婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

そして日々は流れて……って一週間だけどね! 2

無言で兵舎を目指し到着した練習場の片隅で褌一丁で組み手をしている一団が目に入りましたが無視します。

「ドワーフの長よ、剣帯は?」

ドスドスというイメージとは違いトコトコとやって来た長はニュッと剣帯を差し出した。割と太めのベルトなのだけど、カラフルな刺繍が施されていた。……革に刺繍とか、素敵な仕上がり……

「女達が皆で刺したんだ。良い出来じゃろ!」

自慢気に胸張って言いましたよ……様々な花に葉、蔓にブドウの房とかがバランス良く刺繍されてるから自慢するのは分かる!腰に剣帯を付けて太刀を剣帯に装着させる。うん、重さをやっぱり感じない。何でだろう?今まで使ってた剣に比べても軽い。

「長よ……何故に、この太刀は重さを感じないのだろう?」

ガハハ!と馬鹿笑いした長は妙にキラキラと瞳を輝かせた。

「希少な鉱物を使った!新しい酒に巡り合わせてくれた礼だ!」

……希少……だと?聞いたらいけない!聞けば負けた気になる気がする!ヨシ!スルーだ!

「長よ、ありがとう。」

礼を述べて、スタスタと人のいない場所へと歩いて行く。
スゥ……と息を整え、心から迷いを……雑念を消す。

太刀の柄に手を掛けると、静寂の中チ……と鈴のような音が聞こえた。

一気に引き抜くとシャラララ……と美しい音が聞こえた。
引き抜いた勢いのまま、太刀を振るい鞘に戻す。

チィン……と余韻を残す音に心が震える。素晴らしいの一言しか出ない。
振っている間、その刀身の美しさや煌めきに目が奪われそうになった。

「おおお……なんと美しい……」

……長よ……作っておいて、その発言は如何なものよ……まぁ、良い。

「素晴らしい太刀をありがとう。どれ程の大型であろうと一刀両断出来そうで、大変心強い。」

ドワーフの長はプルプルと震えながら太刀を見ていた。うん、目がヤバそう。

「この太刀という奴は片刃だし、大した剣にはならんだろうと思ってた……じゃが、今のを見て間違いだったと……この太刀は斬る事に特化しとるんだな!儂はこの太刀を作れて良かった!」

「そう。じゃあ、集落に行ってお礼のお酒を出さないとね!」

パアァァァァァ!と見た事ないような笑顔で瞳キラッキラさせたドワーフの長(ヒゲモジャのミニマムお爺ちゃん)が子供のようにスキップし出しました。小さく「お酒♪お酒♪」とリズムを刻んでました。
そんなドワーフの長を生暖かい目で見てました、私とアニスとエルフの長の奥方で。
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