政治介入に過度な商業化…2026年サッカーW杯がもたらした光と影、スポーツイベントの理想形ながら最も多くの課題残す
2026.07.27
Wedge ONLINE
日本が学ぶべき教訓は二重である。第一に、PBや債務残高だけで財政再建を語る時代は終わりつつある。財政の健全性は、政府内部の会計指標だけではなく、市場が政府をどう評価するかによっても左右される。
第二に、市場の信認を得るには、単なる緊縮でも、単なる積極財政でも足りない。必要なのは、将来の成長力と制度への信頼を同時に高める財政運営である。
高市内閣の財政指標見直しは、従来の財政再建論を前進させる可能性を持つ。しかし、その可能性は、同時に大きな危うさを伴っている。
骨太ショックは、その危うさを市場が早々に突いた出来事であった。財政再建の問いは、「借金をいくら減らすか」から、「国家への信頼をどう維持するか」へ移りつつある。
だからこそ、高市内閣は積極財政を唱えるなら、これまで以上に厳格な財政規律、透明な投資評価、明確な財源論、そして日銀の独立性への敬意を示さなければならない。同時に、物価高がもたらすインフレ税を放置してはならない。市場の信認を得ることと、生活者の信認を得ることを、財政運営の両輪に据える必要がある。
市場信認国家の時代において、政府に求められるのは、大きな支出を語る勇ましさではない。信用を失わない慎重さである。そして、その信用とは、国債市場の投資家からの信用だけではない。日々の食卓を守ろうとする生活者からの信用でもある。