市販薬ネット販売・コンビニ受け渡し解禁へ…改正薬機法が問う「利便性と安全」

・コンビニ・小売業
 薬局との提携により、新たな収益源を確保できる。ただし、店舗スタッフが薬の管理に関与する範囲や、遠隔対応デバイスの設置など、運用の細部については薬局側との緊密な連携が求められる。

・製薬メーカー
 要指導医薬品のネット解禁により、高機能なスイッチOTCの需要拡大が見込まれる。特に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する層に向けたマーケティングが重要になる。

2030年に向けた「デジタルと人」の融合

 今回の改正薬機法は、単なる「規制緩和」ではない。それは、日本が長年抱えてきた「過度な受診・処方薬依存」から、自分の健康は自分で守る「自律的なセルフメディケーション」への移行を目指す社会実験でもある。

 市場規模1,200億円超という成長予測を達成しつつ、オーバードーズという負の側面を抑え込むためには、テクノロジーの活用と「人の介在」のバランスが鍵を握る。ネット販売やコンビニ受け渡しといった「デジタルな仕組み」の中に、薬剤師や登録販売者による「アナログな洞察」をいかに組み込むことができるか。

 2026年の完全施行に向け、法制度の実効性と、各事業者のコンプライアンス(法令遵守)意識が厳しく問われることになるだろう。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=三好泰一/医療アナリスト)