フジテレビ親会社が上場廃止の可能性も、中居正広さん問題で…東証の規約

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フジテレビ(「Wikipedia」より/Kakidai)

 幹部社員が女子アナウンサーを接待や懇親会の席などに同席させていた疑いが浮上しているフジテレビジョン。同社の港浩一社長ら経営陣は17日、記者会見を実施したが、出席するメディアを記者クラブに加盟する社に限定し、会見の模様の映像の撮影を禁止した点や、立ち上げる調査委員会を日弁連の定義に基づく第三者委員会の形態にはしないと説明した点、外部関係者との懇親会での女性社員への不適切な行為の存在を明確に否定しなかった点などに批判が寄せられている。会見を受けトヨタ自動車や日本生命保険、NTT東日本などスポンサー企業が相次いで広告出稿を止めることを表明。市場関係者の間では親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の上場廃止も取り沙汰されているという。幹部社員による問題のある行為や慣習、コンプライアンス不備などが原因で上場廃止となる可能性というのは、あるものなのか。

 フジテレビは番組にレギュラー出演する中居正広さんが女性との間でトラブルを抱えていることを2023年6月の段階で把握していたが、中居さんが出演する番組を継続させていた。中居さんと女性とのトラブルが起きた会合に同局の幹部社員が関与していたと報じられている点について、フジテレビは公式サイト上で「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と否定コメントを発表していたが、会見で「会合があって問題が起きた当日は職員の関与がないということかもしれないが、女性と中居さんを引き合わせた前段で、何か接待を促すような関与がなかったのか」という質問に対し、港社長は「当該の会については関与を明確に否定します。それ以外に関して、どういういきさつだったかは、我々もまだ分かりません」と回答。被害にあった女性が証言している、中居さんとの会合にフジテレビ幹部社員が関与していたとする内容と食い違っていると指摘されると、港社長は「調査委員会に委ねられる事案」として回答を避けた。

 このほか、港社長自身が過去に外部の関係者との接待の席に女子アナウンサーを呼んで同席させていたという報道については「アナウンサーとかいますし」「基本、自由参加」などと説明。社員が女性とタレントを2人きりの状態にして接触させることが常態化しているという報道については、「私はそういうことはなかったと、信じたいと思います」「調査委員会に委ねたいと思います」と述べた。

「フジテレビ経営陣の誤算は大きく2つ。港社長をはじめ管理職や幹部クラスの社員が、以前から日常的に自社のアナウンサーなど女性社員を接待の場に同席させていたと報じられた点。そして、これが引き金となって親会社フジHDの大株主が第三者委員会の設置による正式な調査などを正式に要求してきた点。これでフジ経営陣は完全に詰んだ。とりあえずすぐに会見を開かなければならなくなったわけだが、フジテレビ黄金期にバラエティ制作現場のど真ん中にいた港社長自ら、そのような接待や懇親会をやっていたことはフジ以外の局の人間でも知っており、それゆえに会見で見せたような歯切れの悪い回答しかできない。フジは社内の力関係的にアナウンス室の力が弱く、制作局や営業局から言われると断れない空気があり、タレントや芸能プロダクションとの懇親会以外にも、スポンサー企業との会食やイベントなどにもアナウンサーが駆り出されてきた。また、制作局からの要請を断れないので、一部の人気アナに出演番組が集中するという事態が起きる。

 今回の問題の発端は中居さんの一件だが、ここまでスポンサー離れが起こると、経営陣・幹部の刷新と抜本的な経営改革が避けて通れなくなった。ただ、視聴率の低迷も続いており、長期的なフジの存続という観点では、ここで膿を一気に出し切って再出発を図るというのは好都合かもしれない」(キー局プロデューサー)