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別れと再会
ジュビエールとの合流
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フェリスが出てきたのは、控室の奥に掛けられた壁掛けの裏。そこには人が一人通れるような穴が開いていた。
「そのような所に!」
「アイシュタルト様、姫さまはご無事でしょうか?」
「はい。無事にカミュート国の、私が信頼を置く者の家へとお連れしました。」
「ありがとうございます!それだけ聞ければ、もう十分です。」
「何を仰るのですか。フェリス様にお尋ねしたいことがあります。私に力を貸してください。」
「私の力ですか?どのようなことでしょう?」
「私はこれから、リーベガルドを探しに行きます。これだけ兵士たちが探しても見つからぬということは、リーベガルドもフェリス様のように隠れているのではと考えております。」
「下働きの通路にですか?」
「はい。その中は一体、どうなっているのでしょうか。」
これまで通ったことはおろか、見たこともないような通路である。フェリスの言葉に頼るしかない。
「この通路は、食堂や広間に繋がっていますが、多分王族の住居に繋がる通路は、別に作られていると思います。」
「このようなものはシャーノの城にもあるのでしょうか?」
「もちろんです。騎士の方々は常に堂々とされるのもお勤めですから、このような通路はご存知ありませんね。ただ、わたくしもここではこの部屋からほとんど出ておりません。通路の詳しい道は存じ上げません。」
「通路の入り口はこのような場所にあるものですか?」
「えぇ。壁掛けの裏が多いでしょうか。控室にあることがほとんどだと思います。」
「この中は、人が隠れていられる空間があるのですか?」
「隠し部屋のように作られていればあるかと思います。シャーノの王の部屋に続く通路の中ほどには作られておりますよ。」
「フェリス様!本当にありがとうございます。必ず、リーベガルドを討って参ります。」
「討つ……えぇ!ぜひ!よろしく、お願いいたします。」
フェリスの思いが痛いほどわかる。リーベガルドが憎くてたまらないのは、彼女も同じだ。
客室を出ると、城の反対側、王族の居住区域へと足を進める。
「アイシュタルト!其方、どこにいた!」
私の前方から、こちらに向かってきたのはジュビエールだ。ついに見つかってしまった。
「ジュビエール、王は見つかったか?!」
「いや、まだ……それにしても其方、私の名前をそこら中で使っておらぬか?」
「そこら中?大した回数ではないが。」
「使ったのか!なんてことをしてくれたんだ!」
「其方のマントを借りておるのだ、仕方ないだろう。そんなことよりも、王を探しに行く。」
「王?!興味ないと申したではないか!」
「興味が出た。必ず捕らえる。私にやらせてくれ。」
私の内から漏れ出した殺気に、ジュビエールが怯む。
「こ、殺してくれるなよ。生かして捕らえよとの命令だ。」
「チッ。手元が狂ってしまったらすまない。先に詫びる。」
「おい!狂わせるな!」
「王の居住区域はどこだ?」
「それはこの上だが……もう散々探したぞ。」
「ならば、其方達は別の場所を探せ。私はそこへ行く。」
「私も行く!」
「全員で行っても無駄足かもしれない。」
「それもそうか……おい!お前達は別の隊へ合流させてもらえ!」
ジュビエールが自分の部下達にそう声をかけた。何と無茶な。
「其方も一緒に行ったらどうだ?」
「いや、こっちの方が楽しそうだからな。」
ジュビエールが嫌な笑顔を作る。
ジュビエールがあの強さで第二陣の理由は、こういう所か。
「はぁ。ついてくるのはいいが、邪魔はしてくれるなよ。」
「もちろん。王を捕らえられればそれで良い。」
王の部屋にあるかもしれない隠し通路。まずはその入り口を探すしかない。
フェリスが言うように、控室の壁掛けの裏か。片っ端から見てみれば良い。
私はジュビエールと共に、王の部屋へ向かって歩き出した。
「そのような所に!」
「アイシュタルト様、姫さまはご無事でしょうか?」
「はい。無事にカミュート国の、私が信頼を置く者の家へとお連れしました。」
「ありがとうございます!それだけ聞ければ、もう十分です。」
「何を仰るのですか。フェリス様にお尋ねしたいことがあります。私に力を貸してください。」
「私の力ですか?どのようなことでしょう?」
「私はこれから、リーベガルドを探しに行きます。これだけ兵士たちが探しても見つからぬということは、リーベガルドもフェリス様のように隠れているのではと考えております。」
「下働きの通路にですか?」
「はい。その中は一体、どうなっているのでしょうか。」
これまで通ったことはおろか、見たこともないような通路である。フェリスの言葉に頼るしかない。
「この通路は、食堂や広間に繋がっていますが、多分王族の住居に繋がる通路は、別に作られていると思います。」
「このようなものはシャーノの城にもあるのでしょうか?」
「もちろんです。騎士の方々は常に堂々とされるのもお勤めですから、このような通路はご存知ありませんね。ただ、わたくしもここではこの部屋からほとんど出ておりません。通路の詳しい道は存じ上げません。」
「通路の入り口はこのような場所にあるものですか?」
「えぇ。壁掛けの裏が多いでしょうか。控室にあることがほとんどだと思います。」
「この中は、人が隠れていられる空間があるのですか?」
「隠し部屋のように作られていればあるかと思います。シャーノの王の部屋に続く通路の中ほどには作られておりますよ。」
「フェリス様!本当にありがとうございます。必ず、リーベガルドを討って参ります。」
「討つ……えぇ!ぜひ!よろしく、お願いいたします。」
フェリスの思いが痛いほどわかる。リーベガルドが憎くてたまらないのは、彼女も同じだ。
客室を出ると、城の反対側、王族の居住区域へと足を進める。
「アイシュタルト!其方、どこにいた!」
私の前方から、こちらに向かってきたのはジュビエールだ。ついに見つかってしまった。
「ジュビエール、王は見つかったか?!」
「いや、まだ……それにしても其方、私の名前をそこら中で使っておらぬか?」
「そこら中?大した回数ではないが。」
「使ったのか!なんてことをしてくれたんだ!」
「其方のマントを借りておるのだ、仕方ないだろう。そんなことよりも、王を探しに行く。」
「王?!興味ないと申したではないか!」
「興味が出た。必ず捕らえる。私にやらせてくれ。」
私の内から漏れ出した殺気に、ジュビエールが怯む。
「こ、殺してくれるなよ。生かして捕らえよとの命令だ。」
「チッ。手元が狂ってしまったらすまない。先に詫びる。」
「おい!狂わせるな!」
「王の居住区域はどこだ?」
「それはこの上だが……もう散々探したぞ。」
「ならば、其方達は別の場所を探せ。私はそこへ行く。」
「私も行く!」
「全員で行っても無駄足かもしれない。」
「それもそうか……おい!お前達は別の隊へ合流させてもらえ!」
ジュビエールが自分の部下達にそう声をかけた。何と無茶な。
「其方も一緒に行ったらどうだ?」
「いや、こっちの方が楽しそうだからな。」
ジュビエールが嫌な笑顔を作る。
ジュビエールがあの強さで第二陣の理由は、こういう所か。
「はぁ。ついてくるのはいいが、邪魔はしてくれるなよ。」
「もちろん。王を捕らえられればそれで良い。」
王の部屋にあるかもしれない隠し通路。まずはその入り口を探すしかない。
フェリスが言うように、控室の壁掛けの裏か。片っ端から見てみれば良い。
私はジュビエールと共に、王の部屋へ向かって歩き出した。
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