インバウンド、観光地ではない地方の小さな“普通の街”を散策する1名~数名のツアーがじわり人気の理由

「少なくとも日帰りで、東京からのお客様にはなるべく地元に貢献したいので宿泊していただけるようにしていますが、例えば東京で1週間宿泊を取っている方などは、1日でも満足して貰える体験プログラムを用意しています。栃木県内までは大体1時間半、2時間で来れるので、朝10時ぐらいに駅でピックアップして、夕方6時ぐらいに駅にお送できます。

 食事についても地元の特色を活かした配慮をさせていただいております。なるべく旬の野菜などを使った地元のお店、地元のものが食べられる野菜中心のレストランなどで食事をとっていただいております。お客様の要望を聞いた上で、例えばお肉を食べないお客様や、グルテンがダメなお客様などのご要望に応じて、レストランを選定しています。そういうレストランに行ったら、ただ食べるだけではなくて、作っている方ともお話を少ししていただいて、『これはどういうものですよ』といったご説明や、『これはどこで採れたものです』ということをお伝えしています。お客様が『私これすごい好きだから、ぜひレシピを教えてください』といった感じで、色々と会話が生まれることもあります」

 参加者数は少人数制を基本としている。

「本当に少ないんです。以前は2名以上での受付でしたが、1名の方もたくさんいらっしゃって、1人で栃木に来たいという方をお断りするのは申し訳ないので、1人の方も受け入れています。平均2名で、多くて4名程度のご家族です。お友達やカップルの2名が1番多いですね。それぞれのお客様にカスタムメイドのツアーを作って提供しております」

 参加者の国籍は非常に多様だという。

「本当にいろんな国の方がいらっしゃいます。私はバックグラウンドがアメリカなので、アメリカのお客様が来てくださるかなと思っていましたが、初めの頃はヨーロッパやアジア圏の方ばかりでした。南米、アフリカの方もいらっしゃいますし、ブラジル、オーストラリアからも多くの方が参加されています。今、日本が注目されている観光地として、ネット上には多くの日本に関する情報が出ていて、すごく評判が良いので、それで行ってみたいという気持ちを持つ人が多いのだと思います」

1回来ると本当にファンになってくださる方が多い

 特筆すべきは、リピーター率の高さである。

「1回来ると本当にファンになってくださる方が多くて、リピーターの方もいらっしゃいます。シンガポールの方などはすぐ来れるので、アジア圏の方は割と来てくださるのですが、遠い方ですとドイツの方も1年の間に2回も来てくださって、『すごく気に入った』と言ってくれています。そういう方は、人に会いに来るんですね。『今度はボーイフレンドと一緒に行くから、紹介したい』といった感じで来てくださったりします。栃木のこの雰囲気、日本の何気ない日常がすごく楽しいということで、目的地に行く前にちょっと寄ってみる、予定表に入っていないところに寄って河川敷でピクニックしたりとか、そういうちょっとしたことがすごく思い出に残るようです」

 集客方法については、SNSとウェブサイトが中心となっている。

「インスタグラムと私のウェブサイトのお問い合わせにメールをくださったりしています。私の場合は栃木県佐野市の観光協会、観光推進課と一緒に活動している部分もありますので、そちらの案件をお手伝いさせていただくケースもあります。弊社のサイトは、地元の職人さんやアーティスト、自然、伝統文化などを交えて栃木県を紹介しているので、そういうものに共感してくださる方が問い合わせしてくださいますね」

 今後の展開について、竹田氏は地域間連携の可能性に言及する。