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恋ってウソだろ?! 78
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「くだらないジョークは置いといて、お前がそんなに一生懸命になってるんだ、彼女に伝わらないわけないだろ?」
良太はらしくもなくヤケクソな言葉を羅列する沢村を取り合わない。
「……てめ、いい加減なこと言いやがって、これでいい厄介払いができるとか思ってるんだろ? そうはいかねぇからな。そのうちお前も工藤のオヤジに放り出されたら、俺が拾ってやらなきゃならねぇんだ。ちゃんとわかってるから、安心しろ!」
ハハハと笑う沢村を怪訝な顔で良太は見つめた。
「だぁから、そんなこと考えなくていい!」
「お前を好きなのは変わりはないんだ。……けど、あの人は、ひどく…滅茶苦茶……好きで……」
佐々木ならわかってくれるような気がした、なんてやっぱり勝手な思い込みだったのか。
「だったらこんなとこで飲んだくれて俺なんか呼び出すより、何で彼女のとこへ行かないんだ?」
「……彼女なんかじゃないって……」
その時、良太の携帯が鳴った。
「あ、ヤギさん、すみません、……え? ええ、それはやっぱそっちの方で進めた方がいいかと……」
相手は下柳のようだ。
「………だから、俺の話なんか聞こうともしてくれねぇんだよ、佐々木さん……」
「…え? 何て言った? 今? あ、いえ、こっちの話で、え、はい、それは……」
良太はボソリと口にした沢村の言葉が気になったらしく、話しながら沢村を見た。
「悪かったな、仕事中、呼び出して。もういいから、行けよ」
沢村は携帯でまだ話している良太を立ち上がらせ、そのままドアへ良太を引っ張っていく。
「……おい、ちょ、待てよ、あ、一旦切ります!」
良太はドアまできて携帯を切ると、真剣な眼差しで沢村を見上げた。
「お前……」
「いいから、行けって」
「お前こそ明日、ちゃんとトークショー行けよ?」
沢村に何が起きたのかを何となく悟ったらしい良太は釘を刺す。
「わかってる」
「話はまた今度聞くから」
「いいって……」
「……よくない! また連絡する」
ひどく心配そうな顔で、良太は言い切った。
「ああ……わかった」
良太を部屋から追い出すようにドアを閉めると、沢村はドアに凭れてずるずると座り込んだ。
「ざまぁねぇな………ったくよ!!!!」
髪をかきむしり、沢村は呻いた。
「……良太にまで、あんな顔させて………」
しばらくそうやって目を閉じていたが、ようやくかなりな自己嫌悪とともに、沢村は立ち上がってベッドにダイブした。
良太はらしくもなくヤケクソな言葉を羅列する沢村を取り合わない。
「……てめ、いい加減なこと言いやがって、これでいい厄介払いができるとか思ってるんだろ? そうはいかねぇからな。そのうちお前も工藤のオヤジに放り出されたら、俺が拾ってやらなきゃならねぇんだ。ちゃんとわかってるから、安心しろ!」
ハハハと笑う沢村を怪訝な顔で良太は見つめた。
「だぁから、そんなこと考えなくていい!」
「お前を好きなのは変わりはないんだ。……けど、あの人は、ひどく…滅茶苦茶……好きで……」
佐々木ならわかってくれるような気がした、なんてやっぱり勝手な思い込みだったのか。
「だったらこんなとこで飲んだくれて俺なんか呼び出すより、何で彼女のとこへ行かないんだ?」
「……彼女なんかじゃないって……」
その時、良太の携帯が鳴った。
「あ、ヤギさん、すみません、……え? ええ、それはやっぱそっちの方で進めた方がいいかと……」
相手は下柳のようだ。
「………だから、俺の話なんか聞こうともしてくれねぇんだよ、佐々木さん……」
「…え? 何て言った? 今? あ、いえ、こっちの話で、え、はい、それは……」
良太はボソリと口にした沢村の言葉が気になったらしく、話しながら沢村を見た。
「悪かったな、仕事中、呼び出して。もういいから、行けよ」
沢村は携帯でまだ話している良太を立ち上がらせ、そのままドアへ良太を引っ張っていく。
「……おい、ちょ、待てよ、あ、一旦切ります!」
良太はドアまできて携帯を切ると、真剣な眼差しで沢村を見上げた。
「お前……」
「いいから、行けって」
「お前こそ明日、ちゃんとトークショー行けよ?」
沢村に何が起きたのかを何となく悟ったらしい良太は釘を刺す。
「わかってる」
「話はまた今度聞くから」
「いいって……」
「……よくない! また連絡する」
ひどく心配そうな顔で、良太は言い切った。
「ああ……わかった」
良太を部屋から追い出すようにドアを閉めると、沢村はドアに凭れてずるずると座り込んだ。
「ざまぁねぇな………ったくよ!!!!」
髪をかきむしり、沢村は呻いた。
「……良太にまで、あんな顔させて………」
しばらくそうやって目を閉じていたが、ようやくかなりな自己嫌悪とともに、沢村は立ち上がってベッドにダイブした。
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