婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

サテュロスゲットの旅 120

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ルーク達と分かれて私とアニス、うちのカワイコちゃん達で自室へと入る。

「今日までお疲れ様でした!今から湯浴みの準備致しますね!」

そう言って浴室へと消えたアニスを見送って、カワイコちゃん達を見つめる。

「皆も疲れてると思うけど、今日は島に行ってて欲しい。」

「わかったにゃ!」

「かまわないにゃ!」

タマとトラジの言葉に皆がウンウンと頷いてくれた。

「じゃあ、あっちでゆっくり休んでね。」

そう言って島に送った。アニスと二人っきりで話しをしなければならない。

「お待たせ致しました!ってタマちゃん達は……」

「島送りにした。アニス、一緒に入るよ。」

「はっ……はい。」

アニスと久しぶりに一緒に湯浴みです。
パチャリ……と大きくて深い浴槽に二人で浸かる。隣に来たアニスを引っ張って体育座りになって、抱き込む。
アニスの肩に顎を乗せる。

「ねぇ、アニス。さっきのは何なの?話して。」

ピクリとアニスの頬が引き攣った。

「あの……あの女性達はシルヴァニアの里の人達です。……エリーゼ様は奥様……フェリシア様の一人娘です……フェリシア様の母君は里で婆様と呼ばれる高位の方。婆様の母君もご存命で大婆様と呼ばれ、里長様達の次に高位な方です。それ故、その力を継いでおられるだろうエリーゼ様に近付きたいと……お側についている私の事も面白くないのだと……不相応だと……」

途切れ途切れに答えるアニスを背中から抱き締める。

「分かった。死ぬまで側に置くと決めたアニスをそんな風に言うなんて、ちょっと許せないなぁ……ろくろく知らない女性達に言われるとか腹立たしいね。」

アニスの細い首筋に優しくキスをする。

「気にしなくて良いよ。私の侍女はアニスだけで十分だから。」

ヂゥ……
とアニスの仄かに染まって来た肩口を強く吸ってペロリと舐める。

「のぼせちゃうね。出よっか。」

「はい。」

浴槽から出て簡単なドレスを着付ける。
簡単な片付けを済まして出て来たアニスは驚いた顔で私を見た。失礼だな、私だってドレスを着る事位あるのにね。

「エリーゼ様……どうして?」

「ん。ちょっと島で散歩でもしようかと思って。」

嬉しそうに抱き付いて来たアニスをそのまま抱き締めて島へと行った。
目的地は南国エリア。夜の白い砂浜を散歩したかった。


夜の月明かりの中、白い砂浜をアニスと二人手を繋いでゆっくりと歩く。
皆には内緒にしといて貰った。
帰ったら二人で一緒に寝ようと約束して、二人裸で抱き締め合って寝た。(抱き合ってでは無い。念のため。)

これで私達のサテュロスゲットの旅は終わった。
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