婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

サテュロスゲットの旅 111

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空いてる台の上にドカドカと置かれるアンコの鍋。

「こちら全て出来上がりました!」

ナイスタイミング!アイスクリーム作りも完了しました!
チーズ入りアイスクリームの味見してなかった!慌てて走って行く。

「ゴメン!チーズが入ってるのってどっち?」

色で分かるけど、一応聞いておく。
台の左右に分かれてるので「こちらです。」の声がした方に行き木べらに少し取って貰い手に落として貰う。
パクッと口に入れペロリと手のひらを舐めてしまう。
口の中、体温でトロトロと溶けていく濃厚なアイスクリーム……もう一方のバニラアイスの味とはちょっと違う濃厚さ!これは好みが分かれるかも!おかわりしちゃうかも!

「美味しい!これは夏になったら沢山食べちゃうかも!」

台のセンターが空いてるのでスープ皿を山盛り出してスプーンも出す。
フルーツを頼んだ台は粗方終わったみたいで、テーブルの上は色とりどりでそれだけでも楽しいのだけど食べやすくなってるのも嬉しいんだと思う。
こっちは丸のまんま出してるものね。
皮が剥かれて一口大とか親切だもの。
チラッと見たお母様のソワソワ感がパナイです。
うん、お母様が一番じゃないとね。
ジム達はアンコの鍋を置いたら、クッキーのお皿を取りに行きました。
クッキーはあちこちにあるテーブルに置いて貰えば良いかな?って思ってます。

「じゃあ甘味を食べるようにしましょうか。」

「そうですな、奥様が今か今かとこちらを見てますからな。」

料理長の言葉にちょっとだけ苦笑いになってしまう。
お母様を見つめてニコリと笑うとお母様はニコニコと笑顔で私に近付いて来る。

「ねぇ、エリーゼ。そろそろなのかしら?」

お母様の手を取り、アイスクリームの台へとエスコートする。

「お母様、まずはここで器を手に。」

キョトンと私を見て来ましたがスルーです。サッと器をお母様の片手に握らせ、片手にスプーンを握って貰う。

「そして、ここでアイスクリームを器に盛って貰います。まずは普通の物を。もう一種類ありますが、そちらの方が濃厚ですので最初はこちらをおすすめします。」

「あら?初めて見るわ。甘くて良い香りね。」

バニラの香りは気に入って貰えたようです。

「で、盛って貰えたのであちらのアンコを乗せて貰います。今回は余り固くない柔らかめなので食べやすいと思います。」

お母様と一緒にアンコの鍋へと近付くと、料理人がお玉を持って待っていました。

「さ、お母様。お好きなだけ入れて貰いましょう。」

「そうね……でも、余り沢山じゃなくて良いわ。」

お玉一杯分入れて貰う。

「最後にあちらの果物をお好きなだけ乗せて、一緒に食べるんです。」

そう言ってテーブルに一緒に歩いて行く。
キラキラと瞳を輝かせたお母様がちょっと困り顔です。

「どれが良いか迷うわ。エリーゼは何が良いと思う?」

アンコと合う物か……大抵合うと思うけど……

「まずはイチゴですね。ブドウもブルーベリーもミカンも合いますし、栗の甘露煮も合うと思います。気になるなら少しずつ全種類乗せるのも有りだと思いますけど。」

パァッ!と輝く笑顔になりました。

「では少しずつ全種類乗せて楽しんでみるわ!ありがとうエリーゼ、初めての甘味とても楽しみだわ!」

嬉しそうですね、でも私はそんなお母様が見たくてコレにしたんです。
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