「あえて仕事しない」が日本でも当たり前になる日

キャリアブレイクの文化が広まれば、社会が面白くなる

北野さんのキャリアブレイク研究所が目指すのも、社会構造をキャリアブレイクの価値が活かされるものへとアップデートさせること。だからこそ、当事者だけでなく、企業や自治体、大学などとも連携しながら、みんなでキャリアブレイクという文化を広めていくことに取り組んでいる。

仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略
北野さんの著書『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

北野さんが強調するのは、キャリアブレイク研究所の取り組みは、「文化活動である」ということだ。

「よく誤解されるのですが、弱者を救いたくてやっている社会貢献活動ではありません。私たちは、キャリアブレイクの文化が広まったほうが、社会が面白くなると信じて取り組んでいる。つまり、文化活動なのです」

日本で生まれているキャリアブレイクをめぐる動きは、かならずしも労働者の権利を求めるために行う、経営側との闘争ではない。

労働者や経営側、産官学が協力しながら、より生きやすい社会、さまざまな個性と出会える面白い社会、そしてイノベーションが生まれる社会を目指していく運動と捉えることもできそうだ。

山中散歩さんによるキャリアブレイク連載、過去記事はこちらから
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