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第3章 夢のカケラ
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「どうだった?」
自分のベッドに戻った柚に、いきなり背後から声がかかる。
「だれ?」
まさか、ドロボー?
思わず柚が、声を上げると
「しぃ~気付かれる!」
その人は、柚に向かって、指を1本立てた。
(えっ、なんで?)
暗がりに、透かして見ると…
ベッドの側に立っているのは、自称魔法使いのおばあさんだった。
「どうやって、ここに入って来たの?」
さすがに両親に見つかったらいけないので、大きな声は出せないけれど、
それでも柚は、目一杯強い口調で、文句を言う。
「どうやってって…普通に、窓から?」
涼しい顔をしてそう言うと、ニヤッと笑う。
「え~っ?」
それって、ますます本当のドロボーみたい!
柚は思わず、眉をキュッとしかめる。
だが…そんなことには、おかまいなしで、魔法使いは窓枠にストンと
腰を下ろすと、
「私も、歳だからねぇ」
そう言い訳をしながら、杖を左手に持ち替える。
「で、ママはどうだった?」
まるで柚が…さっき母親のことを、見てきたのを知っている…という
ような口調で聞いてくる。
「そんなに気になるなら、自分で見てくればいいんじゃないの」
ややイラっとした口調で、そう言う。
なんでこの人、人の家に勝手に入り込んでいるのだろう?
しかも、なんでこの部屋に?
新手の詐欺師なのだろうか?
(もっとも柚はまだ幼い子供なので、サギシという言葉の意味を、
よく知らないけれども)
ふいに怖くなり、パパを呼ぼうか…と、ソワソワし始める。
「怖がらなくても、大丈夫よ!
私はお母さんの古くからの知り合いだから」
魔法使いがそう言うけれど、それはそれで、余計に怪しい。
(それに…なんで、この家のこと、知っているの?
まさか…ユウのことを、つけてたの?)
柚はギュッと、布団を握り締めた。
自分のベッドに戻った柚に、いきなり背後から声がかかる。
「だれ?」
まさか、ドロボー?
思わず柚が、声を上げると
「しぃ~気付かれる!」
その人は、柚に向かって、指を1本立てた。
(えっ、なんで?)
暗がりに、透かして見ると…
ベッドの側に立っているのは、自称魔法使いのおばあさんだった。
「どうやって、ここに入って来たの?」
さすがに両親に見つかったらいけないので、大きな声は出せないけれど、
それでも柚は、目一杯強い口調で、文句を言う。
「どうやってって…普通に、窓から?」
涼しい顔をしてそう言うと、ニヤッと笑う。
「え~っ?」
それって、ますます本当のドロボーみたい!
柚は思わず、眉をキュッとしかめる。
だが…そんなことには、おかまいなしで、魔法使いは窓枠にストンと
腰を下ろすと、
「私も、歳だからねぇ」
そう言い訳をしながら、杖を左手に持ち替える。
「で、ママはどうだった?」
まるで柚が…さっき母親のことを、見てきたのを知っている…という
ような口調で聞いてくる。
「そんなに気になるなら、自分で見てくればいいんじゃないの」
ややイラっとした口調で、そう言う。
なんでこの人、人の家に勝手に入り込んでいるのだろう?
しかも、なんでこの部屋に?
新手の詐欺師なのだろうか?
(もっとも柚はまだ幼い子供なので、サギシという言葉の意味を、
よく知らないけれども)
ふいに怖くなり、パパを呼ぼうか…と、ソワソワし始める。
「怖がらなくても、大丈夫よ!
私はお母さんの古くからの知り合いだから」
魔法使いがそう言うけれど、それはそれで、余計に怪しい。
(それに…なんで、この家のこと、知っているの?
まさか…ユウのことを、つけてたの?)
柚はギュッと、布団を握り締めた。
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