Two GUNZ Die

握った銃は震えていた。暗い倉庫にも慣れて夜目が効くこの瞬間に、殺らねばならない。
目の前に立つ人影が月光に暴かれる。坊主頭のスーツを着る男前。鎌倉漏斗。ヤツも俺を狙っている。

躊躇うな。掌から湧くこの汗を。肌に張り付く緊張感を。全ての事を気に病むな。針に糸を通せ。

「真壁!!いい加減諦めてくれ」

鎌倉はいつも正しい。正しさの化身たる警部になった程だ。俺もこの銃を下ろすべきなんだろうが、止められない。今コイツに逮捕される訳にはいかない。

「わかってんだろ鎌倉____もう後ろに引く訳にゃ行かねぇんだよ。」
「そんなことねぇ!!後ろに引くってなんだタイムスリップでもすんのか!違う!後ろ向きでも良いんだ!前に進め!茅野の為に」
「____てめぇ」

アイツの名前を、寄りにもよってコイツが言うのか。
頭の中で茅野の顔が浮いてくると、身体を巡る迷いが薄れていく。怒りが俺を解き放つ。
だから俺は、握った銃のグリップに力身が入る。その様子を見て鎌倉の凛々しい眉毛の皺がよる。

「てめぇが茅野の名前言うな_____鎌倉ぁああああ!!!!!」
「クソがッ!下ろせ!いい加減にしねぇとマジで撃つぞ真壁!」
「あのー」

幼い声音に2人の張り詰めた糸が切れる。肩透かしだ。俺と鎌倉は声の方向に視線を向ける。
するとそこには足が天井を向いて、長い銀髪を床に広げる外人の子供がいた。しかも女だ。ガキは俺たちを見て言った。

「今、何年なんでしょうか?」

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