婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

年越し準備! 4

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とりあえず畑に行こう。そうしよう。
邸の中では走りません!常に早歩きです!競歩みたいにならないよう、足取りには要注意!なのです。おっと、いけない!執事長発見! 

「おはよう。」

「おはようございます、エリーゼ様。」

彼の名前はハインツ。何となく美味しそう名前です。お父様と同い年でお父様の側近候補だった方でイケオジです。

「アニスに伝えておいて、私宛の手紙の選別をやっておくようにって。今から畑に行って来るから。」

「畏まりました。その格好ではお寒いのでは?」

……寒いけど……どうするかな?

「一度お部屋に戻り外套かマントを羽織る事をお勧めしめすが。」

グリーンリバーな声で言われるとはいと答えるしかない。結構私は良い声には弱いのこも知れない……イケボ多過ぎな世界……ある意味天国。

「分かったわ、ちょっと何か羽織ってから行って来るわ。」

「はい。ではアニス嬢には伝えて参ります。」

……何で足音立てずに歩けるかな?スキルかね?どうなってるのか聞いてみたい。とにかく自室に行かないと。
廊下にはメイド達や男性使用人とすれ違う事はあっても、ルークやお父様にはすれ違いませんでした。キャスバルお兄様やトールお兄様は住んでる建物自体別個になったので、余程の事がなければすれ違うなんて事はありません。ヘタすればあちらの建物で食事をとる事すら可能なのです。(なのにわざわざ本館のこちらで食事をとるんです。)
自室に入るとメイドさん達がメッチャ掃除とかしてました!

「そのまま仕事してて、外に出る為の外套かマントを取りに来ただけだから。」

そう一言告げたのだけど、何故かキャアキャア言ってます。良く聞けば「エリーゼ様素敵♡」だの「エリーゼ様格好いい♡」とかです。
さしずめ女子校トークのようです。
放っておきます。
衣装部屋に入り、マントと外套を見ます……マントの方が良さそうだなぁ……
外套って言うかコートだよね、コレ。男性用に仕立てあるけど、マントの方が良い予感ですよ。それに首周りにファーが付いててあったかそうです!
暗い色より明るい色が良いな!染料で染めたのか元々の色なのか謎だけど、この濃いめの黄色のマントをチョイス!
手に取って居間でバサリと羽織ってチェーンの付いたブローチで留める。
……メイド達が黄色い悲鳴上げたけどスルーします。

「あ!エリーゼ様!」

慌てて入って来たアニスに近寄りハグした後、チュッと頬にキスをする(背後のメイド達はスルー!)

「手紙の選別頼んだよ。」

「はいっ!行ってらっしゃいませ!」

黄色いマントは想像以上に暖かい。気のせいかも知れないけど足先まで暖かいのは効果でも付いているのだろうか……
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