元祖「こってり系ラーメン」で知られるラーメンチェーン「天下一品」。独特かつ濃厚なこってりスープが多くの根強いファンを獲得しているが、一部では閉店ラッシュと表現されるほど店舗の閉店が相次いでいると報じられている。天下一品グループはBusiness Journalの取材に対し「店舗の増減についてのお問合せにはお応えを控えさせていただいております」としており、直近の実際の増減は不明だが、たとえば「こってりラーメン(麺大盛り・スープ増量)」と「大盛りライス」のセットで1500円するため高価格だと消費者から認識され、客が利用に二の足を踏むようになっているのではないかという見方も出ている。インターネット上でも「もうレベル上の店になってしまった」「高くなった」「もう無理」といった声があがっているが、現在の天下一品の価格設定をどう評価すべきか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
全国に212店舗(1月24日現在)を展開する天下一品は、昭和46年(1971年)に創業者の木村勉氏が京都で始めたラーメンの屋台が発祥。2021年には創業50年を迎え、現在は年商約200億円の一大チェーンに成長した。そんな天下一品の代名詞といえるのが、木村勉氏が3年9カ月もの歳月をかけて完成させたというスープを使用するラーメン。現在、「野郎ラーメン」や「ラーメン二郎」など「こってり系」の店は珍しくないが、天下一品はHP上で「半世紀も前にこの『こってり』というジャンルを創造した木村勉は、食文化に金字塔を打ち立てたと言っても過言ではありません」としている。
メニューとしては、看板メニューの「こってり(並)」(940円/店舗によって異なる/以下同)、「あっさり(並)」(同)、「こってりMAX(並)」(1210円)、「赤ん粉ラーメン(1辛)」(990円)、サイドメニューとして「豚キムチ」(710円)、「こってり唐揚げ」(550円)、「こってり天津飯」(570円)などある。このほか、ラーメンとチャーハンのセットである「チャーハン定食」(1320円)、ラーメン・羽根つき餃子・チャーハンのセットである「サービス定食」(1540円)といったセットメニューも揃っている。
そんな天下一品をめぐって昨年、一部で話題を呼んだのが、6月に新宿歌舞伎町店など東京都内の6店舗が一斉に閉店したことだ。これが閉店ラッシュとしてニュースにも取り上げられていたが、2023年6月の222店舗から今月時点では212店舗と10店舗減ってはいるものの、約1年半でこの減少幅というのは通常といえる範囲だろう。
では、店舗閉鎖と関連付けて注目されている価格についてはどうか。競合する中華料理チェーンをみてみると、「熱烈中華食堂 日高屋」の「中華そば」は420円、「餃子の王将」の「餃子の王将ラーメン」は748円、「幸楽苑」の「中華そば」は490円となっており、それらと比較すると「天下一品」のラーメンは高いといえる。
現在、天下一品でラーメンの「こってり(並)」に「ライス(並)」(190円)をつけると1130円と1000円を超えるが、そのクオリティと価格を勘案すると、どう評価できるのか。現在の天下一品の価格を自身でも飲食店経営を手掛ける飲食プロデューサーで東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏はいう。
「ラーメン業態を含め、飲食店の価格決定には『材料費』と『同業他店の提供価格(地域価格含む)』の2つの大きな要因があります。まずは使用している材料価格を足し上げて商品としての材料費を計算し、その金額を3倍にしてみます(この時点では材料費率は約33%)。そこを基準線に、もう少し上げても大丈夫かなというときは上げてみて(材料費率は33%以下に)、ちょっと高いかなという場合は下げてみます(材料費率は40%に近づく)。そして店で提供している他の商品とならして店舗全体で材料費比率を30%に収まるように意識しています。