婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

サテュロスゲットの旅 90

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さて、帰路です!
サテュロス達は馬車に分乗し、アニスとミナの乗ってる馬車の後ろについてます。
テイムメンバーとノエル&ルチルは移動中は島送りです。(チョロギーとクワイは野営地に着いてから、出発準備まで島送りです。)
私とルークは並んでアニス達の馬車の前が定位置です。(私の専属護衛騎士団は私達とサテュロス達の周りをグルリと囲んでます。)
全員が騎乗&馬車(荷馬車含む)なので移動速度は速めです。
既に大街道に入り順調です!嬉しい!
ってあら?隊列が止まりました。どうしたんでしょう?
マップで確認です。……ん?隊列の前に行商隊かな?結構人がいるようで、動いてます。

「どうした?何か分かるか?」

ルークがクワイを寄せて来ました。ルークのマップでは詳細情報は貰えないらしく、前方に人間がいる事位しか分からない。私のマップはかなり詳細情報出るんだけど多すぎて逆に邪魔になる事もあるので調節してる。

「先頭に行商隊か何かいるみたいでわちゃわちゃしてる……ってこっち来るのかな?」

トールお兄様が誘導してる……

「前から来たな。って護衛が女?」

「……あの馬の大きさ……シルヴァニアの馬よ。」

「だな。」

シルヴァニア産の馬に乗っている女性騎士?全員が?

「エリーゼ、もしかしたらシルヴァニアの者達かも知れない。だったら彼女達は強い。」

……そうか、お母様やその専属侍女。アニスもシルヴァニアで訓練なり何なり受けてるんだ。普通の女性とは違う。

「……分かった。行商隊では無いのかも。」

三台の馬車と一台の荷馬車、そして六人の女性騎士がトールお兄様に連れられて此方に来る。
私達の前でトールお兄様は止まる。

「エリーゼ。此方の一行は母上の元に行く方々だ。馬車も荷馬車も頑丈で隊列の速度についてこれると判断した。目的地が一緒の上、ついてこれるならばと隊列加わって貰い一緒に行く事にした。隊列の位置はアニスの乗る馬車の後ろについて貰う。」

お母様のお客様?それなら同道した方が都合が良いと判断なさったのね。

「分かりました。」

馬車の窓からも荷馬車や馬車の御者からも視線を感じるけど、それよりも女性騎士の人達の視線の方が遙かに強くてストレートで何事かと思う。
男ばかりの隊列で私一人が騎乗してるから悪目立ちするのかしら?
前方がゆるゆると動いてアニス達の乗る馬車まで動く。チラッと見るとトールお兄様がハンドサインでアニス達の後ろの馬車を止めてました。
ゆっくりとした動きで隊列は進み、お母様のお客様?達の馬車と荷馬車が隊列に加わり女性騎士は各馬車の両横に一人ずつついて行くようだ。
その様子を見たトールお兄様は一つ頷いて先頭へと戻って行った。
マップでトールお兄様が先頭に戻ると隊列のスピードは元に戻り隊列は進んで行く。
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