シンデレラの娘たち

daisysacky

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プロローグ

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「ママって、いつからやっているの?」
 礼実お姉さんに聞くと
「ユウちゃん、それはね、ママが18歳の時だったわ」
にこやかにそう言う。
「あれはねぇ~シンデレラの人形劇をする時に、ママが突然、やって来たのよ」
奥の方から、メグミさんが出て来る。
「へぇ~18?」
それって、パパに出会った時なの?

 ママは柚には、過去の話をあまりしてくれない。
オバサンたちも…ママの過去のことは、あまりよく知らない、と言っていた。
「だってママは…本物のお姫様みたいに、本当にきれいだったのよ。
 まるでそう…シンデレラみたいに!」
礼実お姉さんがそう言うと、懐かしそうに目を細める。
「ねぇ~シンデレラのお話は、してあげたよね?」と聞く。
 ママが毎晩のように、読んでくれた。
柚が小さい時から、このお話が大好きだったのだ。
なぜか、と聞かれても、その理由はわからない。
ママのしてくれるお話が、一番好きだったのだ。
そして、小さい頃から思っていた。
(この絵本のお姫様は、ママに似ている)
 そんなことを言ったら、きっとママに笑われてしまうけれど…
だけど柚は知っている。
ママには、秘密がある…と。
聞いたところで、きっと教えてくれない、と思うけれど…
絶対にそうだ、という自信がある。

「ねぇ、ママって、どこから来たの?」
 ママがある日、フラッとパパの前に現れたんだよ、とパパから聞いた。
「さぁ?私には、どこかはわからないわ」
礼実お姉さんも、メグミさんも、ママと仲良しのカスミさんも、
口を揃えてそう言う。
ママって、どんな子供だったのだろう?
お友達は?
そう思うけれど…
「さぁ?ママに、聞いてみたら?」
礼実お姉さんは、笑って答えてはくれない。

 だから、柚は思うのだ。
いつかきっと…見つけるんだ!と。
ママの宝物の場所は、知っている。
寝室のクローゼットの中だ。
絶対に、柚には触らせてはくれないけれど。
「ママって、もしかして…
 本当に、お姫様だったのかもしれない」
柚はそう信じていた。
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