インバウンド、観光地ではない地方の小さな“普通の街”を散策する1名~数名のツアーがじわり人気の理由

「私がご案内できる地域は限られているので、地方で同じようなことをしている、例えば近隣の群馬や福島、宮城といった、あまり観光客が来なくてこれから盛り上げていきたいような場所と連携して、ルートを広げたいと考えています。『これから2週間いるんだけど、他の場所にも連れて行って』といったお話もたまにありますので、東だけでなく西に行くとか南に行くとかでも、そういう方と繋がっていければと思います」

 最後に、今後の日本のインバウンド対応について竹田氏は次のように提言する。

「今は本当にオーバーツーリズムが問題になっているので、それを打開しないと互いに詰まってしまうと思います。例えば初めて日本に来られる方のなかには『絶対に京都へ行かなければならない』と思っている方もおられますが、混んでいる時に行ったら、もう2度と行きたくないと感じてしまいますよね。一方で、京都に住んでいる方も普通の生活が回らないような状態になっているので、それを打開する必要もあります。地方にはたくさん良いところがあるので協力して、インバウンドの受け入れ先を分散していかないと本当の日本の良さというのは分かってもらえないでしょう。日本が観光大国を目指すなら、これまで注目されなかった地域を紹介し、新しいユニークな旅の形を提案していくことが大切だと思います。

 地方には外国人の方が満足できるような宿泊施設が少ないという課題があります。私もいろいろと視察に伺うのですが、『必ず来てもらえるなら、改修するけれども』『対応できるスタッフがいない』といったお声をよくいただきます。 ただ、実際に改修したとしても外国人のお客様が必ず増えるとは限らず、その判断は非常に難しいのが現状です。 だからこそ、最終的には“人の力”で補っていくしかないと考えています。地元の250年続いている老舗の10代目の女将さんと親しくさせていただいているのですが、彼女の旅館は小さくてゴージャスな感じはないのですが、とにかく女将さんが明るくて、言葉が通じる・通じないの問題ではなく、すぐお友達になってしまうんです。建物や立地の条件以上に、その土地ならではの文化や、地元の人々の温かさといった魅力でカバーできる部分も、かなりあるのではないでしょうか」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)