森岡毅氏の刀、赤字24億円は普通で当たり前…ジャングリア沖縄の意義と高い期待感は揺るがず

 ちなみに大手コンサル会社が手掛けるプロジェクトでも、うまくいかないケースというのは珍しいことではなく、原因としては『コンサル会社の提案自体が間違っていた』『クライアント側がコンサル会社の提案内容の一部だけを切り取って実行した』『そもそもコンサル会社の提案が実行されなかった』といったことがあげられます」

 ジャングリア沖縄の先行きを不安視する見方もある。

「開業前の段階で評価についてどうこういうのは野暮な話であり、開業後、時間がたってからではないと評価はできないでしょう。一ついえることは、アジアの富裕層もターゲットにして、冬の時期も楽しめるテーマパークというのは非常に起業家意識に富んだ取り組みであり、注目すべき事業であるということです」

刀は企画やブランド再構築の支援をするという立場

 また、金融機関ファンドマネージャーはいう。

「まず、森岡氏がUSJの再建に大きく貢献したことは事実であり、その同氏がゼロから携わるジャングリア沖縄に、沖縄の経済活性化という面も含めて大きな期待が寄せられるというのは当然でしょう。また、刀が過去に携わった案件のなかに、うまくいかなかったものがあるということですが、あくまで刀は企画やブランド再構築の支援をするという立場にすぎず、主体は当事者である企業なので、うまくいかなかった原因がサポート役であった刀にあるということにはならないでしょうし、多くのステークホルダーが関与する以上は原因が一つであるということもないでしょう。

 そして会社が赤字であるという点については、未上場の規模の小さな企業が大きな投資に伴い一時的に赤字を計上することは珍しいことではなく、世間的に注目されるスタートアップ企業のなかにも業績的には赤字が続いているという企業は少なくなく、赤字であるということが、ことさらに強調されることにはあまり意味がないようにも感じます。ジャングリア沖縄についても、うまくいくのかどうかは現時点では分からず、その評価は開業後、数年がたたないとできないでしょう」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=鈴木貴博/百年コンサルティング代表)