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ローマ
酔った勢い①
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「はぁっ、お腹いっぱい。美味しかったね、トモ」
今日はいつもとは違い、最後のローマだからかお酒を少しだけ飲ませてもらえたので、いい感じにほろ酔いで気分がいい。
うふふ、今日は私が襲っちゃおうかしら。
お酒のせいで気が大きくなっているせいか、悪戯心が芽生えた私は、トモに全体重をかけて力いっぱい両手で押した。不意をつかれバランスを崩してよろけた彼が、ソファーの上に倒れたのをいいことに、えいっとお腹の上に飛び乗る。
「花梨奈さん? 酔っているんですか?」
「そうね……。どうかしら? でも、今日はいい気分だから上に乗っちゃいたい気分かも」
悪戯っぽく笑うと、トモが小さく目を見開く。彼は驚いているかもしれないけど、私は意表がつけてとても嬉しい。
トモの上に乗りながら、何度も彼の頬にキスをすると、彼の唇が弧を描いた。
「へぇ。あのくらいのお酒の量だと、こんなにも積極的になってくれるんですね」
「積極的な私は嫌?」
シャツの上から逞しい胸板をつーっと指でなぞりながら問いかけると、彼は「まさか」と言って私にキスをしてくれる。
ゆっくりと触れるだけのキスを何度も繰り返す。激しさはないけど、妙にドキドキした。そして、そのまま跨っている腰を少しずらして彼のベルトを緩めた。
「すごい……もう熱くなってる」
「そりゃ、こんなに可愛い迫られ方をすれば勃ってしまいますよ。花梨奈さん、ベッドに行きますか?」
苦笑している彼に小さく頷くと抱き上げてくれる。こつんと額を合わせると、下唇を吸われた。
お互いの心臓の鼓動を感じながら、トモの首に手を回すと、彼がゆっくりと歩き出した。リビングからベッドルームへ移動し、優しくベッドにおろしてくれる。
「愛しています、花梨奈さん」
「ん……私も……」
返事をしたのと同時にベッドが軋んで、トモがゆっくりと覆い被さってくる。私の太ももを撫で上げながら、スカートの中に手が入ってきた。
「トモ、待って。今日は私がするの……」
「ええ、構いませんよ」
いいと言ってくれているのに、トモの手は不埒な動きで私の太ももを撫でている。まったく譲ってくれる気がないその手に負けん気が湧いてきた。
負けないんだから……
自らトモにキスをし、彼の口の中に舌を入れて吸った。くちゅくちゅと唾液を交わしながら、彼の舌に自分の舌を懸命に絡めていると、トモは太ももを撫でていた手を背中にまわしてワンピースのファスナーをおろそうとした。なので、少し体を浮かせると、一気にファスナーがおろされる。
「花梨奈さん、キスが上手くなりましたね。最初のころとは大違いです」
「う、うるさいわね。今日は大人しく私に食べられていればいいのよ。トモは大人しくしていて」
あのころはトモから逃げようとしていたし、それにすべてが初めて尽くしだったから……。だけど今は彼に色々と教え込まされた気がする。
今日はその成果を発揮して、トモを翻弄してやるのよ、私は。
「花梨奈さん、いいですね。とてもいいです。こんな感じになってくれるならお酒も大歓迎ですよ」
メラメラと闘志を燃やしている私に、トモは楽しそうに笑ったあと唇を合わせてきた。口内に入ってきた彼の舌が這い回る。さっき自分がトモにしていたキスとは全然違う官能を呼び起こすようなキスだった。
気持ちいい……
「ん……んぅ、ふぁっ」
トモの舌が上顎をなぞると体がびくんと跳ねて、力が抜けそうになる。負けじと彼の舌を吸おうと舌を伸ばしても、彼の舌が私の舌を捉え吸い上げる。
「んんぅ!」
「可愛い」
体が大きく跳ねてしまうと、唇を合わせたまま囁かれる。そしてトモはキスをしながら、私のワンピースを脱がせていった。
舌のつけ根をなぞりながら、私の腰に手を這わせる彼の手を掴む。
おかしい。これじゃ、いつもと一緒だ。
今日は私が襲う日なのに。
「トモのばかっ! 今日は私がするって言ってるでしょ」
むっとして軽く上体を起こし、そう言いながら彼を睨みつけると、トモが大きく脚を開かせてきた。
え? ちょっ、ちょっと、だから今日は私がするって言ってるのに……
話が違うと、脚をバタつかせてもびくともしない。それどころか彼はショーツの上から頬擦りをしてきた。
「ばかぁ、今日は私がするのっ! トモはあとで!」
「少し酔っているせいか、肌がほんのりと色づいて体温も少し高めで、とても色っぽいですよ。こんな色っぽい花梨奈さんを舐めずにはいられません。舐めてもいいですか?」
「……バカ。うーん。そうね。じゃあ、舐めっこしよう」
「はい?」
いいことを思いついたとヘラヘラと笑う。
だが、なぜか私の言葉にトモがとても驚いた顔のまま硬直している。その顔に少し気分がよくなった私はふふんと笑って、「いっぱいしようね」と、脚の間にいるトモの頬を両手で包んだ。
ふふん、勝ったわ。
「……ですが、僕はまだシャワーを浴びていませんし」
「あら、それは私も一緒よ。それでもトモは気にしないんでしょ? なら、私も気にしないわ」
ニッコリと笑うと、トモは小さく息をついて私の顔を覗き込んでくる。
「もしかすると、実は結構酔っていますか?」
「……」
それを聞くのは無粋というものなのよ。
「ほろ酔いでいい気分なの。だから、今日は上に乗るし舐めるの。トモは今日は邪魔しちゃダメなの」
えいっと全体重をかけてトモに抱きつく。が、彼は倒れてくれなかった。そんな彼に唇を尖らせる。
「ほら、早く寝て。上に乗るから!」
バンバンと枕を叩くと、トモが観念したように寝転んだ。思い通りになったことが嬉しくて、意気揚々と彼にお尻を向けた体勢で上に乗る。
不思議だ。普段なら絶対に恥ずかしくて、こんな体勢なんてできないのに、今日は全然恥ずかしくないんだもの。
今日の私、無敵かも。
ふふふと心の中でほくそ笑みながら、彼のスラックスから熱り勃ったものを取り出す。それは火傷しそうなくらい熱くて私の手の中でびくびくと脈打っていた。
わぁ、とても凶悪で大きい……!
「こんなのがいつも入っているなんて人体の神秘ね。すごい……」
「花梨奈さん……」
まじまじと見つめていると、トモから呆れた声がした。
今日はいつもとは違い、最後のローマだからかお酒を少しだけ飲ませてもらえたので、いい感じにほろ酔いで気分がいい。
うふふ、今日は私が襲っちゃおうかしら。
お酒のせいで気が大きくなっているせいか、悪戯心が芽生えた私は、トモに全体重をかけて力いっぱい両手で押した。不意をつかれバランスを崩してよろけた彼が、ソファーの上に倒れたのをいいことに、えいっとお腹の上に飛び乗る。
「花梨奈さん? 酔っているんですか?」
「そうね……。どうかしら? でも、今日はいい気分だから上に乗っちゃいたい気分かも」
悪戯っぽく笑うと、トモが小さく目を見開く。彼は驚いているかもしれないけど、私は意表がつけてとても嬉しい。
トモの上に乗りながら、何度も彼の頬にキスをすると、彼の唇が弧を描いた。
「へぇ。あのくらいのお酒の量だと、こんなにも積極的になってくれるんですね」
「積極的な私は嫌?」
シャツの上から逞しい胸板をつーっと指でなぞりながら問いかけると、彼は「まさか」と言って私にキスをしてくれる。
ゆっくりと触れるだけのキスを何度も繰り返す。激しさはないけど、妙にドキドキした。そして、そのまま跨っている腰を少しずらして彼のベルトを緩めた。
「すごい……もう熱くなってる」
「そりゃ、こんなに可愛い迫られ方をすれば勃ってしまいますよ。花梨奈さん、ベッドに行きますか?」
苦笑している彼に小さく頷くと抱き上げてくれる。こつんと額を合わせると、下唇を吸われた。
お互いの心臓の鼓動を感じながら、トモの首に手を回すと、彼がゆっくりと歩き出した。リビングからベッドルームへ移動し、優しくベッドにおろしてくれる。
「愛しています、花梨奈さん」
「ん……私も……」
返事をしたのと同時にベッドが軋んで、トモがゆっくりと覆い被さってくる。私の太ももを撫で上げながら、スカートの中に手が入ってきた。
「トモ、待って。今日は私がするの……」
「ええ、構いませんよ」
いいと言ってくれているのに、トモの手は不埒な動きで私の太ももを撫でている。まったく譲ってくれる気がないその手に負けん気が湧いてきた。
負けないんだから……
自らトモにキスをし、彼の口の中に舌を入れて吸った。くちゅくちゅと唾液を交わしながら、彼の舌に自分の舌を懸命に絡めていると、トモは太ももを撫でていた手を背中にまわしてワンピースのファスナーをおろそうとした。なので、少し体を浮かせると、一気にファスナーがおろされる。
「花梨奈さん、キスが上手くなりましたね。最初のころとは大違いです」
「う、うるさいわね。今日は大人しく私に食べられていればいいのよ。トモは大人しくしていて」
あのころはトモから逃げようとしていたし、それにすべてが初めて尽くしだったから……。だけど今は彼に色々と教え込まされた気がする。
今日はその成果を発揮して、トモを翻弄してやるのよ、私は。
「花梨奈さん、いいですね。とてもいいです。こんな感じになってくれるならお酒も大歓迎ですよ」
メラメラと闘志を燃やしている私に、トモは楽しそうに笑ったあと唇を合わせてきた。口内に入ってきた彼の舌が這い回る。さっき自分がトモにしていたキスとは全然違う官能を呼び起こすようなキスだった。
気持ちいい……
「ん……んぅ、ふぁっ」
トモの舌が上顎をなぞると体がびくんと跳ねて、力が抜けそうになる。負けじと彼の舌を吸おうと舌を伸ばしても、彼の舌が私の舌を捉え吸い上げる。
「んんぅ!」
「可愛い」
体が大きく跳ねてしまうと、唇を合わせたまま囁かれる。そしてトモはキスをしながら、私のワンピースを脱がせていった。
舌のつけ根をなぞりながら、私の腰に手を這わせる彼の手を掴む。
おかしい。これじゃ、いつもと一緒だ。
今日は私が襲う日なのに。
「トモのばかっ! 今日は私がするって言ってるでしょ」
むっとして軽く上体を起こし、そう言いながら彼を睨みつけると、トモが大きく脚を開かせてきた。
え? ちょっ、ちょっと、だから今日は私がするって言ってるのに……
話が違うと、脚をバタつかせてもびくともしない。それどころか彼はショーツの上から頬擦りをしてきた。
「ばかぁ、今日は私がするのっ! トモはあとで!」
「少し酔っているせいか、肌がほんのりと色づいて体温も少し高めで、とても色っぽいですよ。こんな色っぽい花梨奈さんを舐めずにはいられません。舐めてもいいですか?」
「……バカ。うーん。そうね。じゃあ、舐めっこしよう」
「はい?」
いいことを思いついたとヘラヘラと笑う。
だが、なぜか私の言葉にトモがとても驚いた顔のまま硬直している。その顔に少し気分がよくなった私はふふんと笑って、「いっぱいしようね」と、脚の間にいるトモの頬を両手で包んだ。
ふふん、勝ったわ。
「……ですが、僕はまだシャワーを浴びていませんし」
「あら、それは私も一緒よ。それでもトモは気にしないんでしょ? なら、私も気にしないわ」
ニッコリと笑うと、トモは小さく息をついて私の顔を覗き込んでくる。
「もしかすると、実は結構酔っていますか?」
「……」
それを聞くのは無粋というものなのよ。
「ほろ酔いでいい気分なの。だから、今日は上に乗るし舐めるの。トモは今日は邪魔しちゃダメなの」
えいっと全体重をかけてトモに抱きつく。が、彼は倒れてくれなかった。そんな彼に唇を尖らせる。
「ほら、早く寝て。上に乗るから!」
バンバンと枕を叩くと、トモが観念したように寝転んだ。思い通りになったことが嬉しくて、意気揚々と彼にお尻を向けた体勢で上に乗る。
不思議だ。普段なら絶対に恥ずかしくて、こんな体勢なんてできないのに、今日は全然恥ずかしくないんだもの。
今日の私、無敵かも。
ふふふと心の中でほくそ笑みながら、彼のスラックスから熱り勃ったものを取り出す。それは火傷しそうなくらい熱くて私の手の中でびくびくと脈打っていた。
わぁ、とても凶悪で大きい……!
「こんなのがいつも入っているなんて人体の神秘ね。すごい……」
「花梨奈さん……」
まじまじと見つめていると、トモから呆れた声がした。
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