返ってみる。
著名スポーツライターで、トランプ氏と30年以上もゴルフ仲間だったリック・ライリー氏が2019年に出版した暴露本のタイトルになり、著書は「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーズ・リストにも取り上げられるなど、一大旋風を巻き起こした。
米国大統領は全軍を統括する「最高司令官=Commander in Chief」でもあることから、本のタイトルはもじって「Commander in Cheat」と表記された。「cheat」は名詞で「インチキ、イカサマ」を意味し、“Commander in Cheat”となると、トランプ氏はとんでもない”イカサマ師“になる。
実際にライリー氏は、この本の中で「プレー中にボールを何度も蹴って動かしたり、スコアをごまかすなど、最悪のプレーヤーだ」「ゴルフ場の振舞だけでなく、大統領としてもでたらめな政治で、わが国を世界の笑いものしており、許しがたい」などと酷評している。
トランプ氏は実業家時代の取引においても、「詐欺」「横領」「脱税」など様々な容疑で告発されてきたほか、大統領就任後も、「職権乱用による不正取引」の疑惑がたびたび報道されてきており、「Forbes」誌の追跡調査によると、トランプ氏の個人資産が20年当時、25億ドルだったのが、2期目就任後のわずか6カ月間で「50億ドル以上」にも膨れ上がっているという。
トランプ氏が1期目の大統領だった当時、個人弁護士を務め、プライベートな内部事情に通じたマイケル・コーエン氏が、去る19年2月、大統領の様々な疑惑を調査中だった米下院監視委員会に重要証人として喚問された際、「トランプ氏はcon man (詐欺師)で、racist(人種差別者)」と評したことが大きく報道された。
それ以来、各メディアでトランプ氏のスキャンダルが浮上するたびに、代名詞代わりに“con man”がしばしば使われるようになってきている。
コーエン氏は当時の公聴会で「私は、con manでracistのトランプ氏に仕えてきたことを恥じている」とした上で、「彼は、かつて性的関係を持ったポルノ女優に“もみ消し料”を払い、黙らせるよう、私に直接指示した」「トランプ氏がベトナム戦争当時、『健康上の理由』で徴兵を忌避していたスキャンダル疑惑がのちに持ち上がった際、火消しのためのマスコミ対応を一任された。私が、徴兵を逃れた際の医師の診断書が残っていないか尋ねたところ、『そんなものはない』『メディアには、医師の診断上の理由だと言っておけ』と指示された」などと証言した。