東大・京大など難関大学合格者数も一定…東京・都立高校、人気復調の理由と注意点

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東京都立・日比谷高校(「Wikipedia」より

 私立高校人気に押されていた、東京の都立高校が再注目されているという声が聞かれる。2001年から東京都教育委員会が、生徒の進学に対して組織的、計画的に対策を施している都立校を「進学指導重点校」などに指定するなど、都内では都立高校改革が進んでいるのだ。都は各学校の過去の実績や指導を基準に、「生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの一環として、進学対策に組織的、計画的に取り組む」都立高校を3段階で分類している。

 まず、進学指導重点校(日比谷高校、西高校、国立高校、八王子東高校、戸山高校、青山高校、立川高校)。都教委によると、共通テストを5教科7科目で受験する生徒の割合が6割以上、難関国立大に合格可能な得点水準以上の受験者の割合が1割以上、および難関国公立大学(東京大学、一橋大学、東京工業大学、京都大学、国公立大学医学部医学科など)の合格者が15人に達していることを基準に選定されている。

 次に進学指導特別推進校(小山台高校、駒場高校、新宿高校、町田高校、国分寺高校、国際高校、小松川高校)。進学指導重点校より対象となる大学が多く、難関国公立大に加え、それ以外の国公立大、早慶上智などの難関私立大学の合格実績をもとに指定される。

 そして、進学指導推進校(三田高校、豊多摩高校、竹早高校、北園高校、墨田川高校、城東高校、武蔵野北高校、小金井北高校、江北高校、江戸川高校、日野台高校、調布北高校、多摩科学技術高校、上野高校、昭和高校)。こちらは進学指導特別推進校の選定基準に加え、さらにGMARCHR大学(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、東京理科大学)の合格実績が加わり、大学実績の幅を広く加味する分類となっている。以上の3分類に指定された都立高校は、なかには独自の学力検査問題を一般入試で実施している学校もあり、大学への進学実績もよいとのことだ。

 では具体的に都立高校はどのように変わったのだろうか。株式会社エデュケーショナルネットワーク、R&Dセンターシニアアナリストである池田亨氏に最新の都立高校事情について聞いた。

都立人気は下がり気味だが、一部エリアだと都立校志向は高め

「一部の受験生や保護者から都立高校が再注目されているというのは事実でしょうが、都立高校への志望者数は緩やかに減少傾向にあります。2023年度の都立高校の入試に向けた進路希望調査では、公立中3生77,692名中、全日制都立高校希望は49,362名、63.5%でした。2000年代に入ってから60.7%を下回ったことがなく、2017年度は71.1%でしたから、以前よりも減っていることがわかります。

 08年のリーマンショック時に志望者数自体は増加しましたが、経済的な事情で都立高校を志望した家庭が多かったので、都立高校人気によるものではありません。その後、10年より国による高等学校等就学支援金制度が始まり、さらに都による独自の上乗せで私立高校進学者への支援が手厚くなったことから、都立高校の志望者数は再び減り始めました」(池田氏)

 加えて、東京ならではの事情により、都立高校の進学率が他の道府県よりも低いという。

「全国的には、公立高校に進学する生徒のほうが圧倒的に多いです。都市部をのぞくと、公立高校に受からなかったら、すべり止めとして受けていた私立高校に進学する、という考え方が主流です。東京も1960~70年代ぐらいまでは都立高校志向が現在よりも強かったのですが、現在は都内には私立の中高一貫校が多く、中学受験をしてそちらに進学する生徒が少なくありません。さらに近年は私立高校の評価が上がったこともあって、高校受験でも都立高校を選択肢に考えずに最初から私立高校を選ぶ生徒も増えたのだと考えられます」(同)